リスボンは移住先として他のヨーロッパの首都にはない魅力がある

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ポルトガルの首都リスボンには、移住環境という面で考えてみると、他のヨーロッパの主要都市には見られない強みが2つある。

ヨーロッパ各国を見てみた場合、実際に訪れてみると文化の多様性が存在することに気付くが、東南アジアや日本と比べた場合に、やはりある程度の一体感というか共通項をヨーロッパ全体が持っている側面もある。

その中でも、ポルトガルには他国にはない強みと、いくつかの国と共通する強みの両方を持っている。


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物価の安さ


例えばリスボンに移住するとしたら、そのメリットの一つとして物価の安さが挙げられる。

ポルトガルといえば経済があまり強くない国だが、そのおかげで生活費は安い。

スペインと比べても2割から3割ほど滞在費が安い印象があるし、東欧諸国、例えばポーランドやハンガリーと同程度のコストで生活することができる。

例えばビールであれば330mlの缶が40円ほどで買えるし、ワインも1本200円弱で売っていたりする。

それ以外の食料品も安いし、レストランでも立派なイワシが何匹もグリルされたプレートにマッシュポテトやライスなどの主食がのり、そこに野菜も添えられていて600円から700円程度で食べることができる。

これはリスボン特有というわけではないが、ヨーロッパの中でも特に物価の安い国の一つであるために、コストを下げながら移住できるのは大きなメリット。

リスボンのレストランの外食代や家賃であれば、バンコクあるいはクアラルンプールの一等地に住みながら外国人向けのレストランで日々食事をするのと同じくらいの生活費で暮らすことができる。


美しい街並み


基本的な生活環境が整っているうえに、風光明媚で景色も美しい。

坂が多いのは暮らし向きとしては少々不便なところではあるが、住居選びで失敗しなければ、毎日頻繁に急な坂を上る必要はないし、ケーブルカーが設置されている場所もあるので、そういったものを利用する手立てもある。

ある程度体力が落ちてきたリタイアメント層であれば、この点は少々マイナスになると思うが、まだ若いうちであればリスボンという街は坂道の不便さを補ってあまりあるだけの景観の素晴らしさを持っている。

基本的には治安もいいので、移住のための重要な要素は一通り揃っているといえるだろう。


ゴールデンビザ

不動産投資を50万ユーロ以上行うことによって、投資家ビザを得ることができるという強みもある。

こちらはゴールデンビザと呼ばれるもので基本は50万ユーロだが、都市再生の対象地域にあることや、築30年以上の物件であることを条件として35万ユーロでいいという仕組みも新しく創設され、条件が緩和されていることも大きい。

ゴールデンビザを取得し、その後永住権を獲得することもできる。


ポルトガル特有の2つの強み


リスボンに移住する場合に、他のヨーロッパ諸国の主要都市とは違う強みとは何か?

まず1つ目に関しては、冬でも温暖であること。

リスボンはヨーロッパの中でも特別緯度が低いわけではなく、南側にあるわけでもない。

確かにイギリスに比べると南側にあるが、スペインやフランスと比べれば緯度が大きく変わらない。

しかしながら、南から来る大西洋の風のおかげで冬であっても温暖で、実際クリスマスをリスボンで過ごしたことがあるが、明らかにロンドンやパリ、マドリッド、ミュンヘン等の他の都市よりも暖かな日が続いていた。

冬の寒さを嫌って東南アジアに移住する人も多いし、実際私もフィリピンやマレーシアで3年以上暮らしてきたが、寒さがない生活は楽なもの。

特に年齢を重ねてくると、膝や腰などの関節にくる人もいるので、冬の寒さが厳しくないのは朗報だろう。

基本的にヨーロッパは冬の寒さがかなりひどいので、その中にあって比較的温暖であるのは耳寄りな話。

もちろんそうはいっても、リスボンでも冬になればコートが必要になるし、周辺諸国よりは多少暖かいという程度なので、常夏の国には程遠いが、それでも随分と寒さは和らぐ。


日本に近い食文化


2つ目の点は、食文化がかなり日本に近く、特にイワシを使った料理とか、魚関係の料理については海辺の民宿に泊まっているような気持ちになる瞬間があるくらい。

下手にリスボンで高い料金を払って和食レストランに行くよりも、イワシ料理を食べたほうが何となく郷愁を感じられたりする。

米に関しても、日本の米とは違うがそれなりにおいしい米料理が普通にポルトガル料理として食べられるので、よほど長く暮らすのでなければ、その点についても大きなストレスを感じずに暮らせる。

いくらピザやパスタがおいしくても、たまには米を食べたくなるが、その場合の米というのは必ずしも日本米である必要はない。

この数年間は一年のうち約90日をヨーロッパで過ごすことにしているが、その期間も特に和食を食べたいと思うこともなく、米を食べたくなったらリゾットを食べたり、それ以外のもので代替すれば問題はなかった。

この食文化の日本との共通性というのも、ヨーロッパの中ではかなり珍しい現象。

他にも、タラの塩漬けを使ったパステス・デ・バカリャウや、あさりと豚肉のカルネ・ド・ポルコ・アレンテジャーナはSAGRESビールによく合うし、アロス・デ・マリスコスも絶品。

食べる楽しみに困ることはなかった。


冬が温暖であるということと、食が日本人の舌に合うというこの2つの強さをリスボンは持っている。

移住先として魅力的でないはずがない。

ただし、リスボンは2度目の訪問で随分と色褪せたというか、飽きてしまった部分もある。

あまり刺激の多い街ではないし、エンターテインメントが他の主要国に比べると充実はしていないので、その点は少々気がかりなところではある。


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