これからイタリアに移住する可能性が
あるかどうかで言えば、なくはない。
ただし、他に優先したい国は複数あり、
順位的には上位10位にも入らない。
ランキング圏外扱いとなっている。
イタリアに住むならどこか?
私の場合、妄想としてどこの国に住むかを考えているわけではなく、
現実の問題として向き合ってきた。
初めての海外生活はマレーシア、次はフィリピンだった。
その後は居住国と言える国はなくなったものの、
海外のホテルをウロウロしながら暮らしている。
そんな状態で仕事も続けているので、
今の生活を継続可能な状態。
日本に戻ったのは、3年間で一週間程度だった。
そんなわけで、今は非定住生活を続けてきたが、
次に住む国も常に探しているし、
頭の中でランキングも付けている。
体は一つしかないし、上位から順番に消化していくために。
ただ単に住みたいという願望ではなく、
ビザや物価等の現実も見て考えているため、
イタリアに関しては特に低くなっている。
というのも、ヨーロッパの多くの国の場合、
シェンゲン協定という域内の移動が自由に行えるルールがある。
この制度を利用すると、
たとえばギリシャでビザを取ってポーランドやドイツや
フランスやルクセンブルクに住めるということ。
通常は1つのビザが効力を持つのは一国限定なのが、
シェンゲン協定加盟国(ヨーロッパの大多数)なら
どこかでビザを取ると他の国にも自由に移動でき、住める。
何しろ国境を越える際にパスポートチェックがないので。
ということは、イタリアに住める状況になれば、
他のヨーロッパ諸国にも住めることになる。
最近はポーランドやチェコのような東欧に注目しているが、
イタリアよりも住むのに魅力的なヨーロッパの国は複数ある。
しかも、それぞれの国がいくつも住みたい街を持っているため、
どんどん優先順位は下がっていく。
イタリアの中で住みたい場所として真っ先に浮かぶのはローマ。
コロッセオやフォロ・ロマーノ、スペイン広場をはじめとして、
さらにはバチカンのサン・ピエトロ大聖堂も含め、
古代の歴史をそのまま刻んだ街は魅力的だった。
歩いていて楽しい街だし、たしかに魅力がある。
治安もイタリアの中では
特別悪いわけではないし、利便性が高い。
住環境として見た場合、
もっとも無難なのがローマとも言える。
他にはピサのように落ち着いた街もいい。
この街は何と言ってもピサの斜塔で有名だが、
ジェラートが美味しかった記憶も強い。
ローマに比べると、
喧騒を逃れられるのが利点。
ピサに固執する理由はないが、
ほど良い規模であることと、
観光客が多く訪れる街のほうが
アジア人の私が住んでも悪目立ちしないという意味で
ピサは面白い選択肢かもしれない。
短期ステイなら高台にあるアッシジのように、
緑に囲まれた雰囲気の村で過ごすのもいい。
十分な数のレストランがあるかは不明だが、
滞在先としては案外面白いかもしれない。
フランチェスコ聖堂の近くでなくてもいいし、
全体としても広い村ではないので
それなりに過ごしやすいような気がする。
ベネツィアは旅先としての魅力は並々ならないものの、
物価、特に家賃が高い。
何しろ土地が限られた島なので、これは致し方ない。
ホテル代もヨーロッパ有数の街のため、
移住となれば生活費はかなりかかる。
わざわざ生活の拠点として選ぶには、
いまいち不向きな街と言わざるを得ない。
仮にイタリアに住むのなら、このあたりが有力だろうか。
やや治安に不安が残るナポリや、
元デザイナーの友人が修行時代に住んでいたミラノもあるが、
個人的にミラノは良い思い出がない・・・。
個別の出来事やそれらへの感情を
いったん脇に置いて考えるとしても、
ローマを大きく越えるメリットは見当たらない。
強いあこがれがあるとか、
ファッション等を学びたいといった目的があるならともかく、
私は快適な場所に住みたいだけなので
取り立ててミラノにこだわる理由がない。
フィレンツェについても
特に選ぶべき理由が見当たらず、
街並みで言えばローマの方が個人的には好み。
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂や
ヴェッキオ橋、ミケランジェロ広場等は
一通り見て回ったが、
特に日常の中にあってほしいとは思わなかった。
イタリアを「なし」としている理由
初めての海外旅行でヨーロッパを周遊した際、
イタリアを縦断した。
北はミラノ・ベネツィアから始まり、
フィレンツェ、ローマ、ナポリと南に下り、
最後は港町バーリからギリシャへと移動した。
途中、日帰りでピサやアッシジにも立ち寄った。
その旅は素晴らしいものだったし、
自転車でイタリア縦断というのも面白そうだと思っている。
しかし、移住と旅行はまったく別。
旅行ではややこしい契約もなく、
ホテルやレストランに行っても難しいことはない。
チェックインや料理のオーダー等の
決まりきった流れをこなすだけ。
しかし、部屋を借りて住むとなると
様々な問題が起こる。
部屋の契約のこともあれば、メンテナンスもある。
問題が起きた時に、イタリア人の大家や仲介業者が
迅速かつ的確に動くかと言えば、
まず期待はできない。
向こうで仕事をするのであれば、
適当に生きていけていいと感じるかもしれない。
しかし、私は現地で仕事を探すわけではないし、
イタリアの会社に就職するつもりもない。
そうなると、ただ受けられるサービスの質が下がるだけで、
いい加減な国に移住してもストレスが溜まるだけ。
移住のためにビザを取得するのであれば、
役所とも関わらなければならない。
効率が悪く使えないと悪名高いイタリアの役所と。
以前にフィリピンに住んだ際には、
日系の業者にビザ関係の仕事は極力任せた。
永住権を取るまでは観光ビザを更新していたが、
その手続きも業者にお金を払って依頼した。
その方が余計な時間や手間を取られず、ストレスにもならない。
役所とのやり取りでイライラするぐらいなら、
自分の仕事をしている方がずっと価値的。
しかし、イタリアに移住するとなれば、そうもいかない。
フィリピンのように日系業者から手厚いサポートを
受けることはできないだろう。
そうなると、直に役所とのやり取りもしなくてはいけない。
もちろん不動産会社や、オーナーとも。
そうしたことを考えると、
あの国に住むというのは大変な道のりに思えてならない。
険しい割には得られるものも多くはなく、
周辺国の方がいいように感じる。
ということで、やはりイタリアは移住よりも
旅行で訪れる国という位置付けとなる。
ヨーロッパ内で比較すると
たとえばドイツとイタリアを移住先として比較した場合。物価と気候(特に冬の寒さがゆるやかな点)ではイタリア、
特に南側のエリアに軍配が上がる。
治安については両者ともに問題があり、
近年悪化傾向にあるのはドイツの大都市。
この点は大差がない。
仕事がしっかりしている点は、
圧倒的にドイツに優位性がある。
また、ビザもSOHOビザに関して言えば
ドイツの方が一般的に取りやすい。
では、冬の寒さがゆるやかな国として、
ポルトガルと比較したらどうか?
実はポルトガルも縦断経験のある国だが、
冬はリスボンの方がミラノやベネツィアよりも暖かい。
個人的な体験では、ナポリと比べても
リスボンの方が寒さは和らぐ。
物価の面でもポルトガルの方が2割弱安く、
治安も安全な傾向にある。
ただし、建築物の美しさでは
やはりイタリアの荘厳さは無視できない。
とは言え、
それならポルトガルに移住して、
時々イタリアに旅行に来ればいい気がしてくる。
東欧との比較でも、
ハンガリーを例に挙げて考えてみよう。
治安面ではブダペストがイタリアの諸都市よりも安全で
物価も1割〜2割程度安め。
国民性も堅実で浮ついたところが少なく、
肌が合う印象を持っている。
ブダペスト以外に住みたい街がないのが
ハンガリーの弱点ではあるが、
ビザについては投資永住権の募集もしており、
特別国債の購入という道も開かれている。
こうした国と比べると、
どうしてもイタリアへの移住の優先度が
ズルズルと下がってしまうのは避けられない。
アドリア海沿いという選択肢
イタリアのトリエステは、
ベネツィアからさらに東に行ったところにある。
サマーシーズンならフェリーでの移動も可能。
スロベニアの目と鼻の先で、
さらに南に行けばクロアチアにぶつかる。
イタリアの中でも国境に近い街となる。
この辺り一帯を旅してわかったのは、
アドリア海沿いは美しく、
その中でも特に華やかなのがトリエステだった。
イタリア建築とアドリア海の調和は素晴らしく、
そこにはかつての栄華を忍ばせる雰囲気が漂っている。
対して同じアドリア海沿岸でも、
スロベニアのピランや
クロアチアのポレッチ、リエカ等は
やや地味な印象を拭えなかった。
ただ、移住先として見ると、
むしろ落ち着いたクロアチアのポレッチがベストに思え、
トリエステの喧騒は少々悪い方向に評価が傾く。
街の中心部から住宅街に向かう坂道も、
異様に歩道の幅が狭くて車のサイドミラーを
体に引っ掛けられそうになった。
もしアドリア海沿岸に住むにしても、
やはりイタリア以外を選ぶことになりそうだ。
海外に移住するのは本当に難しいのか?
日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。
同時に、
「英語が苦手で・・・」
「海外での部屋選びで失敗しないか不安」
「他の国での生活を想像できない」
「下見で何を確認したらいいか分からない」
「移住後の仕事やお金が問題」
等々の様々な不安や悩みも耳にする。
そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
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電子書籍の目次等も掲載しているので、
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