インドネシアの生活費や移住環境を視察するため、二度目のジャカルタ渡航となった。
バタム島を含めると、この国に来るのは三度目になる。
スカルノハッタ国際空港で30日の観光ビザを買い、その期限目一杯の30日間の旅をすることにした。
様々な場所を見て回るため、日本人街であるブロックMも含め、ホテルはジャカルタ市内を転々とすることにした。
私の場合、これまで東南アジアの中では、フィリピンとマレーシアの2つの国に住んだことがある。
それぞれ永住権とリタイアメントビザも取ったし、いつでも戻れる状態だが、よりよい生活環境の場所があるのであれば、そちらを居住国にしたいという思いもあり、インドネシアに下見に来た。
生活費も当然ながら住環境の一つの要素になるので、スーパーやコンビニ、ショッピングモールを下見したり、不動産投資の視察もかねて、いくつかコンドミニアムを見せてもらったりした。
さらに言えば、移動の際には当然ながら、交通状態とか道路のインフラとか、ホテルに泊まっていれば水道やネット等のインフラ等も見えてくるので、かなり実り多い旅となった。
今回はそのレポートをまとめておこうと思う。
節約生活をした場合の生活費
ジャカルタで日本人があまりお金をかけないように暮らした場合の生活費について、最初にまとめておく。
これはあくまでも現地の人レベルの暮らしをするという意味ではなくて、外国人としてあまり危険を冒さずにすむ範囲での生活水準という意味で理解していただければと思う。
さすがに日本人が危険な地区に住んだり、あるいは全くセキュリティーの整っていないコンドミニアムに住むのはかなりリスクが高いので、あくまでも現実的な範囲での話。
そうなってくると、ジャカルタの場合、だいたい家賃5万円ぐらいのコンドミニアムから対象ということになってくる。
逆にそれ以下の物件となると、お金のために安全を犠牲にせざるを得なくなってしまうので、それはさすがに避けた方がいいだろうし、そこまでしてわざわざインドネシアに住む必要があるのかどうかも、個人的には疑問が残る。
ということで、ひとまずは家賃を5万円と想定してみると、それ以外の生活費も節約をするという前提で考え、基本的にローカルフードを中心として食事を済ませたら、一食200円から300円ぐらいで十分食べられるので、一食を平均250円として昼、夜の2回の食事で500円。
これが一ヶ月続くと、月ごとの食費が1万5千円となる。
それ以外に水道光熱費やネット代を使って、これを合計8千円とすると、諸々込みで7万3千円。
+αの費用として、1万2千円が通信費とか、その他雑費にかかるとして、8万5千円ぐらいの生活費で暮らせることになる。
標準的な外国人としての生活費
上記の金額はあくまでもかなり切り詰めた場合で、私のマレーシア時代の体験からしても、ローカルフードばかりでは半年もあればすぐに飽きてしまう。
そして、もう見るのもうんざりになってしまうほど、マレーシア料理だけではなくその近辺のタイ料理やインドネシア料理も嫌になったが、ジャカルタにおいても同じことが起ると思われる。
確かにインドネシアには屋台の店は多いが、出している料理はそこまでレパートリーが広いわけでもなく味も比較的似ているので、日本人がずっと食べ続けられるかと言うと、かなり厳しいものがある。
味覚は幼い頃に決まっているので、最初のうちは珍しいものを美味しく食べられても、昔から食べていないものは、どうしても突飛というか、変わり種としての楽しみがあるだけで、安定的にそれを食べ続けるのはうんざりしてくる。
そう考えると、食事においても和食レストランとか、あるいはイタリアン等の店に行くことになるが、こうなってくると一食軽めに食べても、1000円弱はかかると思った方がいい。
となると、そういった店を中心に食事をするのであれば、昼に1000円、夜に1500円として、1日当たり食費で2500円かかることになる。
これが1ヶ月で7万5千円。
家賃も一人暮らしの場合であれば、スタジオタイプと呼ばれるワンルームで、だいたい7〜8万ぐらいする。
ここではとりあえず8万円として計算しておくと、食事と家賃の合計額が15万5千円。
ここに水道、光熱費や、ネット代がかかってくるので、それを1万円とすると、16万5千円。
携帯代や雑費を入れると、18万円ぐらい必要になる。
この場合は、そこそこのコンドミニアムに住めるので、プールはほぼ必須で付いていると思っていいし、ジャカルタの場合は、それ以外にもテニスコートやスポーツジム、トレーニングジム、バスケットコートなどがついていることも多い。
そういった意味で言うと、日本で暮らす場合と比べても金額は小さくなるわけではないが、それなりに質の高い暮らしができる側面もある。
さらに言えば、食事代についてはローカルフードを時々織り交ぜるとか、あるいは自炊をすることによって生活費を下げることは可能なので、インドネシアにそこそこの水準で暮らすのであれば、必ず18万円かかるという意味ではない。
生活の質は上がるのか?
インドネシアという国は、新興国の中でもまだまだ発展途上にあると位置づけられることが多いし、実際現地に入ってみて、つくづくそう感じる。
インフラはボロボロで、ホテルによっては水道水から海の潮のようなにおいがする。
当然ジャカルタで水道水を飲むようなことはないにしても、うがいをしたり、シャワーを浴びたりすると皮膚や粘膜からの吸収もあるので、あまりうれしい物ではない。
ネット回線も安定しているとは言えないし、何よりも道路がひどい。
あきらかに歩行者を意識していない作りになっているので、信号や歩道橋がない場所が多く、命がけで車を遮って渡らなければいけない。
しかも、インドネシアの場合はまだまだ経済的にもそれほど豊かではないので、車よりバイクが多い。
そうなると、ひっきりなしにバイクが車の脇をすり抜けてくるので、道路を横切るのは非常に危険。
ベトナムを連想させる交通事情となっている。
では、タクシーで移動すればいいのかというと、渋滞がひどいため、それはそれで時間が読めず、非常に苦労することになる。
例えばホテルで、ブロックMまでの時間をホテルのフロントで聞いても、空いていれば30分で着くが、渋滞のことがあるのでなんとも言えないと返答されたりもする。
タイやマレーシアと比べると
正直なところ、インドネシアは生活費のわりに快適度は低いと思う。そもそもこの国はタイやマレーシアといった国と比べて、明らかにインフラが弱く、食のレベルもイマイチだし、まだまだ居住環境としては整っていないにもかかわらず、生活費に関してはほぼ同じレベルになっている。
同じコストを支払ってわざわざ質の低いものを手に入れたがる人はいないし、そういった意味でいうとインドネシアに移住したいと思わなかった。
そして、この国の環境が整うまでには少なくともあと10年はかかるだろうし、おそらくそれだけの時間が経っても交通インフラはボロボロのままだと思う。
むしろ年々渋滞は悪化してるわけで、改善の兆しもないし、そもそもインドネシアが移住先として魅力的になるころには、タイやフィリピンはより一層価値を増しているはず。
そうなってくると、この国はわざわざ住む対象ではないというのが今回の結論。
タレなしで売られている納豆
ジャカルタの日本人街、ブロックMにあるスーパーに行った時のこと。納豆を買おうと思ってが、税関を通らなかったらしく、タレなしで売っていた。
インドネシアは2億人以上の人口をかかえ、マーケットとしても有望なため注目されているが、貿易に関してはハラール審査を含めて厳しい規制をかけていることでも有名。
そのため、輸出入をしようとしてもこういった障壁で阻まれてしまい、さらに申請を出してから半年以上を時間がかかるといった問題も報告されている。
一筋縄でいく国ではないし、ハラール食品等の認定もかなり厳格なので、インドネシアでビジネスをするなら、そういった点は覚悟する必要がある。
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