海外でも日本のドラマを見ることができるなんて
便利な時代になったものだと思っていた。
まだ途中までしか見ていないが、
最初に半澤直樹の出向先として挙げられ、
後に浅野支店長が飛ばされたのがマニラの会社。
完全に銀行員としての死を意味する場所として描かれていたし、
ドラマの中で出向したら戻ってこれないことが
何度も強調されていたのでそれは分かる。
ただ、ここには違和感もある。
視聴率を考えても、
見ている人の大部分は国内外の出向先レベルの会社に勤めていたり、
その家族だったりするはず。
世間的に見て、
メガバンクの役員を狙える銀行員レベルのエリートサラリーマンだったり、
うまくいっている起業家や経営者だったりする層はせいぜい数%。
そう考えると、悪人として描かれた浅野支店長が出向にあっても、
自分達と同じレベルになっただけにすぎない。
出向先だって普通の企業なわけなので。
別に目を覆うような制裁を受けたわけではなくて、
あくまで視聴者のレベルの会社員になっただけ。
そう考えると、
「君達みたいな人生を送るなんて
この世の終わりだとは思わないのかね」
と失脚前の支店長の
あの口調で言われているようなものなので、
怒ってもいいのではないかと。
ちなみに、浅野支店長が飛ばされたのはマニラの会社。
よほど変な場所にある会社ではない限り、
日本人が住むのは現地では高級に部類されるコンドミニアム。
ちょっとした高級ホテルのようなロビーがあり、
プールやジムが付いている物件。
メイドも月に2万円から3万円程度で雇える。
プールやジム付きのコンドミニアムに住み、
メイドを雇って奥さんを家事から解放できて、
家族関係も良好(ドラマの中での描写)という
浅野支店長の出向先での生活は
むしろ幸せな人物像にしか見えない気がする。
マニラなら美味しい日本食も食べられるし。
たしかに役員も視野に入っていた
エリート銀行員としての人生はもう終わり。
ただ、このエピソードで一般の人に共感を生めたのは少々驚き。
あそこまでの憎まれ役への断罪が、
こんな楽しそうな生活を与えられたことだったのだから。
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