新興国のソフトとハードの話


東南アジア各国に住んだり、あるいは旅行に行ったりして感じているのは、新興国の発展は想像以上に著しいということ。

ただし、ソフトとハードの両面から考えてみると、先進国と同じレベルに到達するにはかなり時間がかかるだろう。

例えばハードの面で考えた場合、コンドミニアムの建物の質であったり、あるいはショッピングモールのデザインといったものが挙げられる。

こういったところは比較的早い段階からレベルを上げていくことは可能。

実際問題としていうと、東南アジアの新興国の場合はコンドミニアムの質が低かったりすることも多いので、ハード面で先進国レベルになっているわけではないにしても、比較的スムーズに移行することができる。

では、コンドミニアムにどんな問題があるかというと、実際に私もフィリピンで経験したのは、上の部屋のシャワールームから水が漏れていた。

あるいはマレーシアであれば、これは住宅における欠陥と言えるのか、もしくは文化的な背景があって正当なのか、なんとも言えないところではあるものの、玄関のドアの下に隙間が空いていて、そこから近くの部屋の音がどんどん漏れてくるとか、そういった問題もある。

これに対してソフトの面とはどういったことかというと、例えばサービス業で、実際にその仕事に従事してる人が行っている仕事のレベル。

こういったソフトの面は、一朝一夕に解決するものではない。

というのは、結局人間が育っていくのには時間がかかるし、ある意味サービス業は受けてきたサービスのレベルを元にして考えるところがあるので、これまでずさんなサービスしか経験したことのない人は、いきなりハイレベルなものを提供するように求められたとしても、現実には難しいところがある。

そういった意味で言うと、日本のようなおもてなしの心が根付いている文化に育っている人の方が、圧倒的に有利な環境にいるということが言える。

実際のところ、フィリピンなどでも一流のレストランであれば、日本のそれなりのレストランと変わらないサービスを受けることは可能。

ただし、少し価格帯が落ちるようなレストラン、例えば500円や600円の顧客単価の店であれば、フィリピンであれば比較的高級な店という位置づけにはなるものの、そこでのサービスは非常にずさん。

会計を頼んでもすっかり忘れていて、それを指摘しても全く謝らないとか、メニューが間違っているとか、そもそもメニューを持ってこないとか、そういったことが日常的にあって、やはり教育をするのは非常に難しいと感じる。

こういったソフト面で先進国に追いつくには、新興国は3年や5年では時間が足りないことを、現場で実際に感じている。

日本人が海外移住をして現地で生活をするようになった場合は、こういった点を予め考慮しておかないとストレスを貯めながら暮らすことになりかねないというのが、マレーシアとフィリピンに住んでみての感想。


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