移住したい国なんてなくなってきた【海外生活6年目の真実】

マカオのホテル

マレーシア・フィリピンに住んでみて、
次に移住したい国を探してきた。

もう海外生活も6年を過ぎた。

すでにマレーシアでは永住ビザのMM2Hを取得済みで、
フィリピンでもクオータービザという永住権を申請中。

ただ、どちらにもずっと住み続ける予定はない。

あくまで権利を確保しておいて、
いざという時に備えているだけ。

転々と色々な国に1年単位で移住したいというのが
当初の希望だった。

今ではバカげた話だと思っている。

というのも、ビザのことを考えると
移住したい国があったとしても、
たいていはすんなり住めるなんてことはない。

たとえばオーストラリアやニュージーランドの場合、
数千万円台後半のお金を積むことは最低限の条件。

もしくは従業員ビザを取ることになる。

私は自分でビジネスをしているので、
現地で就労することはないので従業員ビザは無理。

そうなると、たった1年移住したいがために
莫大なお金を支払わなければならなくなり、
これも論外。

ヨーロッパ各国はどうか?

ポルトガルで7,000万円ほどの不動産投資をすると、
EUの居住権が得られるというスキームがある。

リスボン
一国ではなく、EU各国に住めるのはメリットが大きい。

とは言え、こちらも金額が大きい上、
そもそもポルトガルの不動産に投資をするというのが
かなりハードルが高い。

では1年住むだけの目的でビザを取るならどうかというと、
ポルトガルなら取得は可能らしい。

ただ、調べてみると日本にあるポルトガル大使館で面接をしたり、
取得まで半年ほどかかる場合もあったり、
たった1年住むだけのために相当手間がかかり、
さらに発給条件が不安定。

ポルトガルに移住したい理由が重視されるとか、
基準が漠然としているので。

ポルトガルは好きな国の1つだし、
南側にある首都のリスボンを起点に、
オビドス、ナザレ、ファティマ、コインブラ、
ポルトと北上しながら縦断したこともある。

冬の寒さもヨーロッパにしては穏やかで
生活環境としては魅力を感じた。

とは言え、
事前にかかる手間と不安定さを考慮すると
手放しに素晴らしい選択肢とは考えがたい。

こうした現実を見ていくうちに、
1年単位で移住したいという当初の希望は色あせていった。

私は役所関係の手続きが面倒で仕方ないので、
たかが1年の居住権を得るために
毎年そんなことをしたくない。

もっと簡単に住める国に行きたいが、
そうするとフィリピンやマレーシア以外には
もう中国とカナダぐらいしか見当たらない。

中国に移住なんてしたくないので、
残りはカナダだけ。

カナダは観光ビザで半年滞在し、
1度ビザを延長すれば1年になる。

バンクーバーの高層ビル群

主要都市は一通り周ってみたが、
西海岸のバンクーバーやケベック州のモントリオールは
住環境として魅力を感じた。

今後住む場所として
カナダが有力候補の1つなのは間違いない。

とは言え、まだ30代の私にとって
3つの国でやりくりをしていくのは当初のビジョンとは
かけ離れた展開になってしまう。

個人的には、来年はヨーロッパに住みたかったのだが・・・。

ポルトガルも好きだし、
行ったことがない東欧のクロアチアやアルバニアも
面白そうな予感はしていた。

しかし、ビザのことを考えると難しい。

これは国内での引っ越しと異なる
海外移住のデメリットだろう。

基本的にビザの問題を解決しなければ住めないし、
ヨーロッパのシェンゲン圏を除けば
原則として一国ごとに条件をクリアしなければいけないため
1年程度の期間で連続的に移住を繰り返すのは難易度が高い。

ワーキングホリデーが使える20代なら
まだ条件はゆるめであるものの、
30代だとビザの条件が厳しい。

50歳以上になると各国でリタイアメントビザを
簡単に取りやすくなるものの、
まだ15年以上かかる。

語学の問題は案外簡単に片付き、
片言の英語で基本的に海外暮らしが可能という結論に至ったが、
ビザはいまだに消えない課題として残っている。

ということで、拠点を持たずに転々とするという暮らし方も
実験的に行っていくことになりそう。

一生1つのライフスタイルに凝り固まる必要はないので、
飽きたり疲れたらどこかの国に定住すればいい。

定住が飽きたら、また拠点をなくしてもいい。

投資用の不動産は持っていても、
自宅用の持ち家を買う気はないので
賃貸期間は基本的に1年単位。

身軽に動くことができる。

海外での部屋探しのノウハウも積み重なってきたし、
引っ越しぐらいの感覚で別の国に住める。

ビザさえ解決していれば。

移住したい国に住むことはできなくても、
拠点を持たずにホテル暮らしなら
日本のパスポートが強いおかげで簡単に実行可能。

たとえばヨーロッパならほとんどの国は
(シェンゲン協定加盟国なら)
半年で合計90日までの滞在は認められている。

その方が現実的かと思うようになってきた。

追記:ホテル暮らしを1年半続けてみて

ロンドンのホテル室内
上記の記事を書いてからずいぶん時間がたった。

その間に起こったことを完結に説明すると、
フィリピン・マニラのコンドミニアムに1年住んだ後、
色々な国をぶらぶら周りながらホテル暮らしをしていた。

原則としてビザなしでの滞在となるが、
一部の国は入国に観光ビザを取ることもある。

そして居心地の良さに応じて滞在期間を変えてきた。

と言っても基本がビザなしなので、
それほど長居することはできなかったのだが。

ちなみに、この間にフィリピンの永住権の手続きは完了し、
無事に取得することができた。

今ではフィリピンが発行したi-cardという
クレジットカード大の身分証明書がある。

これは観光ビザの更新で滞在していても取れるが、
期間がpermanent(永遠)となっている点が永住権の違い。

1年半の間には西回りで世界一周もした。

そして色々な国の住環境を見て回り、
そこで生活した場合のシミュレーションも行ってきた。

その上で次に移住したいと思ったのはセブだった。

結局フィリピンに戻ってきた(笑)。

是が非でもセブに住みたいというよりは、
いい物件が見つかったら住もうと思っていたのだが、
そう思ってから結果として2度目の訪問で
今のコンドミニアムを見つけた。

セブシティ
とりあえずしばらくはセブに住み、
その後は再びホテル暮らしに戻る予定でいる。

世界中を周ってみた感想というのは、
多くの国を見るほどに移住したいと思うためのハードルが
どんどん上がっていくということ。

初めての海外生活の場はマレーシアだったが、
今ではあの国に住むのは無理だろう。

サンプルが増えるということは、
より良い選択肢が見つかるということ。

そして、アラが見えることでもある。

知識や経験が増えるほどに候補が増えるのではなく、
むしろ多くの中から厳しい絞り込みが行われる。

そのため、住みたい国が増えすぎて収集がつかないという状況には
案外陥らないものだった。


海外に移住するのは本当に難しいのか?


日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。

同時に、

「英語が苦手で・・・」

「海外での部屋選びで失敗しないか不安」

「他の国での生活を想像できない」

「下見で何を確認したらいいか分からない」

「移住後の仕事やお金が問題」

等々の様々な不安や悩みも耳にする。

そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
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