アメリカの物価水準を調べるため、
世界一周の旅の中でニューヨーク、フィラデルフィア、
ワシントンDCを訪れた。
まず最初に感じたのは、
隣国のカナダよりも食費は安いということ。
ニューヨークで最初に泊まったシェリダンホテルは
マンハッタンと川を挟んだ位置にあるブロンクスにあった。
駅を降りると、1スライス99セントでピザが売られている。
この辺り限定の価格ではなく、
マンハッタンでも同様の価格帯の店が散見される。
マクドナルドの朝マックでは、
ソーセージマックマフィンが2個で3ドル。
この金額は新興国よりも安い。
フィリピンやマレーシアでも、
1個で3ドルぐらいするわけなので価格の逆転現象が起きている。
他にもテイクアウトの中華料理なら6ドルぐらいとか、
ホットドッグの屋台なら安い店だと1ドルとか、
ファーストフード系の店の安さが目立つ。
カフェでも10ドル弱から本格的なハンバーガーやパスタを食べられる。
この金額はチップや税金を入れていないので、
実際に店に払う金額では10ドルを越えたりするものの、
先進国の中では決して高くない。
ただし、アメリカの物価が安いかというと、
たとえばホテル代は高かった。
中級ホテルでもニューヨークやワシントンDCなら
1万円代半ばぐらい。
日本と比べたらどうということはなくても、
他の国と比べれば高めの水準ということになる。
もっとも、このあたりは観光客も多いし、
土地も限られている。
特にワシントンDCは中心部の建物が
モニュメントの高さを超えないように規制がかけられていることもあり、
なおさら宿泊施設が限定されるという事情もある。
人々の暮らしを知る上で欠かせないスーパーにも入ってみた。
飲み物で言えば、2リットルのコーラが4本で5ドル。
8リットル分で売っているのは、さすがアメリカ。
他に果汁100%のオレンジジュースが2リットルで1.59ドル。
朝食で2つ3つ食べられそうな小さなパンが60セント、
クロワッサン・フルーツデニッシュがそれぞれ1.89ドル。
ケロッグのシリアルが371グラムで5.59ドル。
無脂肪のヨーグルトが170グラムで89セント。
お菓子類だとチョコチップクッキーが368グラムで4.59ドル、
リッツが291グラムで3.99ドル、
ハーシーズの113グラムの板チョコが2.39ドル。
生鮮食品ではやや小ぶりなアボカドが3つで5ドル、
小さなパイナップルが5.99ドル、
142グラムのサラダが3.99ドル。
どうも物価よりも、量が多いことが気になる。
一人暮らしで食べきれる量ではないような気が・・・。
ただでさえ食が細いし、
こんなに大量に要らないと思うこともしばしば。
食べ物をスーパーで買って余らせるぐらいなら、
外食してもコストは変わらない気がする。
何にせよ、
アメリカは物価の高い国ではないというのが
実際に現地に入ってみての感想。
食費に関して言えば、
オーストラリアの方が倍近くする。
同じ英語圏でもイギリスの方が5割増しぐらいだし、
その点では割安感さえ漂っている。
移動コストも安く、
ニューヨークからフィラデルフィア、
そこからワシントンDC行きのバスは
それぞれ12ドル、15ドルだった。
いくら近場の街とはいえ、
フィラデルフィアまでは2時間程度、
ワシントンDCまではたしか3時間か4時間ほどなので格安感がある。
バスターミナルに建物がなく、
普通のバス停ぐらいしかないのは長距離バスとしては衝撃だったが、
コスト削減として考えると納得できる。
アメリカは住宅やホテルを除いた物価はかなり安い。
新興国で外国人向け商品が値上がりしている現状を踏まえると、
生活コストの差は確実に縮んでいると感じた。
ただし、場所によっては治安が良いとは感じられず、
むしろ東南アジアにいる時の方がリラックスできた。
今回の移動の中でニューヨークのハーレムで
バスから地下鉄に乗り換えた時には、
マニラのあまり安全ではない場所を思い出した。
逆に言えば、フィリピンでもマカティ等のエリアの方が
よほど治安は良いように感じる。
あるはワシントンDCを東に移動したアナコスティア側以東。
こちらは車内の雰囲気が悪く、
とてもiPad等を出したりする気分になれない。
こうしたことを考えると、
のんびり暮らせるエリアというのはアメリカでも限られている。
先進国と新興国の差が狭まっているのは物価ばかりではなく、
治安の面も同様。
ある部分では逆転現象すら見られる。
そうしたことを考えると、
今後の移住先やロングステイ先として見た場合、
アメリカにはことさらに魅力を感じるものではなかった。
仮に北米で暮らすのであれば、
隣にあるカナダの方が選択肢としては有力になる。
オーガニックはいまいち
ニューヨークやワシントンDCは分かりやすいが、アメリカは安くですまそうと思えば食費は節約できる。
ただし、それは代償として健康を犠牲にすることを意味する。
農作物なのか工業製品なのか分からない食品がを
世界に先駆けて取り入れてきた国だけに、
その傾向は今でも強い。
安全な食べ物を取り入れようとしたら、
当然ながら生活費は上がる。
現地の一般的な物価の2倍以上かかる場合もある。
それでもアメリカのオーガニック食品の基準は
ヨーロッパに比べてゆるい。
そのため、オーガニックであればヨーロッパの方が
理想的な環境と称されることがしばしば。
オーストラリアと比較した場合にも、
やはりアメリカの基準は劣っている。
それはニューヨークのような街を訪れれば背景が一目瞭然で、
このような貧富の差が激しい、
もちろん大部分が豊かではない街において
厳格な基準のオーガニックを根付かせるのは難しい。
イメージだけで売りたいと思う会社は
基準を高めていくことは望まないだろうし、
ロビイストを通してそのようなルール作りがなされているのだろう。
とは言え、あからさまに身体に悪いファーストフードよりは
アメリカのオーガニック食品の方がいいのは間違いないだろう。
この国に来ると、食品が工業化しているという事実を
頭ではなく肌感覚で理解することができる。
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