イギリスの永住権の無視できない問題点

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エディンバラ

イギリスの永住権を取得することによって、
ビザの条件面でいつでも住めるようになるというのは、
ある意味で間違い。

たしかに、この言葉をそのまま素直に解釈すれば
嘘というわけではない。

しかし、ちょっと裏を読んでみると、
違った事実が出てくる。

というのも、イギリスの永住権は生活の本拠が
他の国に移ったとみなされたり、
2年以上離れていたりすると失効する。

つまり、ただ単に住みたい時に住める権利ではなく、
実は義務も内包している。

好き勝手な場所で暮らしていると、
永住権を剥奪するという脅し付きで。

たとえば、当初はロンドンで暮らしていたものの、
退職等によって他の国にしばらく住みたいと思ったとする。

2年という期間はまだ分かりやすいが、
生活の本拠の判断なんて向こうの役所の恣意的なものなので、
どんな難癖を付けられるかも分からない。

そんな不安を抱えながら、
イギリス以外の国に移住することになる。

つまり、いつでも住めるという権利だけではなく、
住まなくてはいけないという義務まで付いてくる。

私は現状、自宅を持たずに世界一周を始めた。

仮に永住権を持っていたとして、
2年以内にイギリスに戻っても生活の本拠が
どこにあると判断されるかは分からない。

本拠といえる場所はないというのが実際だが、
それによって権利が失効するというシナリオも
向こうの意思1つで実現できてしまう。

曖昧な条件は無効の解釈一つでどうとでも運用できるので、
ビザとしては確かさがない。

どのくらいの期限になるかが決まっていないので何とも言えないが、
仮に1年かけて世界一周した場合、
それでもイギリスが本拠地と判断できるかはあやしい。

失効する可能性が0とは言えないし、
元々イギリスは永住権以外のビザも厳格なことで知られる。

不自然なほどに強権を発動し、
話題になることのある国。

こういうことも問題点として挙げられる。


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滞在日数の制限は他国でも見られるが・・・

滞在日数の制限はイギリスの永住権に限ったことではなく、
多くの国で1年のうち183日(つまり半分以上)は
過ごさないと失効するとか、
あるいは更新が拒否されるとか、
そういうルールがある。

先進国であれば、
永住権は簡単に外国人に渡すようなものではないので。

したがって、複数の国の永住権を保有するのは難しい。

それぞれの滞在日数の条件の下限がぶつかってしまうため。

私はフィリピンで永住権を取得することにしたが、
一生住もうとは思っていない。

試しに1年マニラに住んでみて、
居心地がいいことは分かった。

しかし、私には決まった拠点を持つ気がない。

せいぜい1年というペース。

その状態でフィリピン永住権を取ったのは、
将来の保証としての意味合いが強い。

実際に行使するかどうかは分からないが、
居住できる権利を確実に持っている国を作るため。

日本で天災等が起きたり、
あるいは経済が縮小して日本人の信用力がジワジワと落ちていっても
大丈夫な状態を作ることが目的。

その意味で、居住日数に義務が設けられているのは困る。

逆に言えば、
フィリピンはこの条件がないので取得することにした。

マニラやセブやダバオに住もうと、
まったくフィリピンに来なかろうとさしつかえない。

この自由度の高さはうれしい。


永住権の取得難易度は?

イギリスのような先進国において、
簡単に永住権が取得できないことは調べるまでもないこと。

一応大まかな条件を記載しておくと、

・合法的に現地で働けるビザを持って5年以上滞在した場合

・配偶者ビザで結婚生活が2年以上継続した場合

・合法的に10年継続して滞在した場合

が条件となる。

そもそも取れない(苦笑)。

しかも、最近では英語力や国についての知識も求められるらしく、
年々ハードルは上がっている模様。

ロンドンは好きだし、
街の中にいくつも大きな公園があったり、
美術館等が充実している環境は生活していく上で素晴らしいと思う。

数カ月後には湖水地方にも行ってみる予定だし、
気が向いたらリバプールにも足を伸ばす予定。

イギリスは好きな国ではあるが、
条件を確認するとビザや永住権の取得は困難。

その反面、ヨーロッパの大部分の国が加盟するシェンゲン協定の中でも
特別な規約が存在する国でもある。

他の国は合計で半年のうち90日しか滞在できないのに、
イギリスは180日までいることができる。

先にヨーロッパ各国を訪れて90日を過ごし、
その後にイギリスで90日を過ごせる計算に。

このような制度を利用すれば、
ロンドンをはじめとした各街を楽しむことは十分に可能。

生活の拠点としてではなく、
旅先として活用していくことにした。

ヨーロッパのビザ・永住権の価値が下落

ブダペスト
ギリシャや南欧に端を発した経済危機により、
ヨーロッパ各国の中でも経済が強くない国は
外資を呼び込もうと必死になった。

その結果として、何が起こったか?

ビザや永住権の安売りが始まった。

たとえば、スペインは当初、
16万ユーロ以上の不動産を購入した外国人に
投資ビザを発行するという制度を設けようとした。

これについては、
イギリスを含む先進国の反対を受け、
金額を50万ユーロに引き上げることに。

なぜ他国がスペインの政策に口出しするかと言えば、
シェンゲン協定によって国民の移動の自由が確保されているため、
スペインが質の悪い移民を受け入れると、
その移民達が自国の治安や労働市場を荒らすため。

イギリスにもポーランド等からの移民が多数来ているが、
スペインがヨーロッパ外から移民を受け入れると、
ドイツやフランス等の経済の強い国に流れる可能性がある。

そのため、安易にビザを出されるのは
他のシェンゲン協定加盟国、特に経済が強い国に不利益に働く。

貧しい国に住み着こうと思う人はめったにいないため、
被害を受けるのは経済大国。

こうして南欧の国々に圧力がかかることになった。

投資ビザばかりではなく、
ハンガリーは永住権を発行している。

こちらはスペインやポルトガル、ギリシャ等がやっているような
不動産投資への見返りではなく、
5年物の投資国債を購入した場合が対象。

金額は25万ユーロで、
ハンガリー以外のヨーロッパの多くの国に
実質住める権利として考えると破格に安い。

世界的な永住権の相場として考えると、
割安感は並々ならぬものがある。

こうして一時的な政策とはいえ、
南欧や東欧の国が投資ビザや永住権のハードルを下げたことで、
ヨーロッパに滞在する方法が増えていることになる。

通常は一国のビザ政策は、その国の中で完結する。

しかし、ヨーロッパの多くの国が加盟する
シェンゲン協定によって領域内の移動が自由化されていることで、
あたかも1つの国のような状態になっているため、
周辺国にも大きな影響が及ぶ特殊な状態になっている。


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