![オタワ](https://ijuusya.com/ttsttIMG_0736.jpg)
旅するように暮らし、暮らすように旅するというのは、
日本から初めて出たヨーロッパ旅行の際に
ぼんやり願ったことだった。
当時は単なる夢想のレベルの話でしかなかったが、
今ではそれを地に足の着いた現実に変えることができた。
初めての海外は、
持ち合わせたなけなしのお金が尽きるまで
ヨーロッパを旅するものだった。
派遣社員としての先の見えなさにうんざりし、
正社員としてどこかに就職しようと思ったが、
その前に一度海外にでも出てみようと考えた。
就職前の束の間の自由だ。
新卒として就職しなかったため、
新入社員研修も受けられず、
入れる会社も大きく制限される。
そんなデメリットを打ち消してくれるメリットが、
最後に1つぐらいは欲しかった。
持続不可能だった初めての旅
時間は際限なくあったが資金が限られていたので、
1つの街でゆっくりしていることはできない。
イギリスを起点に、
ベルギー、オランダ、ドイツ、フランス、
スペイン、ポルトガル、オーストリア、ハンガリー、
イタリア、ギリシャと駆け足で回った。
ドイツ・ミュンヘン
![カールス門](https://ijuusya.com/tyIMG_0473.jpg)
イタリア・トリエステ
![トリエステ](https://ijuusya.com/tyIMG_4863.jpg)
ハンガリー・ブダペスト
![漁夫の砦](https://ijuusya.com/taIMG_9910.jpg)
この時に思ったのは、
もっとゆっくりそれぞれの街を楽しみたいということ。
暮らすように旅ができたら、ということだった。
たしかに観光スポットとされる場所はどこも魅力的。
ただ、それぞれの街並みに感動した身としては、
もっとゆっくりその街を味わいたかった。
実際、目的地である教会や大聖堂、美術館まで
行く途中の道のりが自分でも信じられないぐらい、
それまで海外なんて興味もなかったのが嘘のように
心が踊ってしまったのだから。
ロンドンでケンジストンガーデンやナショナルギャラリーを
日常的に訪れられる環境で暮らせたら。
ブリュッセルで坂の上の住宅街に住めたら。
バルセロナでガウディの建築群を
身近に感じながら日々を送れたら。
そんな思いが旅の間中、頭をよぎっていた。
「日本は先進国だし一番住みやすそうだけど、
一生に一度ぐらいは海外に出てもいいだろう」
ぐらいに思って旅に出たら、
すっかりヨーロッパの街並みに魅了されてしまった。
この旅がなかったら、
海外に移住するなんて発想もなかったはず。
きっと、今でも世界は住みづらくて
面倒な所だと思っていたのだろう。
旅と無縁な暮らしをした時期
![雨の新宿](https://ijuusya.com/uuIMG_4818.jpg)
ヨーロッパ周遊の旅から日本に戻ってから就職して、
旅行に行くので有給を取りたいなどとは
間違っても口にできない環境になった。
頭にネクタイを巻いて宴会スタイルで出社するよりも
ありえない言動だ。
そんな中で、
暮らすように旅をするなどという願いは
絵空事としてあきらめてしまった。
空を飛びたいとか、
透明人間になりたいというレベルの
突飛で夢見がちでどうでもいい話のように感じてしまった。
まして、旅するように暮らすなんて、
実現までの道のりすら想像できなかった。
しかし、今の私の旅の生活を見てみると、
そんな願いが実現している。
今はラオスの首都、ビエンチャンにいる。
![ナンプ広場](https://ijuusya.com/tz3stIMG_3934.jpg)
![ラオスの寺院](https://ijuusya.com/tz3stIMG_3968.jpg)
![タート・ルアン](https://ijuusya.com/tz3stIMG_5004.jpg)
今回の旅は約半月の旅程なのだが、
出発する3日前まではどこにいくかも決まっていなかった。
というのも、香港の投資勉強会に行くことは決まっていたのだが、
その後は完全に自由だったので、
どこにでも行けた。
その旅程が決まったのが3日前だった。
ちなみに、シンガポール→香港→マカオ→バンコク→
ウドンタニ→ビエンチャン→ルアンパバーン→
ビエンチャン→ウドンタニ→バンコク→シンガポール
という道のりになった。
そして、旅が始まってからも観光に終始するわけでもなく、
その街のカフェでのんびりしてみたり、
リゾートホテルを満喫したりしている。
昨日までいたルアンパバーンという街では、
2日目の朝から雨が降っていたのでホテルでくつろぎ、
そのままホテルで過ごそうと思ったら
昼に予想外に雨が止んだので街に出たが、
どちらだとしても困ることはない。
晴れても雨降りでも、素晴らしい時間を過ごせた。
ちなみに、このルアンパバーンというのは
本当にいい街だ。
これほどに心が洗われた旅は初めてだった。
人の穏やかさ、温かさは世界でもトップクラス。
のどかな環境や美味しい食事、リゾートホテル。
くつろぐには最高の環境だった。
観光スポットも滝や洞窟、寺院等があるのだが、
それだけでは説明不能な良さがこの街にはある。
のんびりくつろぐのに最適というのが、
ルアンパバーンの本当の魅力だと思っている。
![パゴダ](https://ijuusya.com/tz2stIMG_4516.jpg)
![仏像](https://ijuusya.com/tz2stIMG_4522.jpg)
![リゾートホテルのロビー](https://ijuusya.com/tz2stIMG_4460.jpg)
![クアンシーの滝](https://ijuusya.com/tz2stIMG_4340.jpg)
ルアンパバーンの素晴らしさを語ると話が終わらないので、
話題を元に戻そう。
今の私には仕事とプライベートの区切りもない。
旅にもパソコンは持っていくので、
気が向いた時には開く。
ルアンパバーンには郊外に
クアンシーの滝という名所があるが、
帰りのトゥクトゥクの出発まで時間があったので、
滝を見ながら仕事をしたりもした。
もしパソコンがなければ
ヒマを持て余してしまっていたのだろうが、
そんな環境で仕事ができることを
楽しむことができた。
実は今も、ブッダパークという郊外の場所に向かう途中だが、
バスの乗り換えの時間を使ってこのメールを書いている。
他の乗り換え客は退屈そうだが、
どこでも仕事ができる環境があるおかげで
こんな時も充実した時間が過ごせる。
忙しくて仕事に追われているわけではなく、
単純に旅も仕事も生活の一部として
分けへだてのない存在になった。
だからこそ、旅行中だから仕事はしないとか、
帰ったら旅行中の分も頑張ろうとか、
そういった区別が意味を持たなくなっている。
もしも今、
時間を持て余しているだけなら、
こうして文章を書いているよりも
満足度は下がっただろう。
いつでもどこでも仕事ができるというのは、
単純に収入が増えるというレベルの話ではなく、
人生の質を上げてくれる。
自分が仕事をしたいと思った時に、
それが叶うのだから。
旅と暮らしが1つに
![ホイアンのトゥボン川](https://ijuusya.com/tz3IMG_7201.jpg)
暮らすように旅をすることができるようになった今、
旅をするように暮らす生活にも近づいている。
これから先の数年は、
1年を目安に各国を転々とする予定。
最初はマレーシアで2年過ごしたが、
次はフィリピンのマニラ。
そして、またその次へと・・・
ますます旅と生活の境界線はあいまいになっていく。
場所の自由を得ることで、
このような生活が可能になった。
ただ、それを心から切望していたかと言われれば、
そうではなかった。
私がサラリーマン時代に望んでいたのは
(主にパワハラによる)苦痛からの解放であって、
今の生活は望む以上のものが手に入っていたことになる。
思えばサラリーマン時代という
願いも望みも失った時期の前には、
こうした生活を「いつか」送れたらと願っていた。
それでも、30過ぎでこんな生活を送れているとは
予想しなかったが。
他人と違う道を選択することに
不安がなかったとは言えない。
ただ、違いを受け入れる選択をしたことで得られた対価は、
希望した生活の2回りは上をいくものだった。
追記:「旅するように暮らす」の先へ
![アンバンビーチ](https://ijuusya.com/tz3IMG_7574.jpg)
旅をするように暮らし、暮らすように旅をするというのは、
ある意味で過去の話になってしまった。
今はマニラの自宅を引き払って世界一周中。
つまり、もはや旅をすることと暮らすことが一致して、
分けることができなくなった。
どのような道筋で回っていくかも決まっていないし、
期間も未定。
何より、終了後の身の振り方も未定。
世界一周中も依然として仕事は続けているし、
あとは住む場所をどこかの国に固定するのか、
世界一周後も旅が続くのか、
どちらにしても対応できるから。
旅をするように暮らすというところから、
もはや旅と暮らしが一致するようになった。
普段はホテル住まいだが、
時にはairbnb等で現地の人の家に泊まり、
その街の住環境を確かめたりすることもある。
仕事もしながら、
そして通常の生活も営みながら旅をしているので、
これが日常なのか非日常なのかも分からない。
そして、そんな暮らしが1年以上続いている。
それでも旅費や生活費よりも
収入の方が常に上回っている状態なので、
持続可能なライフスタイルということになる。
さらなる可能性を探るべく、
ヨーロッパとカナダでは今後の定住生活も視野に入れ、
候補となる街を回ってきた。
特に興味深かったのは、
北アイルランドのベルファースト、
ポルトガルのポルト、
カナダのバンクーバー等。
この3つの街は、
今後の移住先としても有力候補となった。
ベルファースト
![アイリッシュパブ](https://ijuusya.com/tz2ttIMG_6889.jpg)
![公園](https://ijuusya.com/tz2ttIMG_6963.jpg)
ポルト
![ポルトの彫刻](https://ijuusya.com/tz3ttIMG_8514.jpg)
![ポルト大聖堂](https://ijuusya.com/tz3ttIMG_8502.jpg)
バンクーバー
![クルーザーと高級コンドミニアム"](https://ijuusya.com/tz3ttIMG_2226.jpg)
![バンクーバー](https://ijuusya.com/tz3ttIMG_2189.jpg)
色々な国での旅暮らしをしていると、
どんどん各国のビザの知識が積み重なっていく。
数年前までは、
日本から出国した経験もろくになかったのに。
どの国なら長く滞在できるのか?
どんな移動ルートを通ると無駄がないか?
のんびり過ごしたいならどの国がいいか?
服を買うのに最適な街はどこか?
そんな疑問への答えが
経験から簡単に算出されるようになった。
東南アジアで始めて世界に拡大
初めてのヨーロッパの旅の時に感じた初期衝動は、時間差の後に東南アジアでまずは実現した。
そして、その後は範囲をオセアニアやヨーロッパ、北米に広げ、
今や旅するように暮らすことも、
暮らすように旅することも混ざりあった。
旅と暮らしは二項対立の関係にあるものではなく、
実は1つに溶け合うことができるものだった。
日々の生活の潤いのために旅でリフレッシュするのでも、
旅に出るために仕事を含めた日常の暮らしをするのでもない。
どちらも1つという納得感は、
新しい身体感覚だった。
こうした生活を送れるようになった背景には
日本のパスポートの力(国際的な信用力)もあるし、
通信技術の発達や移動コストが下がった時代性もある。
ある意味、これまでのどの時代よりも自由に生きられる今、
どうやって生きるかはあなた次第。
そのためには働き方を見直したりする必要はあるが、
十分その手間に見合うだけの価値はあるだろう。
海外に移住するのは本当に難しいのか?
![](https://ijuusya.com/wp-content/uploads/m12_142017.jpg)
日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。
同時に、
「英語が苦手で・・・」
「海外での部屋選びで失敗しないか不安」
「他の国での生活を想像できない」
「下見で何を確認したらいいか分からない」
「移住後の仕事やお金が問題」
等々の様々な不安や悩みも耳にする。
そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼントすることにした。
![](https://ijuusya.com/immigrate-book.jpg)
電子書籍の目次等も掲載しているので、
プレゼントページへどうぞ。
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