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フィリピンの不動産投資もそろそろ佳境の時期に入ってきた



新興国の不動産バブルに乗るために、フィリピンに不動産投資をするという人が未だにいる。

マニラの中心部の一角マカティで1年間投資修業として生活をし、その後もセブ島やその他のフィリピンの島に足を運んで感じることは、そろそろフィリピンにおいても不動産投資で利益を出すのは難しいタイミングに入ってきているということ。

もちろんこれはチャンスが皆無という意味ではなく、精査して物件を選べばインカムゲインにしろ、キャピタルゲインにしろ、得られる可能性はまだまだ残っている。

というよりも、成熟した不動産市場においてすら、そういった物件は当然残っているし、バブル崩壊から低迷し続けた日本の不動産市場においても、一部の投資家は利益を出すことに成功してきた。

しかしながら、そういった一部のプロフェッショナルや、あるいはただ単にラッキーだった人達を除けば、多くの購入者が損をしたり苦戦を強いられる状況に日本が置かれ続けたように、フィリピンもどちらかというとかつての日本に近い市場になりつつある。


先進国の量的緩和からの資金流入

たった数年間の間に、それだけ状況が激変することについて異常を感じるかもしれないが、アメリカが行っていたQE、つまり紙幣をジャブジャブするために輪転機を回しインフレを起こしていく政策を各国が真似したことによって、世界中が金余りの状態になっていた。

そして大量の資金は流入先を求めるので、その先となったのがフィリピンをはじめとする新興国の不動産投資市場を含めた投資先ということになる。

こうして割安だったマニラやセブの不動産も、すっかり値上がりしてしまって、一部のコンドミニアムは東京と比べても見劣りしないぐらいの価格になってきている。


まだまだ未成熟な住環境

では、マニラが東京並みの生活水準になっているか、ということになると、そうは言えない。

確かにマカティやグローバルシティは綺麗で治安の良い町ではあるものの、ニノイアキノ国際空港は世界の空港ランキングでもワースト1位に選ばれたこともあるほど評判が悪い。

確かにターミナル間は離れているし、中継となるバスは事実上不定期にしか運行していないし、タクシーに乗ればぼったくられ、相当に不便。

マニラ市内は渋滞がひどいし、公共の交通機関として電車があるにはあるものの、外国人が抵抗なく乗れるほどの快適さや安全性は確保されていない。

そんな中で高騰してしまったコンドミニアムの価格を見ていると、フィリピンに不動産投資をするのは、相当に物件を精査しない限りマイナスに陥ると考えざるを得ない。

これは別にフィリピンに限ったことではなく、タイやマレーシアでも同じことが言えるし、インドネシアやカンボジア、ミャンマーといった国についても、程度の差や性質の少々の差はあるものの、大まかな方向性としては一致する。


古い情報を鵜呑みにするのは危険

知人から聞く話では、未だに日本のテレビでは、フィリピンの不動産投資が熱いとか、割安で二重生活を送ることができるといった特集が組まれたりもしているらしい。

それはかなり遅れている情報だし、セブ島のイメージもごく一部の綺麗な場面だけを切り取ることによって、かなり情報操作されてしまっている部分があるように感じる。

そこら辺はただ単にマスコミの責任を追及しても意味がないし、情報の受け手のリテラシーにも左右されるところがあるのは事実。

一方的に発信者だけを糾弾する気もないが、少なくとも数年前と比べて不動産のマーケットが激変していることについては、投資をする前に考えておく必要がある。

また、日本円の資産を使ってコンドミニアム等を買う場合であれば、当然ながら両替をすることになるが、1ドル70円時代の円高だった頃と比べると、為替の面でも不利になってきており、その点についても留意しなければならない。

たまたま友人や知人がおいしい思いをしたから、それに誘われてお金を出したいという人もいるが、たった数年間に思える差でフィリピンを含めた新興国の事情が激変する場合があることを頭の片隅に入れておかないと、こんなはずじゃなかったと後悔するはめになりかねない。

フィリピンの場合、不動産の仲介会社がかなり悪質な営業を行っている場合もあり、誠実にリアルタイムのマーケット情報を伝えて、安易に物件を買わないように注意を喚起しているところもあれば、甘い言葉で無責任に勧誘してくるところもある。

この点においても、マニラやセブ、あるいはボラカイ等で投資をする場合には注意しなければいけない。


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執筆者、伊田武蔵
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