普通にウィークリーマンションやホテルでもいいが、日本の古都に長く留まってみるのは、振り幅があって面白い。
今まではマレーシアとフィリピンに住んできたが、それ以外にも一年半以上ホテル暮らしをしながら世界一周をしてみたり、各国を見て周ったりしたが、日本を改めて見つめ直すのは面白い試みだし、その拠点として京都は格好の場所の一つ。
旅行者のような短期滞在ではなく、長期で宿泊するからこそ見えてくる街の素顔があるのは、各国を周っていてよくわかったし、それはたとえ日本であったとしても、同じことが言えるだろう。
季節による違いもあれば、最初のうちは気が付かなかったちょっとした違いとか、町の人の息遣いや生活習慣を知るうえで、自分が現地で暮らしてみるというのは非常に重要なこと。
文化人類学でいうところのフィールドワーカーほど現地に溶け込んで暮らすつもりはないが、京都に長期滞在をすることがあれば、その中で学べることはおそらく数多い。
ちなみに京都は、長寿企業の割合が日本でもっとも高い都道府県。
参考:「長寿企業」日本一の京都府 秘訣は「過去の成功体験に縛られない」
脈々と受け継がれた文化や伝統は現代にも通じることが、この点においても証明されている。
ビザなしで住めるありがたさ
最近はセブのコンドミニアムを引き払って、再びホテル暮らしに入ったので、どの国にも好きなタイミングで行くことができる。日本の場合は当然ながら、ビザが無い状態で無期限の滞在をすることができるので、その点も非常にハードルが低い。
海外の場合、永住権を持っているフィリピンや、リタイヤメントビザをとったマレーシアなら好きなだけ住めるが、観光ビザや、ビザなしでは短い国だと半月程度、長い所でもせいぜい半年が限界なので、やはり自分の国はこの点において有利。
伏見稲荷や龍安寺を観光地としてではなく、日常の一部として再定義できれば面白いのではないだろうか。
そうした観光客が集まる場所にはめったにいかなくても、和カフェ等を日々楽しみながら暮らすのも楽しい。
ただし、日本で長期滞在をする場合に少々面倒なのは、ウィークリーマンションやホテル等であれば家具や家電が付いているので何の問題もないが、普通の部屋を借りようと思うと、自分で家具家電を揃えなければならない点。
そうすると無駄に初期費用がかかるし、日本を出ようと思ったときに、その家具を処分しなければならなくなり、非効率になってしまう。
海外のコンドミニアムは大概の場合、家具家電が備え付けられているのでしばらくの間試しに住んでみるという決断がしやすいし、引っ越すと室内の雰囲気が一気に変わるので、そういった意味でも面白いのだが、日本だとなかなかそういうわけにはいかない。
あくまでも住民というよりは、観光客のような位置づけで生活することになりそう。
京都を拠点に行ける旅先が面白い
京都は大阪の隣なので、新幹線を使って移動をするにも、関空を使って飛行機で飛ぶにも便利だが、そこまでしなくても比較的近郊に色々な名所が揃っている。例えば和歌山県には瀞峡があるが、こちらは雄大な自然を楽しめる峡谷で、川下りをしてみたい。
海外でもこういった所はあって、例えばベトナムのハノイ郊外にあるハロン湾が有名だし、向こうの方が規模が壮大ではあるが、行くのが大変という大きな問題がある。
日帰りツアーだとかなり急ぎ足になるうえに途中は悪路になり、ベトナムというまだまだインフラも整っていなければ、治安もいまいちな国なので、どうしても交通にストレスがかかる。
そういったことで考えると、日本は瀞峡に限らずあまりストレスを感じずに自然を楽しめるという大きな強みがある。
他にも国の重要指定文化財に指定されており、天空の城の異名をとる兵庫県の竹田城とか、彦根城の近くにある玄宮園という大名庭園だったり、日本三景の一つである天橋立だったり、白崎海岸や、橋杭岩、大台ケ原といった様々な自然を見に行きたい。
季節が合うのであれば、吉野山の桜といった京都以外の所でも桜を見て周りたいし、当然ながら桜に彩られた京都も眺めたい。
他に熊野古道も、急ぎ足で部分的に歩くだけではなくて、全てのルートを踏破してみたい。
時間はあるわけなので、名所巡りは無理をせずに実践できるし、一か所のホテルに長期滞在をしなければいけないわけでもないので、場合によっては一旦京都から離れて和歌山に泊まるとか、柔軟に対応することもできる。
町屋や古民家に住む場合であっても、実際にはホテルステイのようなことが出来るところに限られてくるだろうし、そうなると滞在期間の日程はかなり柔軟に組むことができるので、そうした強みを活かした旅ができればと思う。
日本国内だと他にも北海道とか沖縄とか福岡とか、いくつか長期滞在をしてみたい街はあるが、やはり京都の魅力というのは格別。
自然と伝統、文化、そして日本らしさといった大きな魅力を兼ね備えながら、交通の便も良く、近隣にも足を運びやすいのは大きな魅力。
ただし悩ましいのは、京都は盆地なので、基本的に夏は暑く冬は寒いので、その時期をあえて選ぶのか、避けるのかという問題。
さらに言うと、春の桜の時期や、秋の紅葉の時期は観光客でごった返すので、人ごみが嫌いな私としては、この点のみを考えると京都での生活は向かない。
しかしながら、桜も紅葉も京都に映えるのは間違いなく、そういった時期に生活してみたい思いもある。
こうして考えてみると、冬は寒いのでそれが問題になるし、春は桜の時期だと観光客が多く、夏になれば異常に暑く、秋の紅葉の時期には再び観光客が大挙し押し寄せるということで、四季を通して何かしらの問題が残されている。
こうなってくると、もはや他の国を周っている中でちょうどいいタイミングを見つけて長期滞在をするのが、京都とうまく関係を結ぶ手っ取り早い方法なのではないかと思う。
一生に一度しか行ってはいけないというルールがあるわけではないので、何度も訪れることは当然できる。
そう考えれば、スギ花粉の時期さえ外しておけば、いつ行ってもいいような気もする。
それにしても、以前にギリシャ帰りに関空経由で立ち寄って見た雪の積もった京都はとても美しかったが、あの時の寒さを考えると、再び行くのにはなかなか決意がいる。
何しろ、ここ数年は東南アジアをベースに暮らしていたので暖かさになれているし、極寒の京都はかなり体に堪えることが予想される。
しかも旅行であれば何日か泊まるだけでいいが、長期滞在となると、一冬を丸々越すことも考えなければいけないので、それだけの期間寒さが続くのに耐えられるか不安なところ。
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