台南に移住先として魅力を感じた3つの理由と、1つの難点

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安平天后宮
当初は台南に移住する可能性は低いものと考えつつ、
台北・台中・高雄を台湾に住む場合の本命と考えて
下見のための縦断の旅を始めた。

ルート上にあるので、
台中から高雄に南下する途中に台南に寄ったのだが、
良い意味で予想をくつがえされた。


この街は古都として有名で、
台湾の京都に例えられることもある。

その意味で風光明媚だろうとは思っていたし、
旅行先として魅力があることは予想していた。


ただ、住む場所として考えると
気候は高雄に近くて夏の暑さが厳しく、
その意味で台中と比較すると不利。

交通の便ということで考えると、
地下鉄網が張り巡らされた首都台北はもちろん、
近くにある高雄にも劣る。

高雄は路線が2本だけとは言え、
地下鉄があるのでそれなりに移動が便利。

対して台南には地下鉄が存在しない。

移動はタクシーかバス、もしくはレンタサイクルぐらい。


移住した場合、
いかにストレスなしで暮らせるかで
生活の質が大きく左右されるのは
マレーシアに住んでいた時に痛感した。

あの国はタクシー運転手が横暴で、
頻繁にトラブルに見舞われることになっていたため。


台南に移住するにしても、
ずっと徒歩圏内で暮らせるわけではない。

ビザなしで住む場合、
90日以内に一度出国する必要があるため、
そのたびに台南の空港に行くか、
高雄へ出向くために台南駅へ向かう必要がある。

普段の暮らしは住む部屋の立地次第だろうが、
こうした問題は残っている。

この点が台南移住のハードルを上げる難点。

高雄なら空港まで地下鉄が直結しているため、
わざわざタクシーに乗らなくてはいけない場面は
生活の中で滅多に発生しない。

台北も同様。

それと比べると、
やはり条件面で見劣りする感は否めない。


とは言え、そうしたデメリットを理解した上で
なおかつ住みたいと思える強みが見つかったのも事実だった。

その点について見てみたい。


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整備された川沿いの環境

対岸の街並み
水辺がきれいな街は
住環境として豊かだと各国を周っていて感じる。

台南の川沿いはカナダやオーストラリアを連想させるほど
遊歩道やサイクリングロードが整備されている。

東南アジア各国ではこうはいかない。

川が海に流れるあたりにある街なので、
川の本数も多く、
高層ビルの中に流れる川もあれば、
湿地が周囲に残っている川も。

様々な川沿いの環境を楽しむことができる。


午後4時頃には日が傾き始め、
日中の激しい日差しも和らいで気温も下がり始める。

10月の台南の夕方なら
自転車で走っていてもあまり汗ばむことがないほど。

快適なサイクリングや散歩を楽しめる。

身近にこういった環境があると
軽めの有酸素運動を楽しく生活に取り込めるため、
健康面でもプラスに働く。

マレーシアやフィリピンで暮らしていた時は、
どうしても空気も汚いし、
人が歩きやすいように街が設計されているわけではないので
用がないのに歩くということはなかった。

この点は台南に移住したら、
また違う生活習慣を取り込むことができそうで興味深い。


気軽に海に行ける


自転車さえあれば、海にだって行くことができる。

さすがに街の中心部から徒歩では厳しいが、
自転車があれば十分。

道も整備されているので、
川沿いのサイクリングロードを走っていけば
街中でバイクや車と同じレーンで
緊張しながらペダルを漕ぐ必要はない。


海で泳ぎたいというよりは、
私は眺めたいだけなので
台南の環境は十分に需要を満たしてくれる。

実際、夕日が沈む時間帯の海を見ることができたが、
全方位から漂ってくる波の音と
オレンジ色に染まった空と波は見ていて飽きなかった。
西の海に沈む夕日

移住しても毎日は来ないだろうが、
時々こちらにもやって来たい。

有名なスポットは観夕平台だが、
それ以外で見る海も美しかった。

また、砂浜だけではなく、
金城里遊憩埠頭のような船着き場もあり、
様々な海の顔を楽しむことが可能。


豊かな川沿いの環境があり、
海まであるとは水辺の景色が好きな者にはたまらない。


台湾らしい風景

成功路近くの寺院
さすがに古都であるだけあって、
台南は台湾らしさを色濃く残した街。

歴史的な建造物も多く、
街を歩いていても楽しい。

移住するにあたり、
その国の雰囲気が必ずしも
色濃く反映されている街である必要は感じないが、
台南の雰囲気は個人的にも好み。

旅行気分で暮らすことができるのも悪くない。

たとえば安平樹屋や東興洋行、海山館、安平古堡等を眺めながら
街をぶらぶらと歩き回れる。


それ以外にも台南が移住に向いていると思える点は
いくつも存在する。

たとえば、台北と並んで台湾の主要空港がある高雄までは
特急鉄道で片道40分。

東京都内をちょっと移動するぐらいの感覚で迎える。

高雄国際空港まではMRT(地下鉄)で直結なので、
この点もハードルが低い。


食事のことを考えても、
台南グルメは日本人の舌にも合う。

うなぎを使った鱔魚意麵や牛肉湯、羊肉湯、綜合鹹粥等の
現地料理を楽しむこともできるし、
和食レストランもあるので日本まで行かなくても
日本の味を楽しむことができる。


また、台南市内の孔子廟にはリスもいて、
とても人懐っこい。

人の手からヒマワリの種をもらって食べるほど。

身近にリスがいる暮らしの片鱗は
バンクーバーやモントリオールでも垣間見たが、
この街においてもそんな生活が可能。

と言っても、孔子廟以外では見かけなかったので、
リスの生息地はごく限られていると思われる。


こんな風に台南は移住先としての魅力を備えており、
来年には本格的に住むことを検討することになるだろう。

台中も候補に上がっているので、
1年もたたずに台湾で暮らすことになるかもしれない。


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