ヨーロッパに移住しなかった理由


これまでになぜヨーロッパに移住しなかったのか?

魅力を感じる国が多かったのに、
実際に住んできたのはアジアの国ばかりだったのは理由がある。

実は、この数年は3ヶ月をヨーロッパで過ごすのが恒例行事で、
今後住みたいと思う街を探すことが主な目的だった。

今年はクロアチアのポレッチが特に気に入って、
最長の3週間を過ごした。

本当はもっとゆっくり周りたいが、
ビザなしでの滞在期限と訪れたい街の数の関係で、
この期間が精一杯の範囲。

それ以外は、
短くて3泊程度で次の街へ移動している。

今年はオーストリア国内も周ったが、
インスブルックやザルツブルクには移住したいと思わなかった。

サービス水準が低く、
国内の長距離鉄道も独自ルールが設けられていたりして
外国人の利用者、特にドイツ語が話せない人への配慮が
著しく欠けていると感じたため。

一方、クロアチアやハンガリーは相変わらず好感触だった。

ブダペストは去年居心地が良くて一ヶ月を過ごし、
他の街の期間を圧迫してワルシャワを
十分に見極められなかった原因になった街だが、
今回はエゲルやペーチュ、デブレツェンも訪れた。

結果、ハンガリーに住むなら
やはりブダペストがもっとも適している模様。

利便性が高いだけではなく、
ブダ側には緑の多いエリアもあるため、
様々な住環境の選択肢が得られる。


他にもチェコやポーランド、スペイン、ポルトガル、
アイルランド、ドイツ、フランス、イギリス等、
移住してみたい国はいくつもある。

しかし、どれも実現には至っていない。

その理由としてもっとも大きなものは、やはりビザ。

ビザなしで暮らすことはできない反面、
ヨーロッパの大多数の国はシェンゲン協定に加盟しており、
域内での移動にパスポートチェックがない。

つまり、外国人が東京にやってきた場合、
金沢や奈良に行く際に
パスポートにスタンプを押されたりせず、
滞在日数も合計で数えられるように、
ヨーロッパもシェンゲン協定加盟国なら
1つの国のように扱われる。

イギリスやクロアチアのような例外はあるものの、
大多数の国が加盟しているため、
どこかの国でビザを取得することができれば
他の国にも移住は可能。

たとえば、オランダでビザを取った後、
実際はリスボンやバルセロナに住むこともできるし、
あるいはヨーロッパを旅して回ることもできる。

そこで考えたのが、SOHOビザだった。


オランダかドイツで起業?

ミュンヘンのチューリップ
ヨーロッパの中でも国によってビザ制度は違うが、
個人事業主がビザを取りやすい国としては
オランダとドイツが有名。

他にもエストニアのハードルが低いという話もあるが、
情報の少なさという問題もあるし、
バルカン半島のバルト三国のイメージがどうしても残る。

もっとも、エストニアは世界的に見ても
政府の電子化がトップクラスといった実績もあるのだが、
やはりメジャーどころではオランダ・ドイツだろう。


こうした国で起業すれば、
SOHOビザ等を得ることができる。

私はすでにビジネスを持っているので、
まったく新しいことをするのは不合理。

幸い、店舗ビジネスのように場所にはとらわれないため、
今の仕事でも手続きの条件を満たせば
どうにかビザが発給される可能性はある。

特にオランダはゆるいようなので、
チャンスはあるとにらんでいる。


ただし、ビザを増やすことにはデメリットもある。

すでにマレーシ・マイセカンドホームというリタイアメントビザや
クオータビザというフィリピンの永住権を私は持っている。

さらにビザを増やしていくと、
パスポート更新の時にも煩雑な手続きが生じる。

また、SOHOビザ取得や更新には
かなりの雑務が発生すると聞いている。

ヨーロッパの役所と言えば、
東南アジアのようにひどくはないと思うが、
決してストレスフリーな環境は期待できない。

それを甘受するほどの意味があるかと問われると、
今のように90日の期限内で旅を楽しむほうが
いいような気がしてしまっている。

これがSOHOビザを取って
ヨーロッパに移住しなかった理由。

検討はしてきたが、
まだ実現には至っていない背景には、
このような事情がある。


そもそも、私はヨーロッパの特定の街に住む気があまりない。

そうなると、アパートメントを1年契約で借りるわけでもないし、
ビザがあってもそれ以外の暮らし方は
今と大差ないことになる。

また、このエリアの気候を考えた時、
大半の国は冬の寒さが南国暮らしを送ってきた身としては
あまりにも冷え込みすぎる。

海外に移住してからは
基本的に最低気温が20度以上の街にいることが多く、
オランダやドイツはもちろん、
北欧やアイルランドの冬を越せるかは不安。

では、冬だけは温暖なリスボンで過ごしたり、
イタリアやマルタに避寒目的で移る手もある。

こうして、一箇所の拠点で年間を通して暮らすことは却下され、
結局旅暮らしをヨーロッパで続けるわけなので、
役所との余計な交渉や手続きをしてまで
SOHOビザを取る意味があるかは疑問が残ってしまう。


投資ビザという選択肢も

ブダペストのオフィスビル
一方で、ポルトガルやギリシャ、スペインで
50万ユーロ以上の不動産を購入することで
投資ビザを取得する手もある。

これは上記三国に限った制度ではなく、
ラトビアはもっと価格を下げた同様の制度があるし、
ハンガリーだと25万ユーロ以上特別国債を買うと
投資永住権がもらえる制度も。

ハンガリーの永住権で25万ユーロ、
しかも払いきりではなく国債への投資なら
十分理にかなった金額。

世界的な永住権の価格として見て格安の部類。

まして、ヨーロッパの他の国にも
自由に行き来したり、住めたりすることを考えれば
圧倒的にコストが安く感じる。


マレーシ・マイセカンドホームを捨てて、
ハンガリーの投資永住権を手に入れるほうが
メリットが大きいと考えられる。

しかし、それをしていない理由は何か?

ここで情報の少なさが出てくる。

中国人やロシア人と違い、
日本人はヨーロッパのマイナーな国で
投資ビザを獲得しようという姿勢がほとんどない。

海外移住しようとする場合も、
対象は東南アジアやアメリカ、オーストラリア等。

そのため、ハンガリーで投資永住権を取る場合、
日本語でまともなレベルのサポートをできそうな業者が存在しない。

顕在顧客がほとんど存在せず、
潜在顧客も冷やかしの層ならともかく、
実際に資金と行動力を持っている人となると
年間に数人単位しか出てこないであろうことを考えると
ビジネスとして取得サポートは成り立たないだろう。


しかも、この制度は歴史が浅く、
ヨーロッパの経済危機が発端で設立されている。

外貨を呼び込むための施策であり、
未来永劫続くわけでもない。

唐突に新規募集が打ち切られることもあり、
今後も情報が不足することが予想される。


そうなると、取得費用の問題ではなく、
取得や維持に要する情報不足を埋めるための労力が理由で
様子見が続いてしまっている。

フィリピンやマレーシアのように
サポート業者が充実していれば取りたいのだが・・・。



ビザの壁、冬の寒さの問題、
本格的に住まなくても90日までは
連続で滞在できるという事情。

こうしたことが、ヨーロッパに移住しなかった理由。

しかも半年以内に90日まで滞在可能なので、
頑張れば年間で180日いられる。

そう考えると、
なかなか悩ましいところになる。

とは言え、ヨーロッパのどこかでビザが取れれば
複数の国にまたがって住めるという大きなメリットもあり、
今後も情報収集と検討は続けていきたい。

そして、来年も相変わらず
滞在期限をめいいっぱい使った旅を予定している。


海外に移住するのは本当に難しいのか?


日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。

同時に、

「英語が苦手で・・・」

「海外での部屋選びで失敗しないか不安」

「他の国での生活を想像できない」

「下見で何を確認したらいいか分からない」

「移住後の仕事やお金が問題」

等々の様々な不安や悩みも耳にする。

そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
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