海外移住の候補国選びは
ビザでスクリーニングをするのが手っ取り早い。
いくら住みたいと思った国であっても
向こうが拒否したら終わりなわけだし、
旅行で行くという手もある。
何よりも条件面で厳しいのはビザなので、
この点で絞り込みをかけると話が早く進む。
まずは住んでみたい国を列挙していって、
それぞれの国のビザ制度を確認して
取得可能かどうかをチェック。
ふるいにかけて残った国について
細かい住み心地等の条件の確認を行うと
余計な遠回りをせずに済む。
逆に住みたい思いを募らせ、
様々な情報を得てから最後にビザを調べると
断念せざるを得ない時に心が折れる。
居住環境の優れた国は多数あるので、
まずは大雑把にスクリーニングをかけて
候補を絞り込んだ方が楽。
ビザが理由で移住を断念した国
たとえばオーストラリアは世界的にも居住環境の良さで
注目されている国の1つ。
ケアンズやシドニー、メルボルン等を見ても
たしかに自然との調和や街の構造設計も美しい。
生活の質が高い街なのは間違いない。
その分物価も高騰していて、
世界有数の水準に達していたのは気になったが。
では、オーストラリアはビザが取りやすいのか?
まずワーキングホリデーの場合は簡単。
しかし、30代の私は年齢的に申請できない。
次に現地就労の場合も、
仕事や収入を選ばないのなら難易度はそう高くない。
ただし、私は自分のビジネスを持っているので、
誰かに雇われて働く気がない。
オーストラリアで起業するわけでもないので、
就労ビザ関係も取れない。
こうなってくると、
海外移住先としてオーストラリアを選ぶのは
ハードルの高い選択ということになる。
比較的似た環境でビザが取りやすい国としてはカナダがある。
こちらも英語圏で自然が豊かであり、
広大な土地を持つ人口密度の低い国。
カナダはビザなしで半年滞在できるし、
滞在延長の手続きさえすれば1年半までロングステイ可能。
本格的に何年も住むのは容易ではないが、
1年半程度ならかなり簡単。
それならオーストラリアではなく、カナダを選ぶのもありだろう。
なお、カナダについても投資移民制度が廃止され、
ワーキングホリデーや現地就労者以外にとっては
長期で住み続けるための門戸は狭くなった。
ビザなしで住み始められる国
カナダもそうだが、
1年程度の期間ならビザなしのロングステイが可能な国もある。
海外移住前にビザを取得しなくても、
そうした仕組みを利用して最初は渡航し、
現地についてからビザの申請が可能な場合も。
私が以前にマレーシアとフィリピンで行ったのはこの方法。
まず、マレーシアの場合には
ビザなしで90日の滞在が可能。
(台湾も同様)
そして、期限前に出国して戻ってくれば
期間がリセットされて新しく90日の期限が与えられる。
これを繰り返しつつ、
リタイアメントビザのMM2Hを申請、取得した。
マレーシアを去った後で暮らしたフィリピンでは、
入国の際に自動的に観光ビザが付与される。
移民局で更新の手続きをすれば
最大2年まで一度の入国で滞在が可能。
更新の手続きは自分で移民局に行く手もあるが、
マニラの移民局はイントラムロスという
自宅コンドミニアムから一時間以上かかる場所にあり、
自ら訪れるのは手間がかかる。
そこでサポート業者にお願いしていた。
当初はそんな風に観光ビザでしのぎつつ、
永住権のクオータビザの取得手続きに入った。
マニラに住み始めてから
永住権の申請開始までだいぶ迷っていたこともあり、
フィリピン在住中には取得完了とは行かず、
マニラのコンドミニアムを引き払ってから4ヶ月ほどしてから
クオータビザを無事に取得できた。
マレーシアや台湾、フィリピン、カナダは
こうした方法で移住をスタートすることが可能。
1年程度のロングステイであれば、
渡航後にリタイアメントビザ等の申請をする必要すらない。
ビザ取得の門が突然閉ざされることも
カナダの投資移民制度もそうだが、
歴史的に見れば各国のビザは取得が難しくなる傾向にある。
特に先進国の場合には。
国が貧しい間は外国人にお金を落としてもらうために
移住者に便宜を図るべくビザを簡単に発給する。
しかし、経済力が強くなっていくにつれて
制度を変えていく国が多い。
マカオもこれに該当し、
現在では投資によってビザを取るのは難しくなった。
また、表向きの制度は変わらなくても、
実際上の運用で条件を厳しくしているシンガポールのような国も。
シンガポールの就労ビザは
この2〜3年で条件が厳格化され、
取得済みの人の更新が拒まれるケースも報告されている。
この場合、シンガポールで引き続き働けないため、
他の国に移住せざるを得なくなる。
職を失う可能性もあり、決して甘くない制度。
一方、タイのようにビザのルールが二転三転していて、
エリートカードやイージーアクセスが廃止されたと思ったら、
数年後に復活した事例もある。
もっとも、エリートカードの復活は
軍部のクーデター後の暫定政権によるものなので
今後の動向はまだまだ不安定な部分もあるだろう。
このように国によって傾向も違うので、
海外移住の前にビザを今後も確保できそうか
長期的な見通しもたてておいた方がいいだろう。
もちろんあなたが住む期間に合わせればいいので、
骨を埋めるつもりでいくのか、
1年程度のスパンで考えているのかによって
必要条件は変動する。
海外に移住するのは本当に難しいのか?
日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。
同時に、
「英語が苦手で・・・」
「海外での部屋選びで失敗しないか不安」
「他の国での生活を想像できない」
「下見で何を確認したらいいか分からない」
「移住後の仕事やお金が問題」
等々の様々な不安や悩みも耳にする。
そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
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