一人暮らしのまま海外移住する際のハードルは思った以上に低かった

バンコク・プロンポン
海外移住は一人暮らしと家族連れ、
特に子供がいるかどうかで大きく難易度が変わる。

私自身、単身で日本を出てきたので
ろくに準備をする必要すらなかった。

あの頃は初めての体験でノウハウもなく、
事前に何を用意すればいいかも手探りだったが、
マレーシアに2年住み、その後は拠点をフィリピンに移し、
現地で一人暮らしをしてきた。

その結果として言えるのは、
事前に想定していたよりもずっと
ハードルは低かったということ。

家族と一緒に海外に出る場合と違い、
説得や価値観の共有が不要なため、
自分の決意と最低限の条件さえ整えてしまえば、
居住国を変えることができる。

住む家は簡単に見つかった

マレーシアの自宅
マレーシアでは2つのコンドミニアムに住んだが、
どちらも現地系の不動産業者の仲介だった。

1年目が中国系マレーシア人のエージェントで、
2年目はマレー系マレーシア人のエージェント。

最初の方は知人がすでに移住していたので、
彼が使った業者を紹介してもらった。

その知人はネットを使って
現地の不動産業者を探したとのこと。

2年目については、
あらかじめ住みたいコンドミニアムは決まっていて、
そこの仲介をしているエージェントを探した。

しかし、ネットで英語のホームページを持っている
不動産業者に連絡をしてみても、
メールが返ってこないことが大半で、
返信があっても現在は空室がないとのことだった。

結局、そのコンドミニアムの入り口にある
入居者募集の張り紙を見て連絡して、
部屋が決まった。

フィリピンの場合には、
マニラとセブでそれぞれ暮らしたが、
どちらも日系業者に仲介と物件紹介を依頼した。

マニラは業者選びに問題があったが、
セブは入居から退去まで快適だった。

どれも共通して言えるのは、
家具・家電が付いているので着の身着のままで
生活をスタートできるということ。

着替えのための服や仕事道具は要るとしても、
基本的に旅行者のような荷物で十分。

実際、フィリピンに移住したときには
飛行機の機内に持ち込めるサイズのスーツケース1つまで
荷物を圧縮することに成功した。

これは一人暮らしだからできることで、
たとえば子供がいれば荷物だって増える。

また、周辺環境として考慮すべき事柄も増える。

たとえば、交通事情が安全かどうかの確認。

治安についてもより慎重に検討する必要がある。

通わせる学校についても合わせて考えることになるし、
スクールバスがなければ毎朝、毎夕車で送り迎えが
求められる場合もある。

子供が歩いて学校に行くのは
距離的にも治安的にも難しい場合が海外では多々あるので。

そうした事情に囚われないで一人暮らしができるのは、
大きなアドバンテージなのは間違いない。

海外生活の準備で重要なポイントは2つ

チェンマイの寺院
移住する前に解決しておくべきポイントとしては、
まずビザの問題がある。

どのようなスパンで海外移住を捉えるかにもよるが、
何らかのビザの見通しは必要。

それは必ずしもビザを取得することとは限らない。

たとえば、1年間のロングステイを考えているだけなら、
マレーシアやフィリピン、台湾、カナダのように
わざわざビザを取らなくても、
あるいは入国時に自動で取得できる観光ビザで滞在できる国もある。

この場合は事前に条件だけ調べておけば、
特定のビザを取得する必要はない。

もっと長期に渡っての生活となれば、
やはり海外移住前にビザが必要になる。

あるいは同じ1年のロングステイであっても、
タイのようにビザ無しでは実質的に不可能な国もある。

しかもタイの場合、
以前は出入国を繰り返せばそれが可能だった時期もあり、
情報がややまぎらわしかったりもする。

一人暮らしであれば、
こまめに住む国を変えるのも比較的簡単。

私もマレーシア、フィリピンと続いて住んでから
1年半以上ホテル住まいをしている。

もはやどの国で暮らしているかもわからないほど。

次は台湾に移住する予定だが、
家族連れで同様の動きをする自信はない。

収入の確保は必須

もう1つのポイントは、やはり収入面。

この点はリタイア後、
海外移住して一人暮らしをするのなら話は早い。

これまで築いてきた資産や年金収入で
身の丈にあった暮らしをすれば問題ない。

年齢的にも50歳以上になるとリタイアメントビザを取りやすいし、
しかも一人暮らしならなおさら簡単。

しかし、現役世代の場合には
仕事のことを考えない訳にはいかない。

ほとんどの人は会社に出社して給与所得を得ているので、
日本を出たら収入が絶たれることが大半。

もしくは会社から駐在員として海外に派遣されるか。

駐在員のケースを別とすれば、
現地で就職したり、フリーランスとして活動する人が多い。

私は日本在住時から自分でビジネスをしていたのと、
それを海外でも続けられたのが幸運だった。

就職して人に雇われてまで移住をする気もなかったので。

現地就職の場合、
駐在員に比べると待遇が悪く、
給料が低いだけではなく各種の手当も下がるのが通常。

職務の権限や出世の伸びしろも
著しく制限されている例も少なくない。

一人暮らしの生活費をまかなうことはできても、
大して余裕のない暮らししか送れないこともあるため、
物価の安い国に移住するメリットが薄れてしまうことも。

このあたりは楽観視しない方がいいだろう。

現地に行けば運命的な出合いがあるというのは、
さすがに地に足がついていない。

単身者ならフレキシブルに動けるし、
最悪の場合でも自己責任で話を済ませられるが、
ある程度の見通しは立ててから移住することをお勧めしたい。

と言っても、これは海外で生活する場合に限らず、
日本にいても同じことだが。

一人暮らしでも家事は不要?

国によっては、自分で家事をする必要がない場合もある。

たとえば、私がセブに住んでいた時には、
部屋に備え付けの洗濯機がなかった。

海外だと、普通は洗濯機ぐらい付いているもの。

不思議に思って内見の時に理由を尋ねてみたら、
コンドミニアムのコンシェルジュに言えば、
ランドリー業者に洗濯物を出してくれると言う。

実際、住み始めてからはその方法を使ったので、
洗濯物を渡せば洗って乾かし、たたんで持ってきてくれる。

食事も外食代が安い国も多い。

たとえばタイでも現地の屋台も織り交ぜつつ
時々和食を食べるぐらいなら
食費も大してかからない。

屋台なら300円以内で済んでしまうこともあるので。

台湾のように、自炊するのが贅沢という場合もあり、
外食が現地の生活の基本になっている。

台湾料理

一人暮らしの場合、
自分で料理をしても食材も余りがちだし、
国によっては外食の方がずっと安い。

また、掃除にしてもフィリピンのように
メイドを月に3万円程度で雇える国もある。

もっとも、一人暮らしで住み込みのメイドを
必要とする人も少ないだろう。

その場合、週に1回か2回だけ来てもらう手もある。

ただし日本より人件費が高い国も

こうして炊事・洗濯・掃除から解放されることも可能だが、
海外と言っても国によって事情は違う。

たとえばオーストラリアは州によって
最低賃金が1,800円を越えている。

賃金水準の高さは、
当然物価やサービスの価格も釣り上げる。

昔は老後に格安で住める国だったオーストラリアも
現在は日本以上に物価水準が高くなった。

ほかにも北欧やイギリス、スイス等に移住するなら
家事をアウトソーシングする場合の費用は
一気に上がってしまう。

見方を変えれば、
家事を出来るだけしたくない場合には
それが実現する国を選ぶことができるということ。

国によって生活上のメリットもデメリットも違うので、
賢く選択すれば理想の生活を送ることも可能になる。



海外に移住するのは本当に難しいのか?


日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。

同時に、

「英語が苦手で・・・」

「海外での部屋選びで失敗しないか不安」

「他の国での生活を想像できない」

「下見で何を確認したらいいか分からない」

「移住後の仕事やお金が問題」

等々の様々な不安や悩みも耳にする。

そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
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