カナダはオーストラリアより生活費が安い




世界一周の旅の中でオーストラリアとカナダへ行き、
それぞれの国の生活費や物価についても確認してきた。

オーストラリアはケアンズ・シドニー・メルボルンへ、
カナダはハリファックス・オタワ・モントリオール・
ナイアガラ・トロント・バンクーバーを見てきた。

ついでに言うと、
アメリカもニューヨーク・フィラデルフィア・ワシントンDCへ
行ってきたので比較対象として視察してきた。



かつてのイメージで言えば、
オーストラリアは生活費の安い国であったはず。

日本人がリタイアした後に悠々自適に暮らせる国として有名だった。

しかし、現状はどうなのかと言えば、
イメージとは大きくかけ離れた状態になっている。

インフレを続けて物価が上がり続けたため、
デフレが長く続いて物価が下がった日本とは好対照となり、
いつの間にか生活費が高騰してしまった。


たとえば、食事はピザやハンバーガーのようなものでも、
ファーストフード以外の店で食べると2,000円程度から。

ハングリージャックというファーストフードでも、
ハンバーガーが単品で500円程度。

シドニーやメルボルンでは、
1万円代前半でようやく中級ホテルの下に泊まれるという状態。

地下鉄にしろタクシーにしろ、とにかく高い。



スイスや北欧のような一部の例外を除けば、
オーストラリアの生活費は世界の中でもトップレベル。

たしかに環境が良い国ではあるが、
さすがに不自然な水準にまで高騰している感がぬぐえない。

当然ながら賃金水準も高いものの、
どうにかオーストラリアに住みたいという心理を逆手に取って、
最低賃金以外で日本人を雇用する会社もあるらしい。

労働者ビザを発給する代わりに、
違法な水準の賃金しか出さないという構造。

ただでさえ物価の高い国なので、
当然ながら苦しい生活を強いられることになる。



一方、カナダも生活費の安い国ではないが、
オーストラリアとの比較の中では割安感がある。

ざっくりした感じで言えば、
6割から7割程度で暮らせるだろう。

ちゃんとしたレストランもチップを含めて
1300円程度から食事ができるし、
ある程度健康的なファーストフードも1,000円以下。

メキシコ料理等があるので、
ファーストフード系でも
揚げ物や甘いものばかりで野菜のない食事というわけではない。

フードコートに行っても、
やはり数百円で食べることができる。



環境の良さという意味では、
カナダもオーストラリアに負けていない。

この2つの国は北半球と南半球に分かれているので、
季節は真逆ということになる。

それ以外はかなり似たような国。

ヨーロッパからの移民が中心になって構成されていて、
元々住んでいた現地の先住民はごく少数になっているのも同じ。

ただし、アジア人へのオープンさという意味では
カナダの方がずっと暮らしやすいところがあるように感じる。


オーストラリアは歴史的にも白豪主義を取り、
自分たちはヨーロッパ人であるというエリート意識の元、
アジア人を排斥してきた。

そこまで露骨なことは今ではなくなったが、
現地に入るとアジア人を馬鹿にしていることを感じる場面は
何度かあった。



対してカナダは日本人も含めたアジア人の移民の歴史も長く、
バンクーバーに至ってはアジア人が人口の30%以上を占める。

この街は若干特殊ではあるものの、
人種の多様性もあるので住みやすいのではないかと。



カナダの方が生活費が安い上、アジア人の許容度が高い。

加えてオーストラリアの問題は、英語の訛りがひどいこと。

明らかにカナダの方がスムーズに会話ができる。


しかもオーストラリア人は自分たちの発音に誇りでもあるのか、
伝わるように話そうという意思も希薄な気がする。

彼らは8を「アイト」と発音するが、
こちらが「エイト?」と聞き直しても「アイト」と繰り返すだけ。

わざわざ高い費用を出して語学留学をする人もいるが、
シドニーやメルボルンでムダにコストをかけるぐらいなら、
カナダやアメリカ、イギリスの方が安くてきれいな英語を学べる。

遊びに行くだけと割り切っているならいいが・・・。



こう考えると、
オーストラリアの利用価値は季節が逆というところが大きい。

北半球が冬になって過ごしづらい時期に、
向こうは夏を迎えるという強みがあるので、
その時期を過ごす場所としては最適。

何しろ、南半球で環境が整備されている国はほとんどないので。

世界的にもトップクラスの住みやすさと評価されるオーストラリアは、
この点において大きな強みを持つ。



私は自宅を持たずに世界を転々としているが、
環境の良さならカナダや東欧で十分。

生活費も安いし、冬は常夏の東南アジアにいるので、
オーストラリアを普段の生活に組み込むビジョンは
今のところ見えていない。



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執筆者、伊田武蔵
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