ワークシフト孤独と貧困から自由になる働き方の未来図という書籍を読んだので、そこから得られた感想やレビューについてまとめておきたいと思う。
この本というのは主に、2025年の段階で、私達がどのような仕事観を持っていたり、あるいはどのような生活をしているかといったことを、中心に語っている。
その中で、3つのシフトというものを提唱していて、1つめはジェネラリストから、連続的なスペシャリストになるということで、どんどんジャンルを横断して、それぞれの専門分野を深めていくということが挙げられている。
そして2つめのシフトというのは、競争ではなく協力によって、コラボレーションの力を使いながら、仕事を進めていくということ。
3つめにシフトは、収入ではなく、やりがいを求めて働くという労働観に変えていくことというのを挙げている。
2025年というと、実は11年しかないので、それほど未来予測としては難しいことではない。
実際、ワークシフトの中では、いくつかの国のケーススタディという形で、例えばインド人の○○さんとか、アメリカ人の○○さんがどういった生活を2025年には送っているだろうということと、それに比べて1990年の段階では、人々はどのように暮らしていたか、ということをストーリー仕立てで語っていたりする。
私自身は2025年ということになると、43歳ということになるが、この段階で言うとまだ現役でまだ働いている可能性が高い。
今現在私自身は、40歳で自分の体が動かなくなるという過程の元で生きているので、43歳の段階で実際に仕事をしているかどうかということは、確実なことは言えないが、現実問題として考えると、何かしらの仕事は続けているのではないかと思う。
そういった中で、このワークシフトに書かれているような、時代の変化によって、私が何か影響を受けるかということになると、直接的に自分自身が働き方を変えるとか、もしくは会社との付き合い方を変えるということは、基本的にはない。
というのもそもそも私が、このワークシフトという本の中で書かれている、ミニ企業家にあたるような生き方をしているので、すでに書籍の内容を先取りしているような形になる。
そうなってくると考えられることとしては、私自身がモデルケースとして、自分の背中を見せることによって、多くの人の参考になることとか、もしくはそういったミニ企業家と呼ばれるような個人事業主が増えていくことによって、これまでの大企業が軽視していた個人との繋がりとか、共同のプロジェクトとか、そういったものが増えていく傾向が期待できるのではないかと思う。
但しこれは、未来の話ではなくて、今現在既にそういった傾向というのは見えている。
いわゆる有名なコンサル会社が、個人のコンサルタントに案件を依頼するとか、そういったことも出ているし、大企業がある程度ネームバリューのある法人としか付き合わないという時代は既に終わっている。
そういった意味では既に時代は変わり始めているし、あくまでもこのワークシフトというのは、現在起こっている変化の前兆を見い出して、それが更に今後の11年間の間にどれだけ拡大していくかということを予測した本ということになる。
残念ながら斬新な内容というのに満ちている本というわけではなくて、既に言われている環境の変化、つまり資源の枯渇とか、もしくはインターネットの普及によるバーチャルな作業環境とか、人間関係の変化とか、そういったものを指定して、それぞれがどのような関係で人生に影響を及ぼしていくかということを有機的に繋げている本ということになる。
その為読み終わった時に、何か新しい知見が得られるかとか、そういったことを考えてみるとあまり効果はないものの、頭の中の整理という意味では非常に価値のある1冊だと思う。
今後の約10年というスパンで物事を考える時に、更に言えば、それを日本という単位ではなくて、もっとグローバルな視点で考えてみるということは、非情に価値があるのではないかと思う。
特にここで書かれている3つの人間関係、つまり、まずは自己再生のコミュニティと呼ばれる本当に自分の本音をさらけ出せる友達や家族との関係。
そして、ポッセと呼ばれる通常5人以下からなる同業者のプロフェッショナルの集団。
そして3つめは、ビッグクラウドと呼ばれる、様々な人との繋がりを薄くもって、その中で様々なアイデアを出して、イノベーションを行っていくという発想は面白いのではないかと思う。
こういったことというのも、様々なところで言われているものの、これだけ整備された本というのは珍しいので、1度今後の人生であるとか、生き方について考えてみる際に、このワークシフトという本は参考資料として役に立つのではないかと思う。