本当に経済的自立を遂げるのは日本人の数%だけ?

ホテルのロビー

多くの人は就職すれば経済的自立を果たしたと勘違いしている。

たしかに、誰かに養われる立場から
表面上は独立していることになる。

大した役に立たなかったとしても、
とりあえず家や食べ物や教育をもらっていた子供よりは
ずいぶん成長したことになる。

しかし、多くの社会人の経済的自立は、
実質的に親から会社(公務員なら国や地方)に
養ってもらう相手が変わっただけでしかない。

今度は遊んでいても許されるわけではなく、
仕事をしなければいけないという条件付きで。

労働力を提供して、対価として給料をもらう。

一見すれば対等に見える。

本来の労働市場という意味で言えば、
その通りだったのだろう。

しかし、現実はどうなのだろう?

労働者は経済的自立をしているのだろうか?

精神的にも独立しているのだろうか?

サラリーマンは法的に雇用主よりも優遇されている。

弱い立場の彼らを保護しないと、
労働者の生活環境は劣悪になってしまうという理由で。

自分が辞めるのは勝手でも、
会社がリストラをしづらいのもそう。

雇用保険もそう。

到底対等とは言えない状況で、保護されて生きている。

なにしろ労働者は票田なわけなので、
政治家としても無視する訳にはいかない。

企業よりも個人を優遇しておいた方が
次の選挙に勝てる上、
社会を安定して運用するのにも都合がいい。

会社をクビになった途端に路頭に迷うとしたら、
潜在的に経済的自立を果たしていないことになる。

そのリスクがたまたま顕在化しなかったというだけで、
さも自分の足で立っているような顔をしている人が
世の中にどれだけあふれているのだろう。

法律で守られ、税金面でも低所得者や中間層は優遇される。

それでも税金を使った公共のサービスは
同じように受けることができる。

この点でも、多くの労働者は手厚い待遇を受けている。

標準的な生活をしている場合、
税金を財源として受けている公的サービスの恩恵は、
1人あたり75万円〜90万円程度との試算がある。

整備された道路を使ったり、
警察によって治安の維持された街に住んだり、
水道やダムのようなインフラが整備されたり、
意識することなく様々な恩恵を日々受けている。

ということは、
年間で納める税金が75万円以下であれば、
実質的に制度にタダ乗りしているのに近い。

たとえば、年収500万円の会社員の場合、
おおよそ所得税が14万円、住民税が24万円程度。

他にも払っている税金があるにしても、
受けている恩恵よりも支払いの方が明らかに少ない。

税金は一部の高額納税者が平均を引き上げるため、
このようなことが起こる。


これが経済的自立なのだろうか?

雇用を与えられ、払ったよりも多くの税金をサービスとして受け、
法的にも保護される。

精神的にも経済的にも自立と呼ぶには
少々甘すぎるのではないかと思う。

本当の意味で経済的自立ができているのなら、
世の中で少々の変化が起きてもやっていけるはず。

景気が悪くなるとか、改善するとか、
それは少々の範囲の中のこと。

なぜなら予測できることだから。

景気が一定水準のまま移行し続けることはないし、
市場環境はある程度の範囲内で変動するのが当然。

それを前提として生きていけるようになってこそ、
経済的自立ができたことになる。

ただ単に自分の給料で生活費を出しているとか
家族を養っているというのも、
瞬間を切り取れば経済的に自立していることになる。

しかし、将来に向かって安定的にその状態を保てるかを考えると、
ほとんどの人は心もとない立場にいる。

いつ落ちてもおかしくない平均台の上で
歩いている状態にすぎない。

たまたまここまでの10メートルは順調な滑りだしでも、
残りの100メートルの成功が約束されるわけではない。

そして、平均台から落ちたことは
不思議と他人のせいにできる風潮が世の中に漂っている。

結局、今後の人生をシミュレーションしてみた時に
路頭に迷う可能性を否定できないのなら、
真の経済的自立には至っていないということ。

会社は倒産するかもしれないし、
リストラにあう可能性もある。

主婦なら夫と離婚して、
収入の状態が激変するかもしれない。

そんな可能性を考えていくと、
本当の意味で安定しているのは
日本人の中でも数%の人だけのはず。

残りの90%は暫定的な立場として
自分の収入で支出を補えているにすぎない。

特に他人に雇われる立場で、
精神的にも依存してしまっている人は危険。

自分のライフプランもなく、
会社がどうにかしてくれるだろうと思っているのなら、
経済的にも精神的にも自立どころの話ではない。

それは親から会社に頼る先を変えただけ。

自力で生きていける力と気力がないのなら、
危機感を持ったほうがいいと思う。

足元なんていつ崩れるか分からないし、
守ってくれると思っていた相手が
手のひらを返す事例なんて事欠かないのだから。

私も20代でリストラにあったことがあるが、
本当にその日になって急に職を失った。

前触れもなく、唐突に。

そんな時に目の前が真っ暗になってしまうのなら、
予想以上に先行きはあやしいのかもしれない。


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