現在、期限を決めずに世界一周をしているが、ルートも定まっているわけではなく、行く先々で航空券を手配して移動している。
気に入った町があれば長く滞在するし、期待外れの場所はさっさと通過する。
こういった気ままな旅ができているのは、断捨離の成果と言える。
一見すると何の関係もないようだが、実を言うと密接に結びついているというか、断捨離があったからこそ今の生活ができるようになった。
保有するものを減らしたきっかけ
一見すると関係なさそうな、断捨離の成果としての世界一周だが、この因果関係について語る前に、簡単にこれまでの経緯をお話しておこうと思う。私が身の周りの所有物を大幅に減らしたのは、3つの場面においてだった。
まず初めての大きな断捨離は、日本での生活を切り上げて、マレーシアに移住しようと決めたとき。
このころにはすでに独立起業して、もうすぐに30代を迎えようという段階だったが、マレーシアの場合、基本的には家具や家電は部屋に揃っているので、日本から持っていく必要がないのと、海外への配送サービスはトラブルが絶えないため、利用するのが面倒だった。
現地に行ってから住む部屋を探す予定で下見もなかったので、移住の段階では住所も決まっていなかったため、自分で持ち運べる荷物だけで移住することにした。
それによって、必然的に断捨離が必要となり、多くの所有物を日本で処分した。
この効果はその後にも継続され、例えばマレーシアの中でも引っ越しをしたが、その時にもだいぶ荷物が増えていたものの、車一台で一回運ぶだけで済んだ。
二回目の断捨離のきっかけは、マレーシアからフィリピンに移住したこと。
より良い住環境を求めると、マレーシアにそれ以上住むことは考えられなくなり、フィリピンに移ることにした。
ちなみに、マレーシアは移住先として人気の国で有名だが、二年間住み、一度縦断もしてみたが、人気のわりには実力はイマイチという印象を受けている。
ビザの条件が緩いので、その点で強みがあるという程度ではないかというのが、率直な感想。
フィリピンへの引っ越しの時にも、飛行機に手荷物で持ち込める範囲内に所持品を減らしたので、服や靴は7割から8割ぐらいは捨てることになったし、大きな断捨離となった。
その結果として、マカティで見つけたコンドミニアムのオーナーには、荷物はそれだけなのかと驚かれた。
そして、三回目の断捨離は、フィリピンの自宅を引き払い、期限を決めずに世界一周の旅に出た時。
この時には、飛行機の機内持ち込み手荷物の範囲内で、なおかつ持続的な生活が可能なものに、持ち物を搾り込んだ。
身軽になって加速した変化
こうした断捨離の結果として何が起こったかというと、まず3回の断捨離を通して、どんどんフットワークが軽くなっていった。もし、国際引っ越しの業者に頼んで荷物を運んでもらうことになれば、期限を守らないとか、一部の荷物が行方不明になるとか、中身が傷付いているとか、そういった問題は頻発する。
実際マレーシア時代の移住仲間は、日本から国際配送で荷物を送っていたが、無事に届いたのは10個以上あった段ボールの中の2つだけで、残りは惨憺たる有様だった。
こういったストレスを抱えていれば、次々に移住する生き方を選択するのは無理だったかもしれない。
持ち物を減らした効果として、一つの国に永住せずに動き続ける選択ができた。
さらに、世界一周の旅は1週間や2週間の話ではないし、あるいは1ヶ月とか3ヶ月とか、そのレベルのことでもない。
今の段階で1年3ヶ月が過ぎているので、本格的に持続可能な旅を生活の中に取りこんでいることになるが、これはまさに断捨離の効果として可能になったもの。
私が初めて海外旅行に行ったのはもう10年ほど前で、当時はヨーロッパを周ったが、その時はだいたい2ヶ月ぐらいの間旅を続けた。
この時も最初から60日前後ということで予定していたわけではなくて、お金が尽きるまでということで旅をしていた。
しかしながら、あの時は海外旅行も初めてなら断捨離をしたこともなく、自分の生活にとって何が必要で何が不要かもわからなかった結果、出国の時に成田空港で計った時には、荷物が20kgほどになっていた。
それに比べて、今は随分旅慣れたこともあるが、やはり移住の時に断捨離をしていたことによって、その効果として、自分にとって何が必要で何が不要かという見極めが、だいぶできるようになった。
そして、最低限の荷物に絞って旅を続けてきたことによって、迷った末に捨てたものが不要であったことを確信できたり、逆に持って来て正解だったと思うものを絞り込むことができたりと、次につながる形で経験が蓄積されている。
断捨離の効果として世界一周が可能になったというと、因果関係がないように見えるが、実はこのように明確な因果関係によって、結ばれている。
なお、私は定年退職をして有り余る時間を使って旅をしているわけではなくて、移住をしたのはまだギリギリ20代だったし、今現在もまだ30代。
仕事を続けながら旅をすることによって、このような環境を得ている。
必要なものがほとんどないという開放感
まだ日本で普通の生活をしていた時には、マスコミが垂れ流す物質主義のライフスタイルに毒された部分もあり、本当に自分にとって何が必要かとか、最低限のものは何なのか見つめ直す機会が乏しかった。周囲を見回しても、一部の友人は10年前や20年前のように、順調に物を買い足していっていた。
例えば、ボーナスが出る度に、ローンで車を買ったり、コンポを買ったり、ゲーム機を買い揃えていったり、安月給を嘆きながらも、それなりに旺盛な消費生活を楽しんでいる印象があった。
私はそういったことにいまいち興味が持てず、むしろもっと自由に生きたいという願望が強かった。
それが可能になったのは、断捨離の効果という部分も少なからず関わっている。
もちろんそれだけですべてが済んだわけではないし、そもそも会社自体を自分の人生から切り離したことも大きい。
他人に雇われて生きていれば自ずと不自由になるわけで、自らの責任と権限の元で動ける体制にした方が、私には明らかに向いていた。
こういった生き方を、後悔したことはないし、人間関係についても自然とすっきりとして、残るべき人だけが残り、そして不思議と新しく、これまでは出会わなかったようなタイプの人達と出会うことができ、尊敬できる友人たちも増えた。
そして何よりも、人生の自由度が増したのが、もっとも大きな断捨離の効果だった。
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