セブ島の治安の注意点をフィリピン移住者が語った、危険な場所も

セブのレストラン
フィリピンのリゾート地、セブ島は治安のいい場所と悪い場所の
差が激しい傾向にある。

全体として見ても極端に危険というわけではないものの、
やはり日本人が足を踏み入れるのは避けたほうが無難な地域もあれば、
歩くなら注意が必要なエリアも。

フィリピンに移住して住む身として、
このあたりの注意点について少し語ってみようかと思う。


まずフィリピンは小さな島の集合体の国で、
セブ島はその中でも2番目の大きさ。

なお、イスラム過激派によってテロがたびたび起こる
ミンダナオ島とは別の島。

位置的には、ミンダナオ島よりも北にある。


セブは小さな島ではなく、実は広い。

その全てがビーチリゾートというわけでもなく、
普通に現地の人が暮らしているエリアも広いため、
そうした場所は外国人向けになっているわけではない。

日本人が訪れるビーチは
主にマクタン島の南側で、
シャングリラやクリムゾンリゾート、
プランテーションベイ等のホテルが並ぶエリア。

橋を渡ったセブ島の中心部、セブシティは商業都市で、
リゾート感はない。

セブシティ
アヤラセンター
ケッペルタワー

このあたりはモルディブやハワイとはだいぶ違う。

実は外国人向けエリアのほうが
面積的には圧倒的に小さいことになるので。

したがって、
まったくあてもなくウロウロするのは
治安の良くない場所に行き着きかねないので避けた方がいい。

昼間は暑い国でもあるので、
普通はそんなことはしないと思うが・・・。


レンタカーを借りての移動もお勧めしない。

マニラほどではないが、
セブも交通マナーは悪く、
事故に巻き込まれても相手には
十分な賠償を望めるだけの資産がないこともざら。

また、相手が日本人だと分かって
悪徳警官が賄賂を要求してくるリスクもある。

こうしたリスクを回避するため、
マニラではあえてドライバーを雇っている
駐在員も多くいるほど。

セブでも自分で運転するよりは、
タクシーを利用する方が安心。


セブを安全に楽しみたいのであれば、
外国人向けのビーチやホテル等のエリアを利用し、
移動には車を使うのが無難。

歩いているだけで襲われるほどマクタン島の治安は悪くないが、
注意のしすぎということはないし、やはり念のため。

特に夜に徒歩での移動は危険が増す。

所得が時給100円を切る地域を
外国人が通るということがどういうことなのか、
その点は考えておいたほうがいい。


また、別の観点から見ても同じことが言える。

外務省の発表しているセブの危険度は、
レベル1で「十分注意してください」とされている。

レベル1ならラオスやインドネシアの
大半の地域も当てはまるので、
極端に危ないわけではない。

しかし、気を抜いて問題ないわけではないということも
常に頭の片隅には置いておきたい。


マクタン島でも
リゾートとしての開発がされていないエリアは
特にきれいなわけでもない。

普通に新興国の風景というか、
ボロボロの小屋が立ち並んでいたりする。

そうした場所を歩いても基本的には大丈夫なものの、
言葉も分からない旅先でのトラブルを避けるには
そうした行動はつつしんだ方が間違いはない。


観光に従事していない人は英語を話せないことも多いし、
フィリピンの公用語であるタガログ語も通じない事が多い。

というのも、セブは島単位でマニラと別の地域なので、
元々根付いているのがタガログ語ではなく、ビサヤ語。

どちらかというと、英語の方が伝わると言われている。


ただ、教育を受けている人ばかりではないため、
一般の人に話しかけても意思疎通ができないこともある。

治安の面を除いて考えても利便性が高いわけではない。


そうした地域にわざわざ足を踏み入れるよりは、
普通にリゾートエリアで遊ぶのもいいのではないかと。

もちろん現地の人と関わりたいとか、
明確な目的があるのなら別だが。

マクタン島ならシャングリラやモーベンピック、
プランテーションベイ等のホテルが有名。

ホテルの敷地内は安全で、
基本的に部外者が入ってこないようになっている。

安全を重視するなら、
マクタン国際空港から直接ホテルへ行き、
リラックスして過ごすのが当たり外れがない。

モーベンピックホテルのプライベートビーチ

マクタン島のリゾートホテルなら
アイランドホッピングやシュノーケリング、
ジェットスキー等の手配もできる。

多少割高にはなるが、安全面では万全。


余談だが、
モーベンピックホテルにはレジデンス用の棟があり、
そこも部屋探しの際には案内された。

リゾートを数日単位で満喫するには良さそうだったが、
長期滞在には利便性がいまいちなので
最終的にセブシティのコンドミニアムに住むことにした。


セブシティならアヤラモールが
一応の中心地という扱いをされることが多い。

アヤラモールの中庭
レモングラス
アヤラモール内部

フィリピンの治安は悪いイメージがあるし、
国単位で見ればそれも間違っていない。

ただ、地域差が激しい国なので、
セブの中でも外国人向けの場所は安全を確保されている。

そうした場所から出るということは、
それなりのリスクを背負うということ。

何が起こるか分からない部分はあるし、
相応の注意を求められる。



セブで治安が悪い場所

危険なエリアとしては
マンゴーストリートやコロンストリートがある。



この辺りは子供のスリも多いので、
気をつければいいのは大人ばかりではない。

よくあるトランプ詐欺や両替詐欺、昏睡強盗、美人局と
様々な手口で財布を狙ってくる。

トランプ詐欺の場合、
最初は仲良くなってトランプ(主にポーカー)に誘い、
途中からお金をかけるもの。

相手は仲間内で結託していて、
最終的にカモである外国人に大損をさせるもの。

手持ちの現金がなくても、
ATMでお金を引き下ろすまで帰れなかった、
民家に連れて行かれたので場所も分からない、
という話もある。

そのため、お金を払わないと無事に帰れず、
警察に相談しようにも相手の特定ができない。


また、昏睡強盗はお酒に睡眠薬等を入れて
眠らせた上で金品を盗む手口。

ドリンクを勧められたら、
それは親切ではなく昏睡強盗のため、という可能性もある。

トランプ詐欺にしろ昏睡強盗にしろ、
近づいてくる人に簡単に気を許しすぎることで
リスクを大きくしてしまう。

この点は要注意。


安全第一に過ごしたいのなら、
セブの中でもマンゴーストリートとコロンストリートは
足を踏み入れるべきではないエリア。

特に夜は。

どうしても訪れるなら、
人が近づいてこないように足早に歩き、
誰かがそばに来るようなら(特に複数で)
全力で走って立ち去ったりすれば
ある程度は安全になる。


ちなみに、フィリピン人が犯罪に走るのは
ほとんど金銭目的。

そのため、いざという時は素直にお金を出せば
それ以上の被害、つまり怪我や命に関わる事態には
つながらないことが大多数。

向こうとしても大事に発展させるメリットはないので。


万が一の時のために、
フィリピンの通貨、ペソで1万円分ぐらいは持ち歩いておくと
いざという時に安心。

ほとんどお金がない状態だと奪われるものがなくて安全に見えても、
目的を達せられなかった相手が逆上して身に危険が及ぶ恐れがある。

それよりは、いくらかのお金で被害を済ませるほうが
いいのではないかと思う。



セブで忘れてはいけない前提

ジプニー
ジプニーに乗っていて
拳銃を突きつけられるホールドアップという強盗がある。

フィリピンは銃社会なので、
銃が本物である可能性は十分にありえる。

セブの治安を語る上で、
銃が簡単に手に入る点は無視できない。

下手に揉めて命を危険にさらすより、
お金を強盗に渡した方が賢明。

ちなみに、殺人、強盗、傷害等の場合、
犯人の検挙率はおよそ2割とされている。

そして、海外ではありがちなように、
外国人が被害者の場合はなおさら捜査が真剣に行われない。

自分の身は自分で守らなければいけないし、
いざという時にはさっさとお金を渡すのも生きるための知恵。


実際、2019年にもセブで運転中だった日本人女性が
フィリピン人男女2名に射殺されている。

この事件では日本人の夫が
殺人を依頼していたということで逮捕された。

マニラでもセブでも、
日本人が銃犯罪の犠牲になるケースは
時々耳にする。

被害者にならないためにも、
いざという時は意地を張らずに
お金やスマホを出した方が賢明。


あくまで万が一の時の対策なので、
別にセブの治安が悪いということではない。

ただ、海外に出るときは常にこの程度の備えはしておいたほうがいい。


とは言え、出国が近づいてくると
できるだけその国の通貨を使いきろうとしてしまうのだが・・・。

すぐに再び来る国ならともかく、
それ以外だと使わない通貨を持っていても
邪魔にしかならないので。

置き引きに遭ったりしたら、
色々な国の通貨を持っていても被害額が増えるだけ。


強盗に遭遇した場合の備えと、
置き引きをされた時の備え。

ある意味、トレードオフの関係になってくる。

注意していても最終的にはバランス感覚の問題なので、
このあたりは難しいところ。


しかもフィリピンの場合の注意点として、
簡単に銀行口座を開けるわけでもないので、
現金を預金に変えるというのも難しい。

特別なツテのあるサポート会社を通すとか、
フィリピンでの住所を証明する書類を用意しないと
銀行の口座開設ができないため。

しかも銀行口座があっても、
原則としてペソの入金はできないという一見奇妙なルールがある。

現地で就労する資格を持たない外国人が
フィリピン国内でペソを稼いで
海外に送金するのは不当、という理由。

これは日本のATMのルールとは違うので、
注意が必要なところ。


セブ島に行くのに、
そういった目的の人も限られていると思うので、
やはり現金で持ち出すことになってしまう。

再び訪れる予定が近々入っていればともかく、
それ以外だと無駄な現金に。


いくつかの国を連続で周る場合、
こうして外貨が増えていく。

最後の国で一度盗難にあったりしたら、
大きな被害額になりかねないという心配がある。

治安のいい場所であっても、
荷物を盗まれることはあるので、
これはどうしても避けられない不安事項となる。



セブの危険度が高まる時期

クリスマスや新年が近づいてくると、
犯罪は増加傾向を示す。

クリスマスツリー

ただ単にクリスマスに騒ぎたいというだけではなく、
帰省のための資金や故郷に持って帰るためのお金を
犯罪で稼ごうという人がいるためらしい。

そのため、年末になってきたら、
普段以上に要注意ということになる。



タクシーやATMでの注意


セブでタクシーに乗る場合には、
建前としてはメーター制となっている。

実際、何も言わずにメーターを動かすドライバーも少なくないし、
割合としてはマニラよりも多い。

とは言え、メーターを使わずに
価格交渉してくるドライバーもいる。

先に乗ってしまうと
料金交渉がうまくいかなかった時に
動いた分の料金を払えと迫ってくるドライバーも。

そのため、必ず行き先を告げ、
金額にも納得してからタクシーに乗る方が安全。

また、高額紙幣しか持っていないと
お釣りがない場合もある。
(またはドライバーがお釣りがないフリをする場合)

1,000ペソしか持っていない場合には、
タクシーに乗る前にコンビニで買い物をしたりして、
細かい紙幣を用意しておきたい。


ATMに関しては、
ショッピングモール等の人の多いところの方が
お金をおろした後に襲われるリスクが少ない。

ATMでお金をおろした直後に
フィリピン人女性が強盗に遭い、
射殺された事件も起きている。

もっとも注意しなくてはいけないのは
夜に人気のない道端のATMを使う場合。

極力避けた方がいいので、
昼間に安全な場所でお金は用意しておくと安心。



万が一の時の連絡先

犯罪に遭ってしまった時の緊急連絡先は以下の通り。
警察:166
救急車:161
消防車:160
在フィリピン日本国大使館:(63-2)551-5710
(日本大使館はマニラにある)
セブ領事事務所:63-32-231-7321


ちなみに、財産目的の軽犯罪であれば、
フィリピンの警察に通報したところで
まともな捜査が行われることは期待できず、
まして盗まれたものが戻ってくる確率は低い。

海外旅行保険の申請のために
警察に被害届を出すなら意味があるが、
そうでないなら申告しても
時間の無駄になることが大半だろう。

どのみち捜査が行われないなら、
わざわざ警察に話をしている時間が無駄とも言える。


なお、セブ島の自然災害については、
日本よりも地震ははるかに少ない。

近くのボホール島で起きた地震も
1,000年に1度の規模と言われるぐらい。


台風については毎年被害が出るので、
その時期には要注意。

ただし、遊びに行くのに困るとか、
飛行機の遅延や欠航が出るというレベルの話で、
それ以上の危険があるわけではない。


台風の時期に沖縄に行くのと
同じような感覚で考えておけばいいレベル。


野良犬は安全か?

バイクと犬
セブ島では野良犬を時々見かける。

現地の人はまったく気にしないで歩いているが、
やはり日本人としては不安なところ。

噛まれて狂犬病をはじめとした病気でも移されてはたまらない。


治安を乱すのは人間ばかりではないが、
セブ島の野良犬に噛まれたという話は聞いたことがない。

私も何度か訪れた中で、
特に危険な目にあった経験もない。


そもそも東南アジアには野良犬が多く、
熱帯地域のためか彼らは動きもスロー。

また、吠えたり暴れたりすると駆除されることを理解しているのか、
基本的に人間に害を及ぼすことがない。


その意味で言うと、
客観的に見た時に野良犬の危険度は大きくない。

と言っても、道端にいられると、
かなり気になるところではあるし、
うっかり尻尾を踏んだりしない注意は必要。


また、セブ島にはヤギもいるが、
ヤギは野良ではなく誰かの所有。

草食動物ということもあり、
ヤギは犬以上におとなしくしている。

ヤギにしろ、犬にしろ、
フィリピンでなくても海外では常識的な注意点だが、
むやみに触らない方が安全。

どんな病気を持っているか分からないので、
噛まれなくても触れるのはリスクがある。

アイランドホッピングに参加した時、
ツアーコンダクターの人がその点は注意深く監視し、
犬に触れようとしている参加者を
止めようとしている場面があったが、
安全管理という意味では仕方ないところだろう。

参加者が病気にかかって、
ツアーを主催している会社の責任問題にもなりかねないので。

個人の場合にも、
同様の自己管理が求められる。


以前にセブシティーからマクタン国際空港に向かう途中、
タクシーが野良犬をひいたことがある。

大通りをトコトコと軽快に犬が渡ってきたが、
まずいと思った次の瞬間にはタクシーがひいていた。

運転手がどうするかと思い注視していたが、
止まるでもなく、リアクションがあるわけでもなく、
そのまま通りすぎてしまった。

様子を見ている間に現場を通り過ぎてしまい、
結局野良犬がどうなったかは分からない。

自分で運転していたわけではないとは言え、
気持ちが重くなる出来事だった。


ジプニーには注意

フィリピンの交通手段
セブ島内の交通手段といえば、
タクシーとジプニーが主流。

他にホテルの送迎の車やトライシクル等もあるが、
やはり普段使いやすいのはタクシーとジプニー。


原則、セブ島のタクシーで大きなトラブルについて
耳にすることはない。

多少の料金の上乗せはあっても、
せいぜい200円とか300円程度。

それも脅してくるというよりも、
乗車時に交渉してくるだけ。

一般には治安の良いイメージのマレーシアの方が、
タクシーに関するトラブルは圧倒的に多かった。


実際、マレーシア在住時には
再三にわたってタクシーのドライバーと揉めてきたが、
セブ島に住み始めてからは一度もない。

マカティに住んでいる時も同様だった。

フィリピンのタクシードライバーが真面目かと言われると
首を傾げたくなる部分はあるが、悪質な例は少ない。

その傾向はマニラよりもセブ島の方が強い。


ただし、ジプニーに乗る場合には要注意。

治安が良い街と言っても、スリ等の軽犯罪は多い。

フィリピン在住の私の友人も、
ジプニーに乗った時にスマホを盗まれている。

また、前述のようにホールドアップのリスクも。

なお、ジプニーは治安面での問題だけではなく、
排気ガスをもろに受けるというデメリットもある。

一度だけタクシーがまったくつかまらず、
仕方なくジプニーに乗ったことがあるが、
安全と快適さを求めるならタクシーを使うことをお勧めする。


夜道でトラブルにあった例

フィリピンのナイトマーケット
私の知人から聞いた話だが、
彼の知り合いの日本人女性が巻き込まれたトラブルについて。


現場はコロンストリートでもマンゴーストリートでもなく、
セブシティのクラウンホテルの近くの裏道。

深夜に一人で歩いていたところ、
男に襲われた頭を殴られて失神し、
病院送りにされたという人がいた。

女性の夜の一人歩きだった上、
辺りは明らかに治安に不安を感じるようなエリア。

私もクラウンホテルの近くにある
夢屋という和食レストランに行くことがあるが、
その通り自体は大通りで街灯も多い。

しかし、一本道を入ると外国人が
1人で歩けるようなエリアではないことが見て取れる。


これはセブ特有の事情という話ではなく、
どの国でも外国人が
ズカズカ入っていいような雰囲気ではない。

仮にそこを通らなければ自宅に帰れないのなら、
夜でもあり、女性の一人歩きでもあるのだから
大通りでタクシーを拾うか、
あらかじめ店にタクシーを呼んでもらうべきだろう。

その注意を怠った結果として強盗にあったのは気の毒だが、
多分に落ち度があると言わざるをえない事件。


注意点というほどのことでもないが、
暗くて人通りがなく、周りの建物の雰囲気も悪い通りを
日本人が歩くのはまずい。

この事件をもってセブの治安が悪いというのもどうかと思うが、
少なくても安心して歩けるエリアかどうかは見極めた上で、
必要に応じて徒歩ではなくタクシーを使うぐらいの配慮は
海外なら当然に必要なこと。

フィリピンが危険だからというより、
そのくらいは気をつけておかないと、
どの国でもトラブルに巻き込まれるリスクは付きまとう。


海外に移住するのは本当に難しいのか?


日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。

同時に、

「英語が苦手で・・・」

「海外での部屋選びで失敗しないか不安」

「他の国での生活を想像できない」

「下見で何を確認したらいいか分からない」

「移住後の仕事やお金が問題」

等々の様々な不安や悩みも耳にする。

そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼント
することにした。


電子書籍の目次等も掲載しているので、
プレゼントページへどうぞ

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