HSBC香港で口座開設をするメリットについては、
海外投資をしている人の多くが知っている通り。
一応改めて書いておくと、
・各国への送金が便利
・両替手数料が安い
・日本や他の国のATMで現金を引き出せる
・世界中に支店がある
・格付けが高く、世界的に見ても信頼のある銀行
といったメリットが挙げられる。
私自身、現在メインで使っている銀行がHSBC香港で、
ここから必要に応じて各国での投資案件の支払い等のために
送金を行っている。
ネットバンキングのみで海外送金が完了するのは、
日本の銀行から国外にお金を出す場合に比べて圧倒的に楽。
何しろ日本の銀行の場合、
わざわざ窓口に行って、時には根掘り葉掘り理由を聞かれ、
投資の契約書等を提示しなければいけないことも。
銀行によってはそこら辺がスルーだったり、
月に300万円程度なら日本から海外に
ネット上の操作のみで送金することもできるが、
投資家でも苦労している人は多い。
しかし、HSBC香港の口座開設をして
そこに資金を集中させてしまえば、
このようなストレスから解放される。
また、口座内での両替手数料が安いため、
外貨を保有する際にも有利。
私も円のままでいったん送金し、
ネットバンキングの両替機能で米ドルや香港ドル、ユーロに
両替して余剰資金を保有している。
これによって資産が円のみに集中することによる
為替リスクを回避できる。
HSBC香港の場合、
マルチカレンシーが標準装備となっているため、
最初から11種類の通貨を保有できる。
これはかなり特殊な話で、
他の国でHSBCの口座を開設しても
特別な手続きをしないと開設した国以外の通貨は
保有することができない。
なお、HSBC香港が対応している11種類の通貨は以下のとおり。
USD(アメリカドル)
EUR(ユーロ)
HKD(香港ドル)
GBP(イギリスポンド)
CAD(カナダドル)
AUD(オーストラリアドル)
JPY(日本円)
NZD(ニュージーランドドル)
SGD(シンガポールドル)
CHF(スイスフラン)
RMB(人民元)
THB(タイバーツ)
基軸通貨であるドルはもちろん、
ユーロやポンド、円、人民元といった主要通貨は
一通り押さえられている。
東南アジアの中では、
シンガポールドルとタイ・バーツのみが入っており、
マレーシア・リンギットやフィリピン・ペソ、
インドネシアルピア等は含まれていない。
現状、HSBCは80以上の国に展開しており、
支店数は7200以上という。
顧客の数は9,000万人、総資産2兆5,560億米ドルと
世界を見渡しても屈指の銀行となっている。
TheBankerの世界格付けでトップを飾ったことも。
世界的に見ると、
三菱東京UFJや三井住友、みずほ、ゆうちょ銀行等の
日本のメガバンクよりも格付けが上。
なお、HSBCは
The Hongkong and Shanghai Banking Corporationの略で
日本語に訳すと香港上海銀行となるが、
イギリスの銀行であり、ロンドンに本部を持つ
1865年に設立された老舗銀行。
便利で信頼度も高いとなれば、
使わない手はない。
ということで、HSBCの口座開設のため、香港に飛んだ。
口座開設当日に起こった問題
英語が片言であるのと、
開設後に問題が起きた時のサポートを受けるため、
当日はサポート会社の人に付いてもらった。
と言っても、この日の費用は0円。
長期積立投資の契約の特典として
HSBC香港の口座開設サポートをしてもらえたため、
無料で手伝ってもらえた。
当日は金鐘(アドミラルティ)駅で
サポート会社の社長、
アドバンスの口座開設をするご夫婦と合流して銀行へ。
社長がパイプを持っている担当者のいる支店に向かう途中、
ホテルのロビーにて説明を受けた。
HSBCの口座開設だけではなく
長期積立ファンドの契約もあったので、
それも含めて。
それから支店に到着し、
担当者とのやり取りが始まった。
あまりなまりのない英語なので聞き取りやすく、
ところどころよく分からないところは
サポート会社の社長に確認しながら進めていた。
その時にふと気づいた。
iPhoneがないと。
カバンの中をゴソゴソあさり始めたが、
どうも見つからない。
少し席を外す旨を告げ、
先ほどのホテルのロビーまで急ぎ足で戻った。
座っていたソファーに駆け寄るが、当然ない。
ここで落としたのだとしても、
海外で落し物が戻ってくる確率は絶望的。
ひょっとしたら見落としているだけで
カバンのどこかにまぎれているかもしれないと
わずかな希望を残しながら銀行に戻ろうとしたら、
レセプションのスタッフに声をかけられた。
どうもiPhoneを拾ってくれていたらしい。
私のものであることを証明するため、
電話をかけるので番号を教えてくれと言われた。
あいにく、私のSIMは香港では通話できないことを伝えると、
写真があるかと聞かれた。
それを見て確認するらしい。
パスコードを入力してロックを外し、
どんな写真があるかを伝えて納得してもらえた。
落としたiPhoneが戻ってくるという
まさかの展開に意気揚々と銀行へ戻ると、
手続きはとどこおりなく進んでいた。
リスク耐性や条件の確認の録音もまだだったため、
サポート会社の社長がやり取りを進めてくれていた。
ほっとしながら口座開設の席に戻り、
HSBCの担当者と10分ほど話した後、
無事に完了した。
ATMで認証も済ませ、無事にプレミアの口座開設が終了した。
HSBCは日本人を拒んでいる?
私がHSBC香港の口座開設をしたのは、このようにゆるめの時期だった。
途中で席を外しても大丈夫な程度に。
しかし、HSBC香港は
たびたび日本人顧客の口座開設のハードルを上げてきた。
理由はもっともで、
英語も中国語もできない日本人が口座を作ったはいいが、
最低預金額すら入金せずに放置。
銀行側が電話しても言葉が通じないので意思疎通ができず、
最低預金額に至らないために毎月口座維持手数料がかかり、
最終的には残高が0になって閉鎖。
こんな事例が相次いだため。
要は活用する気もコミュニケーションを取れる語学力もない人に
口座を開設してほしくない、
というのがHSBC香港の本音。
たしかに、彼らにとってはメリットが薄い。
そんなわけで、語学力に重点を置く形で
口座開設の可否の判断を厳格にするという措置が
何度も取られてきた。
これはプレミア・アドバンス共通。
パーソナルインテグレーテッドは、
通常はアドバンスで最初に開設して
後日ダウングレードすることになるため、
同じく影響を受けることになる。
しかし、支店の担当者から見れば
成績を上げるために口座を開設したいわけで、
本部からの通達から時間が経過するとうやむやになることが
定例になっていた。
ただし、この流れも変化の兆しが見られる。
2015年2月から再び条件が厳格化されたが、
その後半年たっても審査がゆるくはならず、
従来に比べて厳しい期間が長く続いている。
HSBC香港としても、
イタチごっこのように同じことを繰り返す気はないのかもしれない。
そろそろ本腰を入れて顧客の選別にかかったとしても、
経緯を見れば不思議はない。
なお、HSBCは世界各国に支店があるが、
日本からは撤退している。
(ちなみにタイからも撤退済み)
海外に出ると日本人はお金持ち扱いされることが多いが、
少なくてもHSBC香港はそう思ってはいない。
すでに日本人の個人顧客を
重要なターゲット層とみなしていないのが、
世界の金融の世界の流れなのだろう。
今後、ますます状況が厳しくなることも
可能性として考えられる。
後回しにしていたら、
HSBC香港の口座を開設できなくなった、
というシナリオがあったとしてもありえない話ではない。
海外への資産分散の入り口としておすすめされることも多く、
1日に日本人だけで100人以上がHSBC香港を
口座開設のために訪れることもあるというが、
入り口は狭くなりつつある。
ここでも行動の早い人が得をし、
いつまでも動けない人が追い込まれる構図が見て取れる。
各国のHSBCと香港の比較
私は現在、香港以外にもシンガポールとマレーシア、フィリピンに
HSBCの口座を保有している。
1つの国でプレミア口座を持っていれば、
他の国には最低預金額の制限なく口座を開けるため。
アドバンスやパーソナルインテグレーテッドでは
このようなことができないため、
複数の国でHSBCを利用する場合には
プレミアを選ぶ必要がある。
逆にその予定がなければ、
アドバンスやパーソナルインテグレーテッドにしておくのも手。
途中でプレミアへのアップグレードも可能なので、
状況に応じて柔軟に対応することができる。
アメリカでも開設しようとしたが、
ビジネスビザや学生ビザがないとダメだと断られた。
他にもインドネシア、オーストラリア、イギリス、カナダ等
各国でHSBCの視点を見かけるたびに
口座を開設しようか考えていた時期もある。
しかし、実際はメリット以上に
管理が大変になるだけなのでやめた。
手元のキャッシュカードが増えれば、
それだけ盗まれたり紛失した場合に気付きづらくなる。
これまでに日本以外だとフィリピンとマレーシアで暮らしてきたが、
自宅を持たずにホテル暮らしをしている時期も長く、
多数のキャッシュカードをスーツケースに入れて
旅をするのは危険でしかない。
そんなこともあり、
必要最小限に銀行口座は絞る方針に変えた。
なお、HSBC以外にも、
マレーシアのRHBバンクやフィリピンのBDO銀行にも口座を開いたが、
これは住んでいる時に必要だったため。
その中でHSBC香港がメインバンクになっているのは、
圧倒的に使い勝手がいいから。
これは他の国のHSBCと比較しても言えること。
たとえばマルチカレンシーになっているだけでも、
他国とは違う。
マレーシアでは最初に口座内で保有できる通貨を選べたため、
現地通貨のリンギット以外に、
日本円・ドル・ユーロ・ポンドを選ぼうとした。
どうも手続きが面倒らしく、
担当者に露骨に嫌な顔をされたうえ、
本当に使う気があるのかと何度も念を押された(苦笑)。
フィリピンはネットバンキングの使い勝手が悪く、
なぜか独自のインターフェイスへと変更して
使いづらさが加速している。
余計なことをしないで
従来のままにしておけばいいのに・・・。
事務手続きに向いていないお国柄を反映して、
担当マネージャーのミスも多くてストレスを感じる。
しかもフィリピンは両替や送金に
独自の法規制をかけているため、
この点もややこしい上にお金を動かしづらい。
こういった事情のほか、
ネットバンキングによる送金の容易さ等を考えても、
やはり香港を使うのが圧倒的に便利。
結局、HSBC香港がメインとなり、
他は必要最低限の利用となっている。
サポート業者の見分け方
前述のとおり、私はHSBC香港の口座開設を自力で行わず、
サポートの人に付いてもらった。
理由は2つで、
1つ目は香港渡航をムダにしないため。
わざわざ飛行機に乗ってやって来たのに、
口座開設に失敗して無駄足に終わらせたくはない。
私がお願いした会社の場合、
支店の担当者ともパイプがあるし、
仮に1つ目の支店で断られても2つ目、3つ目と
即座に移動して再チャレンジするための動線も頭に入っている。
その結果、
通算で1,000人以上のサポートをして、
99.6%以上の成功率という。
一部の人は英文の住所証明等の
必要書類を持たずに来るため、
ちゃんと書類を用意した人に限れば
ほぼ100%になるだろう。
2015年の口座開設が厳しくなってからも、
100人以上をサポートして成功率100%だと聞いた。
2つ目はHSBC香港を活用するための
アフターサポートが充実していること。
ネットバンキングを使うにも、
操作方法が分からないことがある。
そうしたことを防ぐために
日本語のマニュアルを配布してくれるし、
分からないことがあればメールやスカイプで
サポートをしてくれる。
これには何度も助けられた。
銀行に電話する方法もあるが、
声を聞き取りづらい電話で英語のやり取りをするのは
なかなか骨が折れる作業。
やはり日本語でやり取りできるのは助かる。
しかも長期積立ファンドとセットにすることで
HSBC香港の口座開設サポートが無料だったため、
迷わずお願いすることにした。
投資仲間の間でも信頼が厚い会社だが、
開設後の付き合いも含めて理由が納得できた。
私がサポートをお願いした会社については、
メール講座の中で言及しているので、
気になる場合はこちらも参考に。
PS.
HSBCの口座開設と長期積立投資の契約を終え、
自宅に戻る途中で香港国際空港の
HSBCプレミアラウンジを利用してみた。
中にATMが設置されているので、
空港の通路のATMと違って待たずに利用できる。
さらに、コーヒーやお茶も無料で飲めたり、
専用のwifiやパソコンも用意されている。
香港国際空港にもwifiはあるが、
時間帯によっては遅くて使いものにならない。
そんな時でも、このラウンジ専用のwifiで
メールチェックをしたりすることができる。
出発の際に早めに空港に着いた際の時間つぶしに、
あるいは香港に到着して一息入れる際に
使えるのがこのラウンジ。
なお、場所はエアポート・エクスプレスの反対側、
出発ロビーに近い位置の地上階となる。
海外に移住するのは本当に難しいのか?
日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。
同時に、
「英語が苦手で・・・」
「海外での部屋選びで失敗しないか不安」
「他の国での生活を想像できない」
「下見で何を確認したらいいか分からない」
「移住後の仕事やお金が問題」
等々の様々な不安や悩みも耳にする。
そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼントすることにした。
電子書籍の目次等も掲載しているので、
プレゼントページへどうぞ。
電子書籍のプレゼントページへ