2015年の頭あたりからHSBC香港の審査が非常に厳しくなっていて、新規の口座開設の際に、英語または中国語を話せないと、断られることが多くなってきていた。
これは、2015年に始まったことではなくて、これまでも過去に何度か同様の通達が銀行内で出され、一時的にチェックが厳しくなってはなし崩し的に緩くなっていくことを繰り返していた。
まさに波のようなもので、タイミングによって口座開設の審査の厳しさは推移してきている。
今回についても同様の傾向があって、もうすでに今の段階において、かつてのようなHSBC香港側の口座開設に対する審査の厳しさはなくなりつつあると聞いた。
先日東京に一時帰国した際に会った人の中にも、審査が厳しかった3月に無事に口座を開けた人もいたし、準備をしっかりしていくか、もしくは語学力があるのであれば、今でもそれほど難しいことではない。
しかしながら、今後こういったグダグダなパターン化した波が継続するのか、それともHSBC香港側が本腰を入れて語学力のない外国人を排除しにくるかは、何とも言えないところ。
事実、既存の口座保有者に対して、予告なしに電話をかけてきて語学力を試し、そこに問題があったら口座を凍結するという事例も報告されている。
そういったことを考えると、HSBC香港側も徐々に本気度を増してきていると感じている。
審査が厳しくなる背景
日本人の感覚からすると、銀行口座を開設することはお金をかけずにできることだし、銀行側にとっても特にデメリットはなさそうに感じる。
むしろ預金者を集めることの方が重要ではないかと思うが、そうとも言えない事情が存在しているからこそ、HSBC香港側も審査を設けている。
ではその事情とは、どういったものかというと、まずHSBC香港の場合、プレミアとアドバンス、そしてパーソナルインテグレーテッドという3つの種類の口座がある。
パーソナルインテグレーテッドは、以前にはスマートバンテージと呼ばれていたもの。
これらはそれぞれに、最低預金額とそれを下回った場合の口座維持管理手数料がかかる。
例えば、プレミアの口座の場合であれば、最低預金額が100万香港ドルで、それを下回った場合の口座維持管理手数料は月々380香港ドル。
これがアドバンスになると、20万香港ドルの最低預金額と、それを預金額が下回った場合には、毎月120香港ドルの口座維持管理手数料がかかり、パーソナルインテグレーテッドだと、もっともハードルが低く、最低預金額は1万香港ドル、口座維持管理手数料は60香港ドル。
つまり、最低預金額を下回っている場合、毎月の口座維持管理手数料がかかることによって、どんどん口座からお金が引き落とされていく。
そして、この金額がマイナスになってしまい、ある一定額までいくと口座閉鎖ということになるのだが、こういった処理の手間は銀行側にとっても負担になる。
多くの日本人がHSBC香港の口座開設を皮切りに、海外投資をしたり、あるいは海外で資産を運用したりしようとするものの、そのまま放置して使いこなすことなく終わってしまっている現実があり、それをHSBC香港側も危惧している。
こういったことがあるので、せめて連絡がちゃんと取れる人を確保しようということで、HSBC香港側も審査を厳格に行う時期を設けている。
銀行の上層部がどこまでも本気度なのかはわからないし、揺さぶりをかける程度のつもりなのか、あるいは本気で取り組んでいるのに現場がうやむやにしてしまうので短期的な対策にしかならないのか、その点は不明だが、いつまでも今の審査基準が続くと確信できる理由は何一つない。
そう考えると、早い段階で口座を持っておくのは、重要な対策となる。
なお、口座開設のサポートをしているプロの話によると、口座の残高が2000香港ドルぐらいの借越しになってくると閉鎖されることが増えているらしいので、せっかく口座を開設し保有しているのであれば、残高について確認しておくことで、凍結や閉鎖といった結果は避けたいところ。
支店によるばらつき
1000件以上のHSBC香港の口座開設サポートをしてきた知人によると、比較的審査がゆるい支店があっても、ある時期を境に急に厳しくなったり、逆に厳格だった支店がいつの間にか甘くなったりすることは日常茶飯事で、常に流動的だと言う。本社からの通達や監査等によって、あまりにもゆるかった支店は引き締めを余儀なくされることもあるし、一方で行員としては営業成績のためにも口座開設を盛んに行いたい。
つまり、現場レベルでは審査基準を下げる方向に動機づけが働いている状態。
そのため、こうした流動的な状況において古い情報を元に行動すること自体がリスクになるという話だった。
大きな流れとしてみると、HSBC香港の口座開設について審査基準は厳しくなっている。ただ、時期ごとにトレンドはあり、甘くなる時期も確実に存在する。
香港への渡航をムダにしないためには、最新情報を仕入れることは必須と考えた方がいいし、航空券代をムダにしないためにもプロのサポートを受けるのは合理的な判断だろう。
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