アイルランド暮らしを現地でシミュレーション、ポイントは5つ。


アイルランドに住むことを考え、
下見も兼ねてやって来た。

本来はダブリン・ベルファスト・ゴールウェイと
主要都市である3箇所を見て回る予定だったが、
真夏のハイシーズンの時期でホテルが取れず、
ゴールウェイについては見送りになった。


海外にはマレーシアとフィリピンで暮らしてきたが、
最初はある程度観光客が多い街の方がなじみやすい。

外国人であっても目立たないし、
旅行者も含めた外国人向けのサービスも充実している。

そう考えると、
いきなり郊外の村のような場所を探すより、
まずはダブリンやベルファストに住むほうが妥当だろう。

もっとも、同じ島にありながらも
国としては別扱いなので、
それぞれで手続き上の違いは生じる。

ビザについて考える時は、
ダブリンとベルファストは別枠として捉えなければいけない。

したがって、
実際は2つの国の下見という位置づけになる。


なお、ゴールウェイはダブリンと同様に
アイルランドであり、通貨はユーロ。

北アイルランドのベルファストでは
ポンドが使用されている。

ダブリンからベルファストはバスで移動したが、
いつの間にか国境を越えていた。

ダブリンよりも物価が安いような感じを受けていたら、
それは単純にポンドがユーロより高いだけで、
通貨が変わったことを失念していただけ。

食料品の価格はどちらも大差ない。


ここからは、
ビザ以外の問題について
アイルランド暮らしのポイントをまとめた。

ダブリン・ベルファストは環境が似ているので、
両方を対象にする形で。


自然豊かなアイルランド

緑の多い公園
元々この国を訪れたいと思っていたのは、
なだらかな草原を風が吹き抜ける風景をはじめとして、
自然環境に心が惹かれていたからだった。

住みたいという思いが生じる以前から、
海外で暮らすという選択肢がリアリティのあるものになる以前から、
一度は訪れたいと思ってきた。

その願いがかなったわけだが、
失望はなく、理想がそのまま体現されていた。

どうしても期待値が上がっていると、
現地を訪れてがっかりすることもあるが、
アイルランドについてはその限りではなかった。


日本を離れてからは、
マレーシアにしてもフィリピンにしても、
お世辞にも空気がきれいとは言えなかった。

緑が豊かとも言い難い環境。

マニラではクリーン・アンド・グリーンと掲示された看板の周りに
まったく植物が見当たらず、ゴミだらけだったことも。

そうした場所での生活を経て、
次に移住するのは自然が豊かな場所が良いと思っていたが、
アイルランド暮らしはその条件を満たしている。

ダブリンやベルファストでも
歩いていける範囲で郊外に出ればそれなりに緑が多く、
どちらの街も大都市という感じではない。

適度なコンパクトさが住みやすい印象を受けた。


ほどほどの物価

ヨーロッパの中で、アイルランドの生活費が極端に安いことはない。

しかし、イングランドに比べれば
圧倒的にやすいのも事実。

ダブリンとロンドンを比較すると、
倍程度の物価の差を感じた。

これは生活していく中で大きなアドバンテージ。


イングランド、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドといった
他の英語圏の国々に比べると物価は安い。

ポーランドやブルガリア、ルーマニアのような
経済的にまだまだ弱い東欧の国よりは
アイルランドの方が物価が高いのも事実だが、
ネイティブ英語の国の生活費としてはお得感がある。

これまでは海外暮らしをしながらも
非ネイティブの国での片言英語で済ませてきた。

本格的な発音等を身につけるには、
わざわざ留学等をする気もないし、
アイルランドで暮らしながら学ぶのが手っ取り早い気がしている。


年の半分は気候が厳しい

黄色い家
日本で言えば北海道と同じぐらいの緯度に位置するだけあって、
アイルランドの冬は寒さが厳しく、
さらに日照時間も短くて陰鬱。

これは東南アジアに住んできた身には応える。


逆に夏は過ごしやすく、
最高気温でも30度を越えることはまれ。

暑いというよりも涼しく、
散歩ぐらいでは汗をかくことがなかった。

これはヨーロッパの中でも緯度の高い国の特権で、
同じく8月のギリシャやイタリアは連日30度を越え、
街歩きには厳しい暑さになる。

7月にプラハを訪れた時も、
日中はアグレッシブに動き回る気にはなれなかった。


気候はその国に住む上で重要な要素で、
アイルランドは寒さ対策が課題になる。

服のサイズ感を考えると、
移住前に一通り揃えて持っていきたいが、
そうなると荷物もかさむ。

このあたりは悩ましい部分。


アイルランドの食事はまずい?

フィッシュ・アンド・チップス
イギリスの食事がまずいというのは
世界的にジョークの種にされていること。

事実はどうか?

私がヨーロッパで初めて訪れたのはロンドンだったが、
さすがに世界都市だけあって
いまだに料理がまずいとは思わなかった。

各国から一流が集まってくるわけで、
むしろ食の面で未成熟ならビジネスチャンスになる。

生活水準というか所得の高い国なので、
当然ながらレストランでチャージできる金額も大きめ。

ランチにバーでローストビーフを食べても、
普通に2,500円ほどはする街なので
進出したい料理人は山ほどいるだろう。

そんなわけで、
ロンドンについては食事がまずいとは思わなかった。

物価そのものが高いため、
コストパフォーマンスが悪いとは感じたが。


では、ダブリンやベルファストを含むアイルランドはどうか?

こちらでもアイリッシュシチューやコルカノンをはじめとして、
ボクスティ、ソーダブレッド、シムネルケーキ、ビーフアンドギネス等
色々な料理を食べ歩いたが、まずいとは思わなかった。

ただし、美食の国という印象はたしかになかった。

フランスやイタリア、ハンガリーのように
食べるのが楽しみな旅という感覚はない。

食の部分はアイルランド暮らしを考えた時、
どちらかと言えばマイナス要素として働く。

旅行中に楽しめないとなると、
移住して長期的に住むということになれば
飽きも入って状況はまずくなっていく可能性が高いので。


周辺諸国へのアクセスは楽

Ryanairでブリュッセルへ
アイルランドは海に囲まれているため、
ユーラシア大陸にあるヨーロッパ諸国と比べると
どうしても移動方法に制限が出てくる。

長距離鉄道やバスでの旅とはいかないので、
船か飛行機を利用することになる。

ロンドンからダブリンへは船を使ったが、
ダブリンからリスボンはRyanairを利用した。


このRyanairはLCCが発達したヨーロッパでも
草分け的な存在であり、今でもイージージェットと並んで代表格。

具体的な数字で見れば、
売上や乗客数でヨーロッパトップに君臨している。

そして、Ryanairはアイルランドの会社。

当然、ダブリンからは多くの直行便が離着陸している。


アイルランドは海で孤立している上、
地政学的にもヨーロッパの北西部に追いやられる格好。

しかし、Ryanairを使って気軽に飛べるという意味で、
たとえ距離的に隔たりがあるように見える東欧でも
簡単に移動できる。

たとえば、
ダブリンからポーランドに飛ぶ場合。

ワルシャワまでは2時間50分。

ヨーロッパの西側から東の果てに近い位置まで飛んで
3時間足らず。

これなら移動は楽。


そして例としてポーランド諸都市への
Ryanairでのフライトの価格を調べてみると、
ブロツワフとシュチェチンは16.99ユーロが最安値。

ブィドゴシュチュ、ウッチ、ポズナン、ワルシャワが19.99ユーロ。

グダニスク、ジェシュフが21,99ユーロ
カトヴィツェ,クラクフが24.99ユーロ、
ルブリンが29.99ユーロとなっている。

航空券の安さも驚きだが、
ポーランドのメジャーとは思えない街にまで
これだけの便が出ていることがすごい。

ブィドゴシュチュやグダニスク、ルブリンといった
まだ行ったことのない街もあったので、
アイルランドに住み始めたら小旅行感覚で訪れてみたい。



ということで、アイルランド暮らしを現地に来て考えた結果、
自然環境や生活費、英語圏であること、
周辺国へのアクセスはプラス要素。

気候や食事はマイナス要素としての意味合いが強かった。

総評として、住環境として魅力的なのは間違いなく、
移住先候補が1つ増えた。


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「英語が苦手で・・・」

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