クリスマスと新年に対するマレーシアの姿勢

パビリオンのサンタの展示

今現在、クアラルンプールにやってきている。

マレーシアでクリスマスや新年を迎えるのは3回目だが、ジョホールバルとクアラルンプールでは、まただいぶ雰囲気が違うと改めて感じている。

私がこちらへ移動してきたのは12月で、その段階ではすでに町中にメリークリスマスとか、ハッピーニューイヤーといった文字が並んでいた。

とはいえ、マレーシアはイスラムの国なので、宗教的な意味合いというより商業的なニュアンスが強くて、クリスマスの飾り付けがされているのは、ほとんどがショッピングモールやレストラン。



ジョホールバルのクリスマス


ジョホールバルの場合であれば、そもそも大きなショッピングモールがほとんどなかったので、クリスマスらしさを感じることは少なく、せいぜい家庭用のツリーではないかと思うような小規模なツリーが一部のレストランに置かれているぐらいで、かえって虚しい感じすらあった。

街を歩くマレーシア人の服装を見ても、普段より着飾っておしゃれをしている印象も受けなかった。



クアラルンプールのクリスマス


ジョホールバルと違い、クアラルンプールの場合は、KLセントラル駅の隣にできたNUショッピングモールであるとか、あるいはブキビンタンにあるパビリオンやスンゲーワン、LOT10など様々なショッピングモールがクリスマスの雰囲気を醸し出しているし、ブキビンタン通りは一部のブティックやホテルの前にツリーが飾られていたりするので、意外にもクリスマスの雰囲気が強い。

そしてこの装飾がいつ頃片付けられるのかと思って見ているが、今現在、まだ年が明けて1月3日の段階ではクリスマス前と状況がまるで変わっていない。

フィリピンだとより長い期間に渡って放置されていたので、特に驚くことではないが、フィリピンの場合は、そもそも9月のうちからクリスマスの装飾が始まるという特殊な状況がある。

これは、フィリピンはカトリックの国であって、なおかつお祭り好きな国民性なので、1年のうちのかなりの部分、だいたい4ヶ月ぐらいは、町はクリスマスの装飾をされていることになる。

これに対してマレーシアの場合は、そういった宗教的な背景はないわけなので、早々に片付けるのかと思っていたら、意外にもそうでもない。

そもそも日本と違って、マレーシアの場合、1月1日の元日はそこまで重要な日ではなく、正月よりも中国で言う旧正月の方がどちらかと言えば重要な行事という位置づけになっている。

ちなみに、ちょうど1月1日の朝を迎えたホテルの目の前に、インド系住民が集まっているヒンドゥー教の寺院があった。

そこでは朝から火を焚いたり、民族音楽を鳴らしたり、様々な催しをしていたが、インド人が頭の上で何かを持って手で回し、そしてそれを地面に叩きつけて割る儀式を行っていた。

何しろマレーシアは多民族国家と言われているぐらいなので、このようにそれぞれの民族が、表面上は干渉しないで独立をしている。

とは言え、実際問題としては、それぞれの民族間での軋轢が起こったりすることは頻繁にあり、そういったことを抑制するために、ブミプトラ政策等の対策が講じられ、政府が気をもんでいるのも実際のところ。

とりあえず、いつ頃になればクリスマスの装飾が外されるのか、まだ10日ほどはクアラルンプールに滞在する時間があるので、その間は観察しておきたい。


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