ホテル暮らしを2年続けた結果。費用、必需品、困ったことは?

ブダペスト
観光ビザで滞在できる範囲内で色々な国を周るため、自宅を捨ててホテル暮らしを始めてから、すでに2年4ヶ月が経っている。

実際にやってみないとわからないこともあるもので、事前に想定していたのとは違う結果も出た。

そこで、ホテル暮らしを2年以上続けてみて困ったことや、逆にメリットと感じたこと、必需品、費用等について、まとめておこうと思う。


ホテル暮らしのメリット

当初の予定通り、住む場所にとらわれずに済むので、好きな国に好きな時期に行くことができるのは大きなメリット。

例えば、去年であれば7月や8月のハイシーズンには、ヨーロッパのダブリンとか、北アイルランドやポルトガル等に行き、そこから秋にかけて東欧に行ってきた。

これらの場所は冬に行くと寒くて仕方がないので、時期を選んで移動する必要がある。

逆に真冬の時期には、フィリピンやタイなどの東南アジアにいることによって、暖かい中で生活をすることができるので、1年のうちの各地でいい時期を選んで移動していくと、体がとても楽。

当然ながら花粉症のシーズンの日本に行ったりすることもないので、スギ花粉に悩まされることもなくなった。


ホテル暮らしの場合であれば、賃貸の部屋を借りる場合よりも、内装であったり、色々な部屋の使い勝手を確認できるのも良いところ。

仮に2年に一度引っ越しをする人であっても、20歳から40歳までの間に10回の引っ越しを経験することになり、10の部屋でしか生活しないことになる。

ホテル暮らしをすれば、その数を飛躍的に増やすことになり、自分にとって快適な部屋、さらには周囲の環境について多くの知見を得ることができ、一箇所に定住する生活に戻る際にも参考になる。


単純に五感を刺激するという意味でも効果的だし、常に生活環境が変わるので、わざわざカフェに行ったりしなくても、仕事がはかどる。

やはりマンネリになってしまうと生産効率は落ちるもので、これは自宅で仕事をしていても、あるいはオフィスに通うような場合でも同じことが言えるが、ホテル暮らしであれば転々としながら仕事ができるし、逆に集中したい時には同じホテルに予め長めに予約を入れておけばいいことなので、そこら辺の調整ができる。

実際、私も落ち着いて仕事がしたい時には、2週間ほど同じホテルを予約して、あえて疑似缶詰状態を形成していたし、普段はそこまで長期の滞在を1つの場所ですることはなく、同じ町の中でも、いくつかのホテルを回ることによって、様々な生活体験をすることができている。

さらに言うと、アパートメントホテルなどにも泊まることによって、現地での暮らしを垣間見ることができるし、これは今後の海外移住先を確保するためや、投資判断をする上でもプラスに働く。

単純な話として、平米数を見て部屋の広さをイメージすることができやすくなるという意味でも、ホテル暮らしは活用できる。

Hotels.comやagoda、expediaのような予約サイトであれば、一部の部屋を除いて平米数や何スクエアフィートかを見ることができるので、それを確認して実際の部屋と照合することで、感覚としてその広さを体感することができ、不動産投資の際に数字で広さを見ても、だいたいのイメージを膨らませることができるようになる。


また、ルームクリーニングやタオルの取り替えを毎日やってくれるので、掃除の手間が消滅した。

フィリピンに住んでいた頃はメイドさんを雇う選択肢もあったが、実際問題としては管理も大変だし、そもそも探すのにも手間がかかる。

しかしホテルであれば、そういったことが最初からセットになっているので、余計な手間がかからないし、サービスが悪いと感じたら他のホテルに移ればいいだけなので、後腐れもない。

朝食の付いているホテルであれば、その準備も必要なく、昼や夜は外で外食するので、食事を作るという料理の手間からも解放される。

元々、一人暮らしをしていた時から外食ばかりだったので、料理をすることに時間を割くことはなかったが、朝食だけは果物を切ったり、マンゴーの皮をむいたりとか、そういったことはしていたし、当然洗い物も出ていた。

買い物の時間も使っていたので、ホテル暮らしの方がその点で時間を節約できるというメリットがある。

しかしながら、ホテル暮らしにも欠点はある。



ホテル暮らしのデメリット

ハンガリーで泊まった場所
自宅がなくて困る最たる場面は、荷物の受け取り住所が存在しないこと。

何か荷物を送ってもらう場合に、常に場所を移動しているということになって、しかも私のように海外の場合だと、基本的にどこかで荷物を受け取る事が困難。

海外発送は比較的期日がずれることも多く、ピンポイントで日程と住所を指定しても、その日に届くとは限らない。

しかも長期的な予定があるわけでもなく、来週にどの町にいるかもわからないような私の生活だと、受け取りホテルを指定することもできないので、基本的に投資用の書類や銀行のセキュリティーデバイスとか、そういったものを受け取るのが難しくなってしまっている。

この点は決定的な問題で、荷物の受け取り住所となるような拠点をどこかに作ろうかとも思ったが、結局のところ、いくら家賃が安いとはいえ、そういった固定費を払うこと自体が微妙なのと、そもそも住所そのものを確保しても、そこに誰もいなければ、結局受け取ることができないことに気付き、これはこれで問題ということになった。

オフィスを構えている友人に頼んで、彼のオフィスの住所で荷物の受け取りをしてもらおうかとも思ったが、結局今のところなし崩しになっている。


また、費用面で言うと、ホテル暮らしの場合、普通に部屋を借りる場合の2倍から3倍のホテル代がかかる。

それでも広さという面では賃貸物件には劣るが、色々な部屋に住めるというメリットも考えた時、同水準の居住環境を得るために必要な費用が家賃の2〜3倍。

これは仕方のないところだろう。

なお、エクスペディアやHotels.comの割引には色々な方法があるので、それらを使いこなすとコンスタントに20%近く安くで予約できる。


それ以外のホテル暮らしのデメリットに関して言うと、当然ながら荷物を持って移動していくことになるため、所有することができる荷物は限られてくる。

私の場合であれば、飛行機の機内に持ち込み手荷物として、自分で持って乗ることができる範囲に荷物をまとめたので、必需品以外に余計な服をたくさん持ったりはすることができない。

寒いところに行った時には、現地でコートを買ったりして、そして暑いところに来ると、そのコートは捨てたりとか、若干非効率な部分もある。

しかしながら、シンプルミニマムな生活に断捨離してみると、意外に困ることもなく、物への執着心は薄れていった。

結局のところ、たくさんの物に囲まれている生活が、本当の意味で私の理想とするところではなかったことを最近は感じているし、最低限の荷物だけでも、上手にまとめることができると意外に生活に困らない。

やはりここら辺は、実際にホテル暮らしをある程度続けてみて、ノウハウも積み重なってくるし、必需品も絞り込まれてきて、1年前に自宅を引き払った頃と比べると、随分と安定した。

当初はもっと消耗しながら続けるような、一時的なライフスタイルになるかとも思っていたが、実際はそんなこともなく、ホテル暮らしは上手にやれば継続可能なライフスタイルであると今は感じている。

今後も今の段階では、特定の国に自宅を構えるという予定はなく、当面はホテル暮らしを継続していく予定。



貴重品の管理は厳重に

バンコクのホテルの室内
ブルガリアのプロブディフのホテルに泊まっていた時、スーツケースの中に入れておいたパソコンを盗まれたことがある。

詳しい経緯は割愛するが、どうやらホテルのポーターが部屋に入った時に盗んだらしい。

翌日には同じホテルの宿泊者で、同様の被害に遭った人がいることも分かった。

同じぐらいの時間帯に、ポーターが部屋に入ったことも。


パソコンは仕事道具なので困ったし、プロブディフでは新しいパソコンを見つけることができなかった。

次の街のベリコ・タルノボでも良さそうな機種が見つからず、隣国のルーマニアの首都、ブカレストでようやく購入できた。

イースターの時期とぶつかったため、48時間以内に届くと自信満々に言われたパソコンが届くまで110時間以上かかったが・・・。

4つ星や5つ星のホテルであっても、こうした従業員の犯行が疑われる盗難の話は聞く。

私がブルガリアでパソコンを盗まれたのも4つ星ホテルに宿泊しているときだった。

とは言え、2年以上ホテル暮らしをしていて事件は1件だけなので、それを多いと見るか少ないと見るかは見方次第だろう。



ホテル暮らしの費用は?

宿泊先のプールサイド
いわゆるバックパッカーのような暮らしをして、いくつも2段ベッドが詰め込まれたドミトリーの部屋で過ごすということでない限り、普通に家賃を払って日本でマンションを借りたり、海外でコンドミニアムに住んでいた頃よりも費用はかかっている。

一般論としてホテル暮らしの費用がいくらというのは言えず、滞在する街でも相場が違うし、宿泊するホテルのグレードにもよる。

たとえば、バックパッカー御用達のホステルで、ドミトリー(相部屋)に泊まれば1泊数百円ということもある。

個人的にはそうした部屋には泊まることはないが、一泊数百円から10万円以上の部屋まで、同じ街でも幅広い。


ただ、わざわざホテル暮らしを実践しなくても、相場を知ることができる。

たとえば、Booking.comでもagodaでもいいが、こうしたホテル予約サイトを使えば、特定の街のホテルを検索可能。

口コミ評価は意外に当てになるので、評価の低いホテルは外して見ていくと相場を理解できる。

あなたがホテル暮らしをしたいと思っているのなら、望むようなグレードのホテルがいくらぐらいで部屋を提供しているかを知れば、実際に宿泊しなくても情報を抽出できる。


なお、長期滞在割引については、私はあまり利用していない。

たしかに費用を減らすためには良さそうに思えるが、まず1つの街に長く滞在することが少ないので、1ヶ月単位で部屋を借りられる状況が少ない。

また、バンコクには何度も滞在しているが、その時に気に入ったホテルに1ヶ月滞在の料金を提案してもらったが、普通に1泊ごとの料金でHotels.comで予約するのと変わらなかった。

そういった方法での割引よりも、もっと別の方法を使うほうが簡単な上に確実に割り引きを受けられる。

ホテルの割引を1泊から受ける方法についてはメルマガでお伝えしているので、そちらを参照していただければと思う。

airbnbだと、1週間ごと、1ヶ月ごとの割引率が決められていることが多いが、ホテルはそうでもない。



必需品となるものは?

ハンガリー、デブレツェンのロビー
拍子抜けかもしれないが、必需品で特殊なものは特にない。

着替えや仕事道具、私は肌が弱いので電気シェーバー等は持っているが、特別な必需品があるわけではない。

そもそもホテルは基本的な生活道具は一式揃っているし、現地で購入する手もある。


あえて言うなら、パスポートのコピーを持っておいた方がいいのと、キャッシュの出金方法は複数持っておいた方がいいぐらい。

パスポートのコピーは盗難にあった場合に使えるのはもちろんだが、他にも役立つ場面があった。

たとえば、クアラルンプールでパスポートの更新をした時のこと。

即日発行されるわけではないため、古いパスポートを預け、新しいものが発行される日を指定されて再びクアラルンプールの日本大使館に行く予定になっていた。

マレーシアでも多くの国と同じように、ホテルのチェックインにはパスポートが必要。

この時にパスポートのコピーが役に立った。

普段からコピーを持っておけば、うっかりパスポートが手元になくて、どのホテルにもチェックインできないという事態を防げる。


出金手段に関しては、クレジットカードの不正利用による停止措置等のトラブルにあっても、他のカードを使えるようにしておくのは必須。

これは国を越えてホテル暮らしをする場合はもちろん、長期の海外旅行でも同じことが言える。

不正利用の被害に合わなくても、クレジットカードの磁気が弱まって店で使えないとか、有効期限が切れるとか、そういったことは実際に起こるもの。

ちなみに、私は某カードの磁気が弱くなってネット決済しかできなくなった上、3ヶ月後には同じカードが不正被害にあって止められたことがある。

そんな時に代替手段がないと、パニックになるどころか、海外で孤立無援な状態になることもありえる。

いくら銀行口座にお金があっても、それが巨万の富であっても、現金がなければ困る場面は多々ある。

そんな時にうろたえないための備えは必要。

それ以外にホテル暮らしの必需品というか、お役立ちグッズのようなものを増やしていくと、移動がどんどん難しくなって、それはそれで問題になる。



洗濯はどうする?

毎日生活していれば、
当然服を洗わなければいけない。

アジアにいる場合には、
基本的にランドリー業者に任せる事が多い。

これは洗濯機と乾燥機にかけてくれて、
たたんで返却してくれるサービス。

日本のクリーニングの簡易版と考えればいい。

ベトナムではローカルレストランがついでに行っていたりもするし、
フィリピンやタイ、マレーシア、ラオス等でも見かける。


ランドリー業者がない街の場合には、
ホテルアパートメントや
airbnbを通じた民泊で洗濯機がある部屋を時々借り、
一気に洗濯物を片付けてしまう。


なお、台湾の場合には、
なぜかホテルに洗濯機が付いていることも多く、
無料で利用できることがたびたび。

ホテル暮らしをしていく上で、この方法がもっとも楽。


海外に移住するのは本当に難しいのか?


日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。

同時に、

「英語が苦手で・・・」

「海外での部屋選びで失敗しないか不安」

「他の国での生活を想像できない」

「下見で何を確認したらいいか分からない」

「移住後の仕事やお金が問題」

等々の様々な不安や悩みも耳にする。

そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼント
することにした。


電子書籍の目次等も掲載しているので、
プレゼントページへどうぞ

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