マレーシアがどんな国かを
一度語ってみることにした。
住みやすさや移住先としての価値については
何度も語ってきたが、
そもそもどんな国かという話は
改めて振り返ると珍しいかもしれない。
身近すぎて見落としがちというか。
まず、マレーシアと言えば
移住先人気国として知られ、
ロングステイ財団の調査では
何度も人気ナンバーワンに輝いている。
理由としては、
温暖な気候や天災が少ないこと、
MM2Hというリタイアメントビザが年齢不問で
条件としてとてもゆるいこと、
物価が比較的安く、
1ドル80円代の時には
生活費が東京の半分程度で済んでいたことが挙げられる。
現在は為替の関係もあって
物価の安さというメリットは薄れたが、
それでもリタイア先として選ぶシニア層や
子供の教育先として留学に来る家族もいる。
ちなみに、マレーシアと日本の大学が提携し、
共同で授業を行ったり、交流を行う取り組みも散見される。
中央大学:マレーシア科学大学との共同授業を実施
鳥取看護大学:マレーシア大学サバ校とテレビ電話会議を行いました
首都のクアラルンプールはエアアジアの本拠地なので、
アジア各国を格安で旅行するのにもうってつけ。
お隣のタイ・バンコクはこの点が若干弱く、
東南アジアを安く旅したい人にとっては
起点はエアアジアのあるクアラルンプールか
scootのあるシンガポール。
なお、エアアジアは東南アジア各国はもちろん、
ネパールやスリランカのような南アジアにも
直行便が飛んでいる。
そのため、少々足を伸ばした旅でも
片道1万円台で飛べたりする。
マレーシアがどんな国かを語る上で、
移住するにも旅行するにも関係してくるのが食事。
正直、この点は個人的には評価が低い。
マレー料理と言えばラクサという麺料理や
ナシゴレン、ナシレマ、パクテー等が有名。
移住当初はそれなりに美味しく食べていたが、
飽きが来るのが早かった。
何しろ、マレー料理は基本的に油まみれ。
事実、現地のマレー系の住民は
イスラム教徒なのでお酒は飲めないが、
肥満率は高い。
食事だけで太るだけの環境があるということ。
味にも癖が強いので、
日本人がローカルフードばかり食べるのは厳しかった。
和食レストランもクアラルンプールやペナンにはあるが、
レベルはバンコクやシンガポールにはかなわない。
日本と同じか割高な金額を支払い、
そこそこのクオリティの物が食べられるといった具合。
もっとも、比較対象にバンコク・シンガポールを
持ってくるから劣っているというだけで、
海外というくくりなら和食には恵まれている環境。
また、マレーシアの特徴を語るにあたり、
多民族国家であることは欠かせない。
マレー系がおよそ7割、中国系が2割、インド系が1割といった
人口構成になっており、
それぞれに宗教も異なっている。
中国系は中国語を話せる人が大半だし、
言語でのすれ違いも。
アメリカとは違った意味での多民族国家で、
多文化の衝突地点でもある。
そして、アメリカやフランスのように
民族間の対立が多くはなく、
比較的有効なイメージをなぜか持たれがちだが、
現地に住めばそれが嘘なのがよく分かる。
基本的に各民族同士の人間で普段は固まることが多いし、
現地で話をしていれば中国系はマレー系を
なまけもののノロマのように語ったり、
マレー系は中国系を拝金主義者のように罵ったり、
決して有効的ではない。
多民族を強い言葉で批判した政治家の言葉が
失言として報道されることもしばしば。
国の政策としても、
多数を占めるマレー系の怒りを収めるため、
ブミプトラ政策によってマレー人を優遇している。
これは中国系が経済の面で強く、
くすぶったマレー系の不満を緩和するため。
この政策自体も物議をかもしたが、
インドネシアで過去に起きたような暴力的な衝突は
マレーシアとしても避けたいところだろう。
ただし、日本人として住みづらさを感じることはなく、
むしろ中国系が多いために違和感なく街に溶け込め、
その意味では居心地の良さを感じる部分もある。
政策がらみで言えば、
マレーシアはルックイースト政策をかつて掲げており、
東の国、つまり日本を見本にしてきた。
それだけ親日の国であり、
日本人に対する印象は良い。
もっとも、日本が嫌われているのは
周辺の限られた国ぐらいで、
たいていの国は親日か無関心のどちらかだが。
インフラはまだまだ弱い部分もあり、
スコールで大量に雨が降れば街のあちこちで冠水が起こる。
車が水たまりで水をはねることもあり、
雨の後は道を歩きたくない。
また、道路にちょっとした陥没がしばしば見られるので、
車はともかくバイクや自転車は要注意。
そもそも暑い上に道が整備されていないマレーシアは
自転車乗りには不向きな国。
特にクアラルンプールは渋滞と排気ガスもひどい。
こうした点は住みやすさを損なっている部分は否定できない。
交通インフラについては、
クアラルンプール市内には地下鉄とスカイトレインが走っている。
スカイトレインの駅
地下鉄
タクシーのトラブルが異様に多いマレーシアでは
公共交通機関で安全に移動できるのは嬉しい。
とは言え、クアラルンプール以外のペナンやマラッカ、
ジョホールバル、イポー等には地下鉄もないので
車を交通手段にせざるをえない。
治安についてはそれほど悪くはないが、
子供の誘拐は少なからず起きているし、
タクシー乗車時に運転手とトラブルになる事例は多発している。
普通に暮らしていたり、
マレーシアに旅行に来て起きる面倒事の大半は
タクシーで起こると言ってかまわないだろう。
そのため、移住するなら
タクシーなしで生活が成り立つコンドミニアムを
選んで暮らすのが快適に生活するためのポイント。
移住直後に住んだコンドミニアムは陸の孤島で、
車がないと不便だったのが困った。
2年目はその反省を踏まえ、
近隣に必要なものがすべて揃っている立地の物件へ引っ越し。
快適度がぐっと上がった。
コンドミニアムの選び方1つで
住みやすさが大きく変わってくるのが
交通の不便な街の特徴と言えるだろう。
日本人からするとなじみが薄いムスリムの国で、
どこかベールに包まれた印象もあるのがマレーシア。
周辺は仏教国(タイやベトナム、ラオス等)や
キリスト教国(フィリピン)が多いことを考えると、
少々変わっている部分もある。
たとえば、断食期間は
仕事のやる気が露骨になくなるとか(笑)。
とは言え、
イスラム教の国の中での戒律はゆるめなので、
日本人が暮らしても違和感はそれほど感じずにいる。
海外に移住するのは本当に難しいのか?
日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。
同時に、
「英語が苦手で・・・」
「海外での部屋選びで失敗しないか不安」
「他の国での生活を想像できない」
「下見で何を確認したらいいか分からない」
「移住後の仕事やお金が問題」
等々の様々な不安や悩みも耳にする。
そこで、10年以上海外で暮らし、
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