
人が自分の人生のミッションを成し遂げるために必要なのは、上辺だけの友人関係ではなく、本当の意味で信頼できる仲間。
そういった人が身の周りにいないとしたら、まだチームを組むに至っていないことになるので、個人として活動していくフェイズに位置していることになる。
この段階において、安易にチームや仲間を求めるのは逆効果になって、将来に向かって大きな負の遺産を作ることになりかねない。
実際、歴史を見ても、常に偉業を成してきたのは少数精鋭のチームか、あるいは圧倒的にカリスマ性のあるトップがいるチームのどちらか。
お互いになあなあな基準で付き合っていく関係であれば、それは邪魔にしかならないし、はっきり言えば要らない。
例えば、仕事を一緒にすることを考えた場合はわかりやすい。
それぞれが素人同然のレベルで、お互いの仕事に要求するのもその程度の水準なのであれば、それがその集団の中での共通の認識となり、各個人の認識にも落とし込まれていく。
こういった低い基準で物事を考えるようになれば、そこから抜け出すことは容易ではない。
つまり、低い基準のレベルの人達と付き合うことによって、かえって成功が遠のくことになる。
気軽な関係が仇に
現代においては、TwitterやFacebook、インスタグラム等のSNSを使えば、人と簡単に繋がることが出来るようになった。しかしながら、そこで繋がっている人が、いざ人生において重要な場面で助けてくれるか、といえばそういったことではない。
あくまで薄い表面的な関係だけなので、Facebookでいいねをしてくれることはあっても、本当に途方に暮れている時に力になってくれる人は、その中に何人いるかわからない。
さらに言うと、負の関係も人間関係から連鎖してやってくる。
例えば、肥満は友人の友人から伝わってくることはよく知られていて、これは社会科学の世界では常識となっている。
というのも、友人が太っていると、一緒に食事をする際に、自分もつい食べ過ぎてしまう傾向にある。
こういった現象はどんどん伝染していって、基本的には三次先まで進むことになる。
三次というのは、友人の友人の友人ということ。
つまり、太っている人は自分が肥満なだけではなくて、自分の周囲であるとか、さらにその友人、知人、そしてさらにそこから伝わってもう一人介した友人にまで負の情報を伝えてしまっている。
太る方向への影響力を受けるのがいらないのなら、付き合う人を選ぶ必要がある。
自分の収入は、親しい友人5人の平均年収を出せばそれで決まるという話もあるが、それだけ人間は互いにネットワークを通じて、影響し合っている生き物。
だからこそ、社会的動物と呼ばれるわけだし、つい人との関係を保ちたがる。
しかしながら、自分の目的に応じて、人間関係も時には切り捨てたり、新しく作り上げていくことをしなければ、本当の意味での人生の目的は達成できない。
というのも、人間関係によって惰性が生まれ、これまでの自分に引き戻される引力が働いてしまうため。
よくあるのは、独立しようとしていると、サラリーマンの同僚から「独立なんて無謀だからやめろ」とか、「毎月の給料が振り込まれなくなったら路頭に迷う」とか、そういったマイナスのイメージを与えられて、つい弱気になってしまうこともその一環。
私はこういったことが肌感覚でわかっていたので、海外に移住したり、サラリーマンを辞めて独立したりした時には、誰にも相談をしないで全て事後報告だけするようにした。
それによって、挑戦もしていない人達の余計な忠告や非難を避けることができた。
結果、自分の心の声だけに耳を澄ませることができるため、余計な雑音に惑わされることがなくて済んだ。
広げる時期と絞る時期に分ける
ビジネスにおいては人脈が、個人の生活においてもリア充といった言葉で
友人関係が豊富であることが評価される。
しかし、本当に質の高い人生を送るためには、
人間関係に対する姿勢は大きく分けて3つに分類される。
まずは自分の方向性を見極めたり、
価値を高める時期。
ビジネスをすることを考えれば、
自分が何者かもわからない素人の時期に
有益な人脈を作ろうと思うことに無理がある。
無能な人の相手をするほど、
力のある人は暇ではない。
次に来るのが人脈を広げてみる時期。
友人よりは知り合いを増やすイメージで
色々な人と会ったり、話たりする時期。
この時期は自分自身の内省を深める時期でもある。
こうして様々な人と会うようになると、
それが日々の時間を圧迫していることに気付かされる。
その段階で、最後の絞り込む時期に入る。
本当に今後付き合っていきたい人との関係を深め、
それ以外の人との時間を圧縮していく時期。
私の場合だと、
尊敬できる部分があるかどうかが判断基準になっている。
一度絞り込みの時期に入ってから、
再び人脈を広げる時期がやってきたり、
また絞り込んだりと行った具合に
一度通ったフェーズを再び通過することもある。
重要なのは、
足し算で増やした跡には
しっかり引き算で適正規模に修正すること。