香港の長期積立投資で自分年金を作り始めて4年経過

香港を一望
HSBC香港の口座開設とともに長期積立ファンドを契約した。

あれから4年。

これまでのパフォーマンスを確認してみると、
年利が5%から9%程度で変動している。

これは米ドル建てベースでの話しなので、
日本円ベースにすると大きく為替差益による
含み益も生まれていることになる。


現在の状況についてはネットで専用サイトにアクセスし、
自分のパスワード等を入れれば確認できる。

そのため、私のように各国を転々としていても
リアルタイムで状況を知る事が可能。



海外投資の第一歩として、香港の長期積立ファンドを
スタートする人は多い。

HSBC香港の口座開設とともに契約し、
そこで資産の国際的な分散を始めるというのは
鉄板とも言えるパターンとなっている。

私の場合には、それ以前から他の国の投資を始めており、
香港の長期積立ファンドが初めてではなかったが、
これだけ有利な案件を無視することはできなかった。



香港はシンガポールと並び、
日本から距離的に身近なタックスヘイブン(租税回避地)。

そして、ルクセンブルクやモナコ、リヒテンシュタイン、マン島等、
他のオフショア金融センターの例に漏れず
面積や人口では小規模な金融国家(都市)となる。

香港ではただ単に税金が安いだけではなく、
様々な金融商品が有利な条件で取引されている。

まさに切磋琢磨な状態が長く続いてきたわけで、
運用成績の良いファンドを組むことに命をかける担当者が
歴史的に育まれている。


いまだに護送船団方式が続き、
ガラパゴス化する日本の金融事情とは大きく異なるのが香港。

日本国債の購入と引き換えに
免許や資格で国際競争から隔離され保護されている日本の
低金利とはまったく違う状況がある。

たとえば、自分年金を作るために
長期積立投資を始める日本人も多いが、
過去の運用成績を見ると年間の利回りが
12%とか14%とか、
10%を越えるものも珍しくない。

しかも税金の面で優遇されていて、
香港側ではキャピタルゲインに課税されない。

これは大きい。


日本居住者は最終的に引き出す時に
香港ではなく日本で課税されるものの、
途中の利益には税金がかからず複利で運用できる。

高い利回りと税金の優遇。

香港人の7人に1人が1億円以上の資産を
持っていると言われるのも納得できる。



私が長期積立ファンドを始めたのは、
自分年金を作るのが目的だった。

国に頼らず、老後の資金を用意しておくということ。

珍しく明確な用途があった。


普段の投資の際には、特に用途は絞らない。

資金に色を付ける必要はないし、
柔軟な運用ができなくなるだけだから。

ただ、将来のために自分年金だけは構築しておきたかったので、
最初に加入した長期積立ファンドについては、
25年間の契約で毎月一定額を積み立てることを決めた。


他にも各国に投資をしているし、
今後も追加で新しく長期積立ファンドの契約することを考えているが、
そちらは用途を限定しない方針。



なぜ香港の長期積立ファンドに投資したかと言えば、
分散に優れているから。

地域・商品・産業・時間の面で分散ができる。


まずは地域。

たとえばアジア、北米、アフリカ、ASEAN、特定の国、
BRICS、エマージングマーケット、世界全体等に分散できる。

商品についても、株式や債券、通貨、商品、不動産等がある。

産業においては主要産業だったり、
今後の伸びしろが大きい新興産業、
農業やバイオテクノロジー、IT等を選ぶことができる。

そして毎月一定額の積立のため、
いわゆるドルコスト平均法による分散が自動的に行われる。


こうして長期に渡り、ポートフォリオの分散をしながら
資産構築をしていける。

しかも複数のファンドを組み合わせるため、
特定の地域・商品・産業にかたよらせずに
分散することが可能。

少額の資金で、
これだけの分散ができる案件はレア。

たとえば不動産投資であれば、
特定の国の経済リスクや信用リスク、為替リスク等にさらされ、
その物件自体が内包するリスク、
たとえば立地・デベロッパー・耐久性・
近隣にライバルとなる物件が乱立すること等も存在する。

しかし、香港の長期積立ファンドの場合、
それだけで分散して守りの投資ができるのが魅力だった。



もっとも、過去の利回りを見る限り、
単なる守りとも言えない部分もある。

さすがに金融都市だけあって、
生き残れるのはレベルの高い案件だけ。

以下は年間の利回りを控えめに9%と見積もり、
25年間複利で運用した場合のシミュレーション。

1年目 109万円
2年目 119万円
3年目 130万円
4年目 141万円
5年目 154万円
6年目 168万円
7年目 183万円
8年目 199万円
9年目 217万円
10年目 237万円
11年目 258万円
12年目 281万円
13年目 307万円
14年目 334万円
15年目 364万円
16年目 397万円
17年目 433万円
18年目 472万円
19年目 514万円
20年目 560万円
21年目 611万円
22年目 666万円
23年目 726万円
24年目 791万円
25年目 862万円


100万円だった原資が、862万円になってしまった。

これが日本の定期預金なら、
今の金利だと25年でいくらになるだろう?

こう考えると、香港まで行って長期積立ファンドを
契約したくなったのも理解いただけると思う。

こういった数字を見ていると、
日本人の感覚から見ると攻めの投資の要素も
含まれていると思わざるをえない。


アインシュタインをして、
20世紀最大の発見と言わせた複利の力は大きく、
利益をそのまま運用することで、
上記のように資金がふくれていく。



では、毎月5万円を25年にわたって積み立てたらどうなるのか?

こちらも年利9%の利回りでシミュレーションしてみた。

1年目 65万円
2年目 137万円
3年目 214万円
4年目 299万円
5年目 391万円
6年目 492万円
7年目 602万円
8年目 721万円
9年目 852万円
10年目 994万円
11年目 1148万円
12年目 1317万円
13年目 1501万円
14年目 1702万円
15年目 1920万円
16年目 2158万円
17年目 2418万円
18年目 2701万円
19年目 3010万円
20年目 3346万円
21年目 3712万円
22年目 4112万円
23年目 4547万円
24年目 5022万円
25年目 5539万円


積み立てた原資がいくらかというと、

月5万円×12ヶ月=60万円/年

60万円×25年=1,500万円

ということで1,500万円。


それに対し、25年間複利で運用すると5,539万円になるため、
運用益は4,039万円。

原資の2.7倍近くの運用益が出てしまう。

これなら自分年金を作るにしろ、
特定の用途に絞らずに投資をするにしろ、
十分に満足できるパフォーマンスと言える。

海外投資の第一歩として
お勧めされることが多いのも納得できる。



なお、香港の長期積立ファンドは
長期積立保険という名称で呼ばれることもあるが、
これは税制上有利に運べるように保険として設計されているため。

ファンドではなく生命保険という形式を取ることで、
税金の面で優遇される。

そのため、一応の生命保険の形にするため、
死亡時には101%の額が得られるようになっているが、
1%しか増えないのはそのような理由。



長期積立投資のリスク

ザ・キンバリー・ホテル

では、長期積立にリスクがないかと言えば、
当然そんなことはない。

どんな投資案件にも、必ずリスクはある。

極端な話、現金やペイオフの範囲内の預貯金ですら、
為替変動やインフレによるリスクが存在するぐらいなのだから。



長期積立ファンドのリスクとしては、
価格変動リスクや為替変動リスクが考えられる。

前者の価格変動リスクとは、
文字通り投資先のファンドの下落によるリスク。

こちらはポートフォリオの分散ができることと、
長期投資によるリスクの軽減が可能。

たとえば、サブプライムショックや
リーマンショックのような経済危機によって
一時的に元本割れを起こすことはあるかもしれない。

だが、長期積立の期間は5年〜30年。

長い期間保有することによって、
仮に一度元本割れしたとしても、
その後に値を戻すことを期待できる。


しかもドルコスト平均法によって毎月一定額を積み立てるため、
一時的な値下がりは安値買いにつながる。

極端な話、半値に下がれば持ち分は一時的に損失を含むが、
毎月購入できる量は倍になる。

あとは再び値が戻り、上昇していくのを待つのみ。



為替変動リスクについては、
どの通貨で積み立てるかという部分。

たとえば、私は米ドル建てで毎月積み立てているため、
ドル高になると相対的に支払いが多くなる。

日本円の収入をドルに両替することを考えると、
たとえば500ドルを積み立てるために
1ドル=100円なら5万円が必要。

1ドル=80円の円高になれば4万円が、
1ドル=120円の円安になると6万円が必要になる。


もっとも、保有資産の通貨の分散を考えると、
この点が必ずしも不利とは言えない。

米ドル、ユーロ等の資産を保有できるという点では、
個人的には前向きに捉えている。



ETFや投資信託を選ばなかった理由

過去にはETFを保有していたこともある。

ETFとはExchange Traded Fundsの略で、
指数連動型の上場投資信託。

私が保有していたのは、
世界株式連動型、世界債券連動型、TOPIX連動型の
3つのETFだった。


広く市場に投資できるという意味では、
ETFや投資信託は長期積立ファンドに似ている。

長期積立よりも先に始めていたので、
そちらを継続するという手もあった。

しかし、わざわざ保有していたETFの手仕舞いをして、
香港まで渡航したのには理由がある。


ここでは詳細は割愛するが、
ざっくりまとめると手数料と税制の面が大きい。

やはり金融都市の香港はこの点が有利。

海外でETFや投資信託を買う手もあったが、
諸条件を検討したら長期積立ファンドになった。



加えて言うと、日本から資金を出すことで
資金の置き場所の分散をしたかったのと、
毎月自動で積み立てられるようにしたかった。

自動というのは大事なところで、
毎月同じ日に自分の手で買うというのは、
手間になるだけではなく意志力が必要になる。

ETFの価格が上下することで、
価格が上昇すれば無駄に浮かれたり、
逆に下落したら買うのを躊躇したりする。

その感情の動きは、
ドルコスト平均法による時間の分散の大敵。

だからこそ、自動で引き落としというのも重要だった。



こうして、ETFや投資信託には別れを告げ、
香港の長期積立ファンドを選んだ。



個人年金保険や確定拠出年金(401K)は即却下

自分年金を作るという目的なら、
個人年金保険や確定拠出年金いわゆる401Kの活用も
当然ながら視野には入る。

しかし、日本の税制、低い利回りを考えると
選択肢からあっさり外れた。



そもそも国民年金や厚生年金は信用していないし、
だからこその自分年金。

長期積立ファンドを香港で申し込むことで、
オフショアの強みを享受できるだけでなく、
日本のカントリーリスクからも距離を置ける。

そういったことを考えると、
401Kや個人年金保険はリスク管理の面でも
妥当な選択とは考えられなかったし、
まして期待できる利回りを考えればなおさら。


自分の老後の資金ぐらい自分の意思で貯める自信はあるので、
有利な投資商品を選択することに迷いはなかった。



なお、長期積立ファンドは満期になっても、
そのまま香港で運用してもらうことも可能。

一部の金額のみを引き出せるので、
満期に一括して全額をおろすのではなく、
その後も必要な金額だけを下ろしていく予定。

退職金のように一括で満額をもらう意味がないため、
その方が自分年金という目的に合っていると思われる。



なお、先ほどの試算の通り、
月5万円を25年間積み立て、
年利9%の複利で回すと5539万円に増える。

たとえば30歳で積み立てを始めた場合、
55歳の時点で満期を迎えることになる。

実際の期間は5年〜30年の間で決められるし、
スタートする年齢は様々だが、
ここでは55歳で5539万円を手にしたことを想定してみる。

自分年金としての性質を持つため、
通常の年金より早めではあるが
仮に年間500万円を引き出していき、
残った額を満期後も引き続き
年に9%の利回りで運用した場合の
シミュレーションをしてみた。

55歳 5539万円(満期)
56歳 5493万円
57歳 5442万円
58歳 5387万円
59歳 5327万円
60歳 5261万円
61歳 5190万円
62歳 5112万円
63歳 5027万円
64歳 4935万円
65歳 4834万円
66歳 4724万円
67歳 4604万円
68歳 4473万円
69歳 4331万円
70歳 4176万円
71歳 4006万円
72歳 3822万円
73歳 3621万円
74歳 3402万円
75歳 3163万円
76歳 2903万円
77歳 2619万円
78歳 2310万円
79歳 1973万円
80歳 1605万円
81歳 1204万円
82歳 768万円
83歳 292万円


残った資金を9%の利回りで運用すると、
長期積立の残額はゆるやかにしか減少せず、
毎年500万円を引き出しても83歳まで資金がもつ。

年に500万円ということは、
月ごとに換算すると41万6,666円。

これだけの資金があれば、
老後は安心して暮らせるだろう。

おかげで日本の国民年金や厚生年金の行方に
神経をすり減らす日々から解放された。



教育資金やマイホームの住宅ローンを貯める人も

当然ながら、香港の長期積立ファンドは
自分年金の用途に特化した投資案件ではない。

老後を安泰なものにするために使う人もいるが、
それ以外でも様々な活用の仕方がある。

たとえば、子供の教育資金を作るため、
銀行にお金を預金して
低利で運用とも言えない運用をするより、
長期積立ファンドを使うような場合。

日本には学資保険もあるが、何しろ条件が悪い。



また、マイホームの頭金を貯めるために
始めたという人もいた。

住宅ローンを組んで持ち家を買う前に
まずは資金を作ってしまうことで、
有利な条件で購入できる。

長期積立ファンドの利回りの方が
住宅ローンの金利よりも高いことに目をつけ、
返済を急がない人も。

前倒しで住宅ローンを返済すれば
銀行に余計な利息を払わなくて済むというメリットがあるが、
長期積立で得られる利回りの方が高いのであれば、
そのまま運用する方が有利なため。


たとえば、長期積立が9%の利回りが出るとして、
マイホームの住宅ローンの金利が2%だとすれば、
7%の差益が出ることになる。

前倒しで返済すれば、この差益を放棄することに。

それなら最低限の額だけ銀行に返済しつつ、
運用を続けるのはありだろう。


ただし、長期積立は一定の利回りが
保証されているわけではないため、
安心を買うという方針で
住宅ローンの前倒し返済をするのも
選択肢としてありえる。

このあたりはリスクの許容度によっても
最適な選択肢が変わってくる。



子供の将来の学費や住宅ローン以外でも、
配偶者や子供と共同名義口座を作っておき、
スムーズに相続ができるようにしていた人もいる。

日本では銀行で個人口座を作る際に
共有名義を選択することはできない。

しかし香港の長期積立ファンドなら可能なため、
最初から夫婦名義や子どもとの共同名義口座にしておき、
相続税対策を行いつつ試算継承をするパターン。

名義人の一方が亡くなっても運用を継続できるため、
相続による一括受け取りではなく、
必要額のみを引き出していくことも可能。

多額の資金をいきなり相続してしまい、
資産をどのように守ればいいか分からずに
途方に暮れたり、過ちを犯すのを防ぐこともできる。

特にお金の教育が不十分な場合、
いきなり巨額の資産を相続しても
うまく扱うことができない。

そう考えると、
運用を続けつつ一部を引き出していくというのは
相続する側にとっても利益が大きい。



これらの他、投資家としてもっと標準的な姿勢、
つまりリスクと期待リターンを計算した結果として
長期積立ファンドを始める人も当然大勢いる。

私も2つ目以降については、
こうした方針で保有する予定。



運用・支払いは手間いらず

ビル

長期積立の場合、複数のファンドを組み合わせられるため、
ポートフォリオのリスク分散につながる。

すでに上述の通り、地域・商品・産業の分散ができるため。


では、そのファンドを自分で選ぶのか、
プロのファンドマネージャーに選んでもらうのか、
という問題がある。

どちらでも可能だが、
一任勘定と言ってファンドマネージャーに丸投げする場合、
手間がかからないことと市場を理解している
プロに任せられることがメリットとなる。

一方、一任勘定には手数料がかかるというデメリットがある。


プロのファンドマネージャーも、
平均すると猿がダーツを投げて投資先を決めるのと
パフォーマンスが変わらないという
ランダムウォーク理論にもとづけば、
手数料がかからない分だけ自分で決めた方がいいことになる。


どちらを選んでもいいと思うが、
私は自分でファンドを選んだ。

複数のファンドを組み合わせることで
分散をするということが最も重要で、
そう考えると極端に高い(あるいは低い)パフォーマンスを
求めているわけではなかったため。

地域も商品も産業も分散すれば、
自分で選ぶリスクはさほど高くない。



なお、途中でファンドを切り替えることをスイッチングと呼ぶが、
一部の長期積立だとスイッチング手数料がかかることがある。

香港には複数の長期積立ファンドがあり、
それぞれに細かい条件も運用成績も異なる。

多くの場合、
スイッチング手数料は無料だし、
一任勘定なら勝手にスイッチングをしてくれる。

この部分は、加入前に確認しておく必要がある。



支払いはどうなるのかというと、
銀行口座からの自動引き落としの場合と、
クレジットカード決済の場合がある。

長期積立の契約がHSBC香港の口座開設と
セットで語られることが多い理由として、
銀行口座がないと契約できないファンドが
多かったことが挙げられる。

日本国内の銀行、
たとえばみずほや三菱東京UFJや三井住友銀行では
引き落としができない。

香港の銀行である必要があり、
それならネットバンキングの使い勝手がよく、
世界的にも信用の高いHSBCが好まれるというわけ。

私もHSBC香港をメインバンクとして活用している。


クレジットカードについては、
大抵の会社は海外で発行されたクレジットカードのみを
対象にしている。

しかし、一部の長期積立は日本発行のクレジットカードでも
支払いができるようになっている。

VISAやマスターはもちろん、JCBでも可能なため、
HSBC等の海外銀行口座がなくても、
この場合には契約が可能。


また、クレジットカードによる支払いの場合、
1%の決済手数料がかかる会社もある。

決済手数料がかかる場合には、
マイルやポイントで相殺できる場合もあれば、
銀行引き落としの方が有利な場合もある。


どちらにしても、
一度引き落としの設定をしてしまえば
あとは自動で積み立てがスタートするため、
何もしなくても資産が構築されていくことになる。

また、途中で支払い方法を変更することも可能なため、
一生同じ方法でしか支払えないわけではない。



途中で支払いができなくなったら

ギャラリアとタクシー

毎月一定額を、5〜30年の間で選択した期間
積み立てていくのが基本にはなるが、
途中で状況が一変することはありえる。

サラリーマンの場合であれば、
リストラや会社の倒産で収入が途絶えるかもしれない。

思いがけない病気での出費だってないとは限らない。


事業を行っていれば、
予想外の要因で利益が消えることもある。


こういった場合、
長期積立ファンドはどうなるのか?

基本的には、途中で積立額を減額したり、積立を停止できる。

ただし、これには例外もある。


というのも、長期積立ファンドには
初期口座(Initial Account)と
貯蓄口座(Accumulated Account)の2種類がある。

最初に初期口座にお金が積み立てられ、
途中から貯蓄口座への積み立てに切り替わる。

そして、初期口座の期間がどれだけかは、
契約期間の長さや会社によって変わってくるが、
18〜24ヶ月が多い。

つまり1年半から2年の間は積み立てが必要。


それ以降は貯蓄口座に移り、
金額の増減、積み立て停止が可能なのはもちろんのこと、
貯蓄口座に入っているお金は満期前に引き出しも可能。


初期口座は積立が必須だが、
貯蓄口座になってからは自由に変更が可能。

途中まで減額し、
家庭の経済状態が良くなったら元の金額に戻すとか、
以前より金額を増やすこともできる。



当初の計画が大きく狂った場合でも、
このように柔軟な対応が可能になる。

たとえば不動産投資の場合であれば、
途中で支払いがとどこおると物件の権利を失う場合も。

それに比べ、途中での事情変更に対して
圧倒的に対応しやすい環境が整っている点は嬉しい。

未来は不確定だが、
こういった仕組みがあれば安心だ。



日本人は長期積立に投資できなくなる!?

2012年、当時香港の長期積立ファンドの代表格だった
フレンズプロビデントが日本居住者の新規加入の受付を終了した。

すでに申し込んでいた場合には
積立・運用を続けることができるが、
新規での参加は不可能に。

これは日本人というより、
日本居住者に限定した措置だったため、
海外在住者は2012年以降も申し込みが可能だった。



2014年には
香港保険業管理局(OCI)がガイドラインを変更。

スタンダードライフやサンライフ等、
多くの長期積立が新規募集を打ち切った。



元々、香港の長期積立ファンドといえば、
フレンズプロビデントの
Premier(プレミア)や一時払い型のSummit(サミット)、

スタンダードライフのハーベストエリート・ハーベストウェルス、
一括型のWealth Amplifier(ウェルスアンプリファイアー)、

ロイヤルロンドン360(RL360°)の
Quantum(クォンタム)、一括型のOracle(オラクル)、

他にもテンガードやハンサード、インベスターズトラスト、
アテナベスト、アロイ、ジェネラリー、
ノーブルエイペックス(Noble Apex)、メティスグローバル等があった。


しかし、2014年の変更により、
大部分は新規の受付を終了。

それを見て、香港の長期積立は終了という
噂というかデマも横行した。

今でも一部の長期積立ファンドは募集を続けており
完全に終了したわけではないのだが、
意図的なのか単なる事実誤認なのか、
そういった虚偽情報も流れている。



もっとも、これは投資の世界に限ったことではなく、
フィリピンのクオータービザという永住権も
一時期移民局の手続きが止まったことがあり、
クオータービザが終了という嘘も広まった。

私自身、クオータービザの取得を検討しているところだったが、
確認したところ嘘だと判明。

実際、移民局の手続き再開後に無事に取得できた。

海外の情報は限られているため、
こうしたことが起こりやすいのが面倒なところ。

最終的には第一線で活動している
その道のプロから情報を得るのが間違いない。



1つ確実に言えることとしては、
日本人が香港の長期積立ファンドを開始できるのは、
いつまでか分からないということ。

現在は加入可能な会社も含め、
唐突に終了の告知がされることはありえる。


その反面、既存加入者に不利な扱いに変わったという話は聞かない。

これは当たり前の話で、
契約がある以上、期間中に一方的に不利な条件に
変更したり打ち切ったりはできないだろう。

香港はそういった部分が法整備を含めてしっかりしているため、
すでに申し込んでいる場合には安心できる。



なお、2014年に多くの会社が新規加入の募集を打ち切ったことで、
サポート業務を投げ出した業者もいるらしい。

ここには日本人業者も含まれる。

契約後のサポートを約束しておきながら、
雲隠れという許されないことを平気でする人がいるのは残念な限り。

そういった意味でも、
香港に根を張って、継続的に活動している人から
契約した方が有利になる。



長期積立ファンドは大元の会社との直接契約ではなく、
IFA(投資顧問会社)を通じての契約になる。

また、サポート会社によっては、
長期積立ファンドの契約者には
HSBCの口座開設を無料でサポートし、
アフターサポートまでしてくれるところもある。

これは窓口になることで、
コミッションが落ちてくる仕組みなため。

我々加入者にしてみれば、
どこから入っても支払う金額は同じなわけなので、
サポートが充実している方がいい。

私もHSBCの口座開設のサポートを無料で行ってもらったし、
その後のサポートも受けている。


なお、一部の業者は独自に手数料を徴収しているらしいが、
これは本来払う必要のないお金。

長期積立の契約の際にサポート費用等の名目で
お金を要求してくる業者ではなく、
無料でやってくれるところを選ぶことをお勧めする。

彼らはそれでもコミッションをもらえるし、
契約する我々は一部の意味不明な料金を要求する業者以外なら
どの入口から契約しても同じ金額となる。


なお、IFAを選ぶときには、
香港保険顧問協会(CIB)、香港保険業協会(PIBA)、
香港証券先物委員会(SFC)といった
公的な資格の保有者であるかどうかも
1つの目安になる。



香港に行かずに長期積立ができる!?

私はHSBCの口座開設の日に、
長期積立ファンド(フレンズプロビデント)の契約もしてきた。

その会社の場合には、
香港入りしている時にしか契約できなかったため。

パスポートに入国の際スタンプが押されるが、
そのページのコピーが証拠として必要だったほど。

出国のスタンプが押されていたらアウトで、
あくまで入国後出国前、
つまり香港滞在中であることが条件だった。



しかし、現在も契約可能なある会社の場合、
香港まで訪れる必要なく、
日本から(もしくは他の居住国から)出ることなく、
書類だけで契約ができる。

しかも、海外口座すら必要なく、
日本国内で発行されたクレジットカードで支払いができるため、
忙しくて香港に行けなくても済むことに。

VISAやマスター、JCBでも支払えるということだった。

このハードルの低さは魅力的。


ただし、この有利な状況がいつまで続くのか、
この点は保証がない。

結局、こうしたチャンスを活かせるのは行動の早い人だけで、
大多数の人は募集が打ち切られてから
後悔の声を漏らすだけ。

この会社がいずれ新規募集を打ち切った時にも、
同じようなため息がそこかしこで漏れることだろう。


海外に移住するのは本当に難しいのか?


日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。

同時に、

「英語が苦手で・・・」

「海外での部屋選びで失敗しないか不安」

「他の国での生活を想像できない」

「下見で何を確認したらいいか分からない」

「移住後の仕事やお金が問題」

等々の様々な不安や悩みも耳にする。

そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼント
することにした。


電子書籍の目次等も掲載しているので、
プレゼントページへどうぞ

電子書籍のプレゼントページへ



よく読まれている記事