ラオスの首都、ビエンチャンと世界遺産のルアンパバーン、
この2箇所の治安について語ろうと思う。
どちらも東南アジアの中でも穏やかな都市で、
特に危険な感じはしなかった。
ラオスでも観光地として人気のルアンパバーンは
小さなエリアに見所が密集していて、
治安の悪いエリアがあるようには感じない。
そのエリアの外にレンタルサイクルで出ても、
やはりのどかな風景が広がっているだけだった。
タクシー代わりのトゥクトゥクが
多少料金を高めに吹っかけてくることはあるが、
それも数百円のレベル。
しかも乗るときに交渉してくるだけで、
後から文句をつけてきたりすることはなかった。
評判通り、マレーシアやベトナムのタクシーに比べれば
圧倒的に気分良く使える印象。
ラオスの治安は全国的にいいようだが、
これは首都ビエンチャンでも基本的に同じ。
郊外のブッダパークに行く際にバス乗り場に行ったが、
ここも混み合っていながら危険な感じはしなかった。
アジアの街の中では安全な感じがする。
唯一、ラオスで遭遇したいくらかトラブルに
つながりそうなことと言えば、
ビエンチャンを夕方に歩いていたら時間を聞かれた。
タート・ルアンを見てきた帰り道だったが、
iPhoneを見て時間を教えたら、
お礼にバイクでホテルまで送るという。
断ったらレンタルバイクで時間が余っているとか、
そんなことを言っていた。
単純な善意の可能性もないわけではないが、
こうした申し出はトラブルの種の危険も十分にある。
かたくなに拒否して早足で歩き去ったが、
治安のいいラオスでもこうしたことはあった。
相手が単なる親切な人かもしれないが、
トラブルを回避するには断ったほうが無難だろう。
そもそも彼がラオス人とは限らず、
競合の少ない街で犯行を働く外国人の可能性もある。
以前にイタリアのペルージャに行った時も、
スーツケースを引きずって坂道を下っていたら、
横付けした車に乗せていくと誘われた。
そうした誘いは断ることにしているので、
もちろん断った。
連れて行かれた先に仲間が待っていて囲まれたり、
不当な謝礼を要求されるリスクが多々あるため。
たとえ治安がいい場所でも、
そのくらいの警戒心は持っておいた方がいいだろう。
リスクを背負う覚悟で
現地の人とのふれあいを求めるなら話は別だが、
私は安全を選びたいので。
何にしても、ラオスは普通に気をつけていれば
不安を感じたりしない治安のいい国だった。
元々農業国で食べるのに困ることが少なく、
貧富の差が少ない国だと聞いていたが、
たしかに現地を訪れてそんな印象がある。
もちろん全員が豊かという意味ではなく、
むしろ東南アジアの新興国と比べても発展度は低く、
首都であっても活気がいまいちない。
高層ビルも少ない。
首都でありながら、
タイの地方都市のような趣がある。
そのため、のどかでゆったりした時間が流れ、
安心して歩ける環境が広がっている。
個人的にはとても好きな国の1つとなった。
世界的に見ても、移民が多い国は治安が悪化する傾向にある。
これは移民が問題を起こすだけではなく、
彼らに職を奪われた人達の不満もたまるため。
移民は上手に受け入れれば経済成長の強力なエンジンになる一方で、
多くの国がこの問題を持て余しているのも事実。
それに比べ、ラオスはそういった問題とも無縁。
わざわざ所得の低い国に就労目的で来る人は少ないので。
特にルアンパバーンは良い意味で昔ながらの雰囲気を維持しているし、
これからも変に発展しないでほしいと願ってしまう。
今のような調和が取れた街というか村の方が、
はるかに価値が高いと思うので。
唯一の不満は交通の便が良くないことぐらいで、
それ以外はとてもよい国だった。
ラオスにおいて安全面で気をつけたいこと
治安とは若干ずれたことになるが、
無事に旅を進めたいと考えたい時に
この国で注意しておきたいことがある。
というのも、首都ビエンチャン、
世界遺産のルアンパバーンの両方でレンタサイクルを借りたのだが、
これがなかなか危険だった。
と言っても、交通事情の話ではない。
オランダのような自転車レーンが整備されていないとか、
そういう話ではない。
むしろ東南アジアの首都の中では、
ビエンチャンは交通量が少なくても自転車には乗りやすい。
バンコクやクアラルンプールでも
レーサータイプの自転車に乗っている人は見かけるが、
車の排気ガスと自転車の肩身の狭さで
なかなか参るのではないかと感じてしまう。
ベトナムに至ってはダナンやホイアンで
ホテルで自転車を借りて走ってみたが、
あまりに無秩序な交通事情に身の危険を感じ、
さっさと中止してホテルに戻ったほど。
その点、ビエンチャンは車そのものが少ないし、
ルアンパバーンに至っては村なので、
もっと環境がいい。
では、何が問題なのかというと、
自転車の整備がまったくされていないということ。
ビエンチャンで借りたレンタサイクルは、
ペダルが円で回転しなくなっていた。
ひと目でわかるほどの年季物なので、
経年劣化でペダルのところがゆがんでしまっているらしい。
こぐ時にコツが要り、
信号で停まった後に再びこぎ始めた時に
ふらつくことが多かったので、
その時に危険を感じることがあった。
ちなみに、なぜか日本の高校のステッカーが貼られた自転車も
レンタサイクル店に置かれていた。
寄付されたのか、盗難にあったのかは不明。
物価が安く、旅費も抑えられるのはいいのだが、
さすがに安全性だけは確保してほしかった。
ルアンパバーンのレンタサイクルはハンドル近くのフレームが曲がり、
バランスが取りづらくなっていた。
犯罪者が少ないという意味でラオスの治安はいいが、
自転車で交通事故に巻き込まれないように
余裕を持った運転をした方がよさそうな印象。
普通の自転車のようにスイスイ進むと思っていると、
車と接触してしまう可能性は否定できない。
このあたりは、東南アジアの中でも
まだまだ経済が弱い国という印象だった。
物価の面では意外な部分も
ラオスと聞くと、発展していない素朴な国のイメージがある。
たとえば、南側で国境を接しているタイと比べると、
明らかにGDPの面でも差がある。
タイの3873億ドルに対し、
ラオスは112億ドル。
一桁違う。
しかしながら、物価についてはタイと大きな差がない。
国境を越えた途端、
滞在コストが下がる国は存在するし、
以前に住んでいたマレーシアとシンガポールはまさにそうだった。
陸続き(と言っても水道橋でつながっているだけだが)でありながら、
橋の向こうとこちら側で明らかに差があった。
あるいは香港と深センでも同様の現象が見られる。
そのため、旅費を節約したい旅行者の中には
香港やシンガポールに宿泊せずに
深センやマレーシアのホテルを選ぶ場合も。
これに対し、バンコクとビエンチャンという首都同士、
あるいはウドンタニとビエンチャンという近隣の街同士を比較しても
同じぐらいの物価になっている。
むしろラオスはLCCが乗り入れていないため、
航空券代は高くつく。
つまり、総合的な旅費については
タイの方が安いという不思議な現象が起こっていた。
とは言え、治安の面ではラオスに軍配が上がるだろうし、
食事面ではタイ料理が好みの分かれるところなのに対し、
ラオス料理はもち米のカオニャオや米の麺のカオ・ピヤック・セン、
ピリ辛のひき肉がのった麺のカオソイのように無難なものが多く、
それぞれ一長一短ということになる。
東南アジアにありがちな劣化したバンコクのような街ではなく、
のどかで独特な雰囲気を持っている国なので、
ラオスは一度訪れるだけの価値が十分にある。
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