ニュージーランド移住者にインタビュー【住環境・教育・賃金・物価】

クライストチャーチの公園
ニュージーランド移住は今後の可能性の1つとして考えている。

現在はフィリピン在住だが、今後も世界各地に住んでみる予定。

そこで、ニュージーランド、クライストチャーチ在住のラッキーさんに話を聞くことができた。

以下はその時の書き起こし。


伊田:こんにちは。本日はニュージーランドに移住して生活しているラッキーさんに海外生活について伺っていきたいと思います。それではラッキーさんお願いします。

ラッキー:はい。宜しくお願いします。

伊田:ただ今ニュージーランドにお住まいということなんですが、どのあたりにお住まいなんでしょうか。

ラッキー:はい、現在はですね、クライストチャーチという町に移住して住んでいます。数年前にちょうど日本に震災があって、ちょっと前にこちらでも大きな地震があったので、名前を聞かれたことがあるかもしれませんけれども、クライストチャーチはニュージーランドで2番目の大きさの都市で、南の島にあります。

伊田:南半球なので日本とはちょうど気候が真逆になる形ですね。

ラッキー:そういうことになりますね。今はちょうど11月ですから、これからこちらは暖かくなっていく、夏に向かっていく状況です。慣れるまでは変な感じはしたんですけど、南半球にありますから、ちょうど日本とは全く逆になります。


クライストチャーチ移住のきっかけ

伊田:ラッキーさんのニュージーランド移住が震災前ということなんですが、どのようなきっかけで海外移住をされたんでしょうか。

ラッキー:まず最初に思いついたのは、英語の勉強がしたいということがまず第一で、クライストチャーチに初めて来たのが25歳のときでしたから、年齢的にも、こう、ひとつ大きな動きをして、新しいチャレンジをしてみたいということがきっかけで最初にこちらに来たのが始まりですね。

伊田:ラッキーさんはご家族と一緒に、ニュージーランドに移住されてきたということなんですが、お子さんもいらっしゃるんですか。

ラッキー:はい、一人います。クライストチャーチに来てから生まれたんですけれどもね。つい最近、10歳になった男の子が一人います。最初に移住してきた時は僕一人で来たんですね。僕一人で学生として来て、そのあと結婚をして、二人でこちらに住むようになって、こちらで子供が生まれたと、そういった流れになりますね。

伊田:いつ頃、移住されたんですか?

ラッキー:はい、ニュージーランドに移住してきたのはですね、ずいぶん前になるんですね。僕が最初にクライストチャーチに来たのは、2000年ですかね。ずいぶんこちらに来て長くなりますね。2000年に来て、今までずっとこちらに住んでいます。


ニュージーランドの教育制度

伊田:お子様の教育環境とか学校のことをちょっと伺いたいんですが。

ラッキー:はい。うちはちょっと特殊な例というのか、こちらのですね、公立学校ではなくてクリスチャン系の学校に通わせています。システムでいえば、半分公立で半分私立みたいな感じなんです。やっぱり自分で入学を希望して、ある程度の書類の審査を通って、受け入れてもらうという、そんな形のクリスチャン系の学校に通わせています。

伊田:日本のように、例えば6年3年3年と、小中高のようになるんですか。

ラッキー:こちらではですね、若干通う年数は違いますけども、基本的にはそうですね。日本と同じように小学部があって、中学校は抜けるような形なのかな。

小中がだいたい一緒ぐらいなって、そもそも小学校が始まるのが日本の6歳と違ってニュージーランドでは5歳から始まりますから、小学校にいる時間が長いんですね。そのまんま小学校に10年いることになるのかな。そのまま、高校に上がっていくと。

うちの学校は高校部門もありますから、違うキャンパスにそのまま、エスカレータ式で入学ができるシステムですね。

伊田:そうしますと、お子さんの教育では、英語を使っていらっしゃるということですよね。

ラッキー:基本的に毎日通っている学校では、そうですね。ニュージーランドの地元の学校ですから英語で話してます。

それとプラスしてこちらに住んでいる日本人の家族のために土曜日の午後に、移住してからも日本語の補習校という、日本の教育の機関がちゃんと公式の学校を設けてくれていますので、そちらにも通わせています。日本語がおろそかになってしまう部分、特に読み書きですね、あとは日本の文化について家庭で若干フォローしながら、日本語の学校も行かせてます。

ちょっと大変ですけどね、子供にとっては。

伊田:クライストチャートは日本人も他に多く住んでいらっしゃる町ということなんですね。

ラッキー:そうですね、地震の後になって、どれくらい数が変わったかはちょっとわからないですけれども、地震の前は一時期そうだな、4000人ぐらい暮らしてました。永住している方はだいたい4000人ぐらいいるという、結構大きめのコミュニティはあったんですけど。今はそれほど数は変わらないんじゃないかという感じはしますけれども。


移住のための手続き

伊田:それではですね、ニュージーランドへの移住までの経緯というか、手続き等伺いたいんですが。日本でやったことと、現地で、例えばビザの申請ですとか、何をしたかということをご説明をお願いします。

ラッキー:はい、わかりました。一番最初にクライストチャーチに行こうとした時に、当時はまだ移住までは考えていなかったものですから、最初はまず語学学生としてきました。

まずは日本の留学エージェントのところにお願いをして、語学学校の手配ですね。それとホームステイ先の手配。あとは、ニュージーランドの銀行口座の開設ですとか、それが主です。それとプラスして現地でなにかあった時のために、連絡先となって下さる方の紹介をしていただいたりしたのが一番最初に日本で行ったことですね。

それで、ニュージーランドに来まして、英語の学校に行きまして、すべて終わって、できればこちらに永住したいなと思ったときに、まず最初に行ったのは仕事を見つけることです。仕事は基本的には、当時はおみやげ屋さんで日本人であることを活かして仕事を得たわけですけれども、そこで初めてビザの申請が出てきます。

ビザの申請はまず、お店の雇い主の方に手紙を書いてもらって、簡単に言ってしまえば僕のことをイミグレーション、移民局の方に紹介していただくと。この人を雇いたいから、ビザをおろして下さいという旨を、紹介文を書いてもらって、それを僕がニュージーランドのイミグレーションに持って行って、必要書類を記入して、提出し受け入れられたらビザが発行されるという形式となります。長くなってしまうんですけどもね。

この後にまた永住権を取る際にはまたそれとは別な手続きが必要でして、まずはもう一度勤務先から、今、必要で働いてもらっていますという、もう一回勤務内容の書類を出してもらったうえで、あとはこちら側が求められているいろいろ書類があるんですね。

日本の無犯罪証明書を警察署から発行してもらったりだとか、あとは大学を出た証明を出したりだとか、あとは、そうですね、銀行の預金額まで提出しなければいけなかったですね。

自分でサポートできるだけのお金がニュージーランドにあるのかっていうのも証明しなくてはいけなかったです。あとは健康診断も所定のお医者さんところで受けて、健康診断書も提出しなければいけませんでした。

伊田:そうしますと、最初は就労ビザを取っていたんですね。

ラッキー:最初は就労ビザから入りましたね。僕は今、ニュージーランドの永住権を取ったので就労ビザは必要ないんですけれども。基本的には一般的にニュージーランドへ移住をしようと考える際は、まず最初にそうですね。今おっしゃったように、仕事場で雇ってもらってるところで働くための就労ビザが、まず最初に必要になってきます。

伊田:そうしますと国によっては、たとえば5年とか10年住んでいると永住権がもらえるとか、そういった条件もあるようなんですが、ニュージーランドの場合は、永住権を得るまでの期間とか条件は何か所定のものがあるんでしょうか。

ラッキー:ニュージーランドの場合はですね、とくに何年間いたから、自動的に永住権取得というわけにはいかないんですね。まず就労ビザは基本的には2年ごとに更新をしていく形になります。

それは別に期限はないですから、2年ごとに更新しながら20年住む方もいれば、30年住む方もいらっしゃるでしょうけども、やっぱりそれだけ長く住むようになってくると、どうしても今度は永住権の方が楽ですからね、仕事もいろいろ選べますから、みなさん永住権の方に移るんですけども。永住権をとる時も、必要最低条件というのはやはり今、お話したように自分の仕事ですよね。

仕事の内容が現地のニュージーランド人にはできない特殊な業種であることが、まず大前提になります。

どういうことかというと、日本人ですと、まず、だいたいは日本語を使ったお仕事ですよね。観光業とか、ツアーガイドだったりとか、日本人が経営するおみやげ屋で働くから日本語でコミュニケーションとらなきゃいけないので、ニュージーランドの人にはできないということだったり、あとは日本食のレストランも一般的ですね。

日本の文化・食文化が密接に関連していて、お客さんも日本人が多い所で日本人でなければ勤まらないということを前面に押し出して、と言ったら変ですけれども、それをニュージーランドの移民局の方に伝えて、あとは移民局から提出を要請される書類をしっかりと期限以内に出しておけば、だいたいの最初の第一歩はクリアかなといった感じなんですけど。

伊田:なるほど。ちなみに今のお仕事はそのおみやげ屋さんで働いてるということでしょうか。

ラッキー:いや、これは変な話なんですけれども、クライストチャーチのおみやげ屋さんで働いていたのは、はっきり言ってしまえば永住権をもらえるまで、そこで働くしかなかったので、働いていたんですけども。

永住権をいったんそこでもらえますと、別に仕事の内容も問われなくなってしまいますね。これもまあ、おかしな話なんですけれども。ですから、永住権をもらったときに、おみやげ屋さんの方はやめて、日本で僕はサービス業で、というかホテルで働いていたものですから、今度は接客関係でこちらの地元のコーヒー関係のカフェの運営に携わる仕事をしています。


賃金や物価、働き方について

伊田:永住権を取ってしまえば、もう仕事の制限はないわけですね。そうしますと、例えばニュージーランドの物価とか賃金水準というのは日本と比べると高いとか低いとか、どのようになっているのでしょうか

ラッキー:そうですね。単純比較はなかなか難しいんですけれども。これもまた僕が移住してきた当時ですね、10年くらい前は感覚的には日本円を持ってくれば、物価は日本の半分くらいはあったかなという感じがして、ずいぶん安いなという印象を受けていたんですけども。

ニュージーランド国内の経済もここ数年急成長してきましたし、物価が上がってきているのは日本だけでなくてどの国も一緒のようで、最近ではそうですね、物価全体は日本と変わらないか、若干安いかなという感じはしますけれども。

クライストチャーチの賃金に関して、やはり日本でもらうのと比べれば少ないですけれども、その分、物価が若干安いという面もありますから、収入と支出のバランスはそれほど崩れていないかなという感じはしますね。

伊田:ちなみにオーストラリアと比較した場合はだいたい同じくらいになるんでしょうか。

ラッキー:これはね、おもしろいですね。オーストラリアと比較するとやはり賃金の面ではオーストラリアの方が高いですよね。それはやっぱり、ニュージーランド国内でも問題になっているんですけれども。例えば道路工事のような肉体労働なんかの場合は、オーストラリアに行った方が断然、賃金がもらえるそうなんですね。

ですから、やっぱりみんな流れていってしまうですよ。肉体労働だけでなくて、ちょっとでも専門的な資格を持っていたりすると、それだけでもやっぱり賃金が上がるみたいですからね。どうしてもニュージーランドからオーストラリアに人材が流出してしまっているというのは大きな問題になっています。

伊田:なるほど。やはり、オーストラリアの方が収入の水準は高いわけですね。お仕事は今コーヒー関係のお仕事をされているということなんですが、それ以外、例えば仕事の面とか、あるいは普段の生活の面で、日本とニュージーランドでここが違うというカルチャーショックですとか、こんなところに驚いたというようなことがあったら、ちょっと伺いたいと思いますが、なにかそういったことはあるでしょうか。

ラッキー:はい、そうですね。まず、文化全般としてはやはり日本に比べて、ニュージーランド人はフレンドリーだっていうか、みんなこう、ギスギスしていないというかね。日本人であっても誰であっても、和気あいあいと接してくれる傾向にあるのは、僕だけではなくて、やはり日本から来られる方は最初にびっくりするんですよね。

なんでこんなにフレンドリーで優しいんだろうなっていうのは、いい意味で驚きなんですけれども。フレンドリーであるということはいい面と悪い面が両方当然ありまして。

そうやって人と馴染みになるのは割と時間はかからないんですけれども、例えば職場での関係だったら、上司であろうが、1年目のペーペーであろうが、良くも悪くも同じ目線で話せたりするんですよね。ですから、下にいる人間としてはやりやすいかもしれないですけれども、上にいる人間の指示を必ずしも聞かないというか。

日本にいたら、上の指示は聞くのが絶対というかね、ある意味ね、そういう文化はできていると思うんですけど。日本の感覚で行くと、ニュージーランドではなかなかそういったトップダウンの意思の疎通が伝わりにくくてイライラする場面もありますけれども、それはこの国の文化なのかなと思って、うまいことやるようにはするようにはしていますけれども、何事でも平等でイーブンでそれでいてフレンドリーだっていうのが、一番大きな特徴じゃないかなとは思います。

伊田:例えば職場の同僚の人と飲みにいったりとか、プライベートもお付き合いする習慣というか文化はあるんでしょうか。

ラッキー:クライストチャーチで働いていておりますけど、日本ほどではないかもしれないですね。日本だったら、やっぱりサラリーマンの方は仕事終わったらみんなで飲みに行って、まあ飲みニケーションなんて言葉もあるなんて聞いたことはありますけども。

そこで仕事の話をしたり、交流を深めて仕事をやりやすくするというのは一般的だとは思うんですけれども、ニュージーランドではそこまで仕事と直結しているのではなくて、終わった後、近所のバーにいって1杯2杯飲んで帰ろうかぐらいのところですけども、これは日本と違って行きたくなければ別に無理矢理行く必要もないですし、あくまでもさっき言ったように友達感覚で職場の仲間同士で1杯楽しくやろうよというのはありますね。

伊田:ニュージーランドの人の働き方というか仕事の意識なんですが、これってやっぱり日本人と比べて、例えば、あまりきびきびと動かないとか。私自身はマレーシアに移住して、マレーシアの人が日本人並みに働いているのかというと、かなりそうではない部分があるのですが、ニュージーランドの人って実際見てて、どうなんでしょうか。

ラッキー:ここらへんはやっぱり、おっしゃるようにニュージーランド人の一般的な仕事に対する姿勢は、申し訳ないけど、日本人には遠く及ばない感じは、やっぱりありますよね。家庭が一番というか。

仕事はとっとと終わらせて、空き時間に何をしようかっていうのに楽しみを持っているような文化ですから、それはもう慣れてしまえばそういうもんだろうなと思って、悪く言うつもりはないですけれども、やっぱり日本人の仕事に対する意識ですとか、姿勢だとか、それに費やすエネルギーっていうのはやっぱりニュージーランドにくらべて、日本人の方がやっぱり格段にそれは上だなと思うと。それは日本人として僕はある意味誇りに思っている部分でもあるんですけれどもね。


クライストチャーチの住環境の魅力

伊田:なるほど。やっぱり、ニュージーランドの人も、マレーシア人と仕事についてはかなり同じような状況ということですね。ちなみにクライストチャーチは例えばビーチがあるとか、スキー場があるとか、そういったアクティビティというか、近くに遊ぶ場所というか、そういったところはあるんでしょうか。

ラッキー:はい、クライストチャーチ移住の一番の魅力はここにあると思うんですね。市の中心部から車でそうですね、30分以内でニューブライトンというきれいなビーチに出ますし、反対方向に車を走らせれば、だいたい2時間弱ぐらいで、南の島で一番大きい国際的なスキー場にも行けますし。

あとはそうですね。車を運転して2時間圏内で大きな川に行けたり、温泉があったり、アーサーズ・パス国立公園やちょっとした温泉リゾート地があったりですとか、あとは、羊のファーム、のどかなほんとに絵葉書に出てくるようなのどかな風景にもすぐに行くことができますから。

簡単にそういうところにアクセスができるのは、クライストチャーチの一番の魅力で、やっぱり観光客の方もそこが魅力でよく来られるんじゃないかなと思います。

伊田:なるほど、そうするとかなり住みやすい街と言えそうですね。ちなみにクライストチャーチの市内を移動する方法は、やはり自家用車ですとか、バス・タクシーが中心になるんでしょうか。あるいは電車なども走ってるんでしょうか。

ラッキー:はい、電車はですね、これはほとんど貨物専門でして。あとは朝一本だけ、観光客用にアトラクションみたいな感じで出てるだけですから、電車はほとんどないと考えていいですね。あとは、バスですけれども、バスも結構はりめぐらされてはいるんですけれども、時間通りに来なかったりというのもあって、あまり広く利用はされていないんですね。

となるとやっぱり自家用車での移動が一番一般的かと。あとはニュージーランド人は自転車が好きなんですね。日本でいうロードバイクっていうのかな。スピードが出るやつですね、それで普通に幹線道路とかばんばん飛ばしてですね、みんな、会社に通勤してたりとかしますから、自転車か自家用車に乗っての移動が一般的です。

伊田:ニュージーランドも自転車が盛んなんですね。マレーシアだと自転車はほとんど走っていないですね。道が車中心になっているので、自転車が走っているとそもそも危険なので、私は移住してきたときに不動産屋から止められました。


子供は国籍・永住権も

クライストチャーチが住みやすいのはお話を聞いていて感じますね。今はご結婚されて、お子さんもいらっしゃるということなんですが、奥さんは日本人の方でなんしょうか。それとも、現地でお知り合いになった方でしょうか。

ラッキー:日本人です。知り合ったのは、僕がこちらに来るちょっと前だったんですけど、勝手な理由で僕が先にニュージーランドに行って、勉強してくるからと言ってですね、そのあと、もしよかったら来てみないかということでこっちに呼んで、来てみたら気に入ってくれて、一緒に移住して住んでみようかというので今に至ってるんですけども。

やっぱり大変だったと思いますよ。僕は好きでクライストチャーチに来てるんですけども、向こうにしてみれば、最初に来たくて来たわけではないですからね。それから言葉の問題とかね、そういうのもいろいろあったと思うんですけどれも。頑張ってここまで来てくれてるなとは思います。

伊田:理解のある奥さんですね。お子さんが生まれたのがクライストチャーチということなんですが、ニュージーランドの場合は、例えば日本人夫婦の子供がニュージーランドで生まれた場合も、やっぱりニュージーランドの国籍を取れるんですか?

ラッキー:取れるんです、これは。今18歳になるまでは、まあ俗に言う二重国籍を事実上持てる感じになってるんですね。今、うちの子供は日本のパスポートとニュージーランドのパスポート、両方合法的に持つことができるんです。ただし、たしか18,19そのあたりになると、どちらか一個を選ばなくていけないんですね。

ということは、ニュージーランドのパスポートを選ぶことになると、当然日本の国籍は失うわけですし、でもそのかわり、日本の国籍を選んでも、彼はここで生まれてますから自動的に永住権はあたえられますので、普通に生活する分には日本のパスポートを持ったままでニュージーランドの永住権をそこに貼り付けてもらうのが一番一般的じゃないかなとは思います。

伊田:二重国籍ができるということですが、極端な話、ニュージーランドへの本格的な移住ということではなくて、ビザも永住権もない両親が一時的にニュージーランドに行って子供を産んだ場合でも、18歳くらいまで国籍を二重にして、その後日本国籍を選んだら永住権を取ることも可能なんですか。

ラッキー:そこはどうなんでしょうかね。普通に考えれば、可能ですけどもね。それでね、一時期、問題になったんですよね。なんでかというと、今おっしゃったように、日本から例えば出産ツアーみたいな感じで、ニュージーランドに縁もゆかりもないような夫婦がいきなりニュージーランドに来てですね、身重の奥さんを連れて。

それでこちらで子供を産んで、帰るわけですよね。そうすると子供自体は、ニュージーランドで生まれた記録が残ってますから、その子には当然のごとく永住権の権利は与えられてるわけです。それに便乗する形で、両親が後々、永住権をくっつけてもらって、あわよくば簡単に移住というのが問題になったことがあるんですよね。

ですから、今はそういうのは、法律で禁止されるような仕組みになってるんじゃないかなと思うんですけれども。ここはごめんなさい。定かではないんですけれど、このエリアに関しては厳しくなってるのは確かだと思います。

伊田:一時期カナダでも同じようなことが問題になってたみたいですね。やはり永住権は価値が高いのを私自身も感じていて、実際海外に出てみると、勝手に住みついていい国は非常に少ないですよね。

かといってじゃあビザがとれるかというと、就労ビザを取らない限りはなかなか取れないとか。あと50歳以上になるとリタイアメントビザ、退職者ビザがとれる国が増えるんですが、逆にいうと、50歳未満で現地就労しない限りはなかなかビザもとれない、永住権も取れない、という国が多いので、そういった意味では永住権がとれるというのは、方法によるとは思うんですが、可能であれば熱いなとは感じますね。

もうすでに移住してから10年以上ニュージーランドに住まれているということなんですが、今後もクライストチャーチに当分住み続ける予定なんでしょうか。

ラッキー:そうですね、今のところは動くつもりはないんですけれども、その一番の理由としてはね、子供の教育がありますから。今すごく学校になじんでいて、よくやってますから。楽しくやってますし、成績も悪い方ではないので、できれば今のこの流れを保って、ある程度、高校終わるぐらいまではこのままクライストチャーチの学校に行かせてあげたいなというのはありますね。

あとは、僕の仕事次第ですかね。もう、前は日本には全く帰るつもりはなかったんですけれども、最近は機会があれば、新しい仕事があれば、コーヒーはね、世界中でいろんな形で携わることができる業界ですから。日本にも、いくつか知り合いの方もいますしね。そういうのも頼りながら、無理はしないで、なにかいいお話があれば、日本に帰るなり、ニュージーランドに残るなり決めていければいいかなと。

あとはそうですね、今コーヒーは韓国だったり、シンガポールだったり、アジアの他の国でもすごい急速に伸びている業界ですから、もしそちらの方でも、ニュージーランドの企業が進出したりとか、日本の企業が進出したりとかで何か手助けができるようなことがあれば、そちらも考え、英語圏であれば慣れてますから、それほど、苦もなく行けるので、なるべく柔軟に対応していこうとは思ってます。とは言え、基本的には、今のところはクライストチャーチで暮らしていくつもりでいます。

伊田:ニュージーランドというと、シルバーステイというか、老後の移住先としても人気ですので、やはり、それだけ住みやすい国ということですよね。

ラッキー:そうですね。日本からもそういう形で移住して来る年配の方々いっぱいいらっしゃいます。住む環境としては、まず空気がきれいとかね、国土は小さな国なんですけども、そういうのもありますし。ただ、冬の寒さがクライストチャーチは若干日本の冬に比べて、厳しいかな。これは僕が東京出身なんで、あくまで東京を比較対象にしてるんですけど、北海道になると同じくらいかなと思うんですけれども。

それに比べるとクライストチャーチは若干寒さが厳しい分、それさえなければ、暮らしやすさはほんとにいいんだけどな、という感じはしますけれども。全体的に見て、そうですね。食事もおいしいですし、老後に移住してくる方が多いのも納得できるくらいの住みやすさです。

移住者にもやさしい食生活

伊田:日本食レストランもあるという話だったんですが、ニュージーランドは、例えばイタリアンだとかフレンチだとか西洋料理に関しても充実しているということですよね。

ラッキー:はい、ニュージーランドは移民の多い国ですから。イタリアから移住して来る人もいれば、スペインから来る人もいますし、中国とか韓国とか他のアジア圏の方からの移住も多いです。そうなるとやっぱりアジアの食事も多いですよね。日本食含めてアジアの食事はニュージーランドの人にもすごい人気ですから、あちこちにチャイニーズレストランなんかはあるんですね。

それに加えて、ピザ屋があったりとかパスタ、スパゲティ屋があったりとか、メキシカンがあったりとか、ちょくちょくと多国籍の食事は取ることができます。ニュージーランドの人もそうですから、慣れてるんですよね。変な話、ニュージーランドのオリジナルの料理が何かって言ったら、そんな誇れるようなものはないんですよね。

イギリス系ですから、フィッシュアンドチップスっていって、ポテトのフライと魚のフライぐらいしかなくて、あとはもう、海外の他の国から入ってきている食事を、こっちの人は積極的に好んで食べてますね。お寿司とかもみんな大好きですからね。

伊田:ニュージーランドというと、サーモンなんかもおいしいんですかね。

ラッキー:サーモンは好きですね、こっちの人はね。おもしろいなと思うのは、日本みたいに海にかこまれているのに、シーフードは日本人ほど食べないんですけど、サーモンだけはよく食べますよね。

サーモンを養殖してるところは非常に多くて、お店に並ぶのも半分以上は養殖ものなんですけども、それでもやっぱりね、水の質がいいからなのか、おいしいですよね。

それでやっぱり、日本に比べてホールサーモン、1匹どかんと買ってもやっぱり安いですよね。さばける人がいれば、それを刺身で食べたりだとか、あとは、こっちの人は刺身は自分でできないからグリルしてね、バーベキューグリルをして食べるのが多いですかね。

伊田:サーモン一匹はすごいですね。やっぱり移住に関してはご飯がおいしいかどうかっていうのは、長期的に住んでいくと、だんだん大事になってくると思うんですけど、ニュージーランドはそこの点も問題なくて住みやすそうだし、永住権があると頼りになりますよね。本日はありがとうございました。

ラッキー:はい。ありがとうございました。


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