カンボジア移住は唯一ビザの条件面でのメリットがある

シェムリアップ

カンボジアに移住したいという人からの相談が
これまでに何度か、私のところに来たことがある。

個人的には今後住む国の有力候補にしてはいないが、
ひとまずビザの問題がどうなのかを調べてみた。

まず観光ビザは30日までの滞在で、
1回だけ延長が可能。

仮に1年住むとしてもこれでは問題がある。

それ以外にはどんな種類があるのかと思って調べると
カンボジアのビザには外交や公用、表敬といった
3ヶ月以内の滞在ができるものがある。

ただ、政府の人間でもない一個人にはどう見ても無関係。

仮に取れても3ヶ月では移住できるものではない。

短めのロングステイが限界。

他にも永住ビザやトランジットビザがある。

永住ビザを取ってもカンボジアに長期で住む予定はないし、
すでに永住権はフィリピンとマレーシアで取ったので
これ以上増やすつもりもない。

なお、永住権で誤解されがちなことだが、
カンボジアの永住権を取得しても
カンボジア人になるわけではないし、
日本の国籍を失うわけでもない。

これは市民権との混同で、
市民権を取得すると国籍も付与される。

対して、永住権は単なるビザなので
日本人が取得しても日本人のまま。

カンボジアだと猫ひろしが帰化して
リオデジャネイロオリンピックにカンボジア代表として
マラソンに出場したことを記憶している人もいるはず。

この場合は国籍変更なので、
永住権ではない。


私の場合、カンボジア移住の際の選択肢に上がったのはビジネスビザ。

現地で開業してビジネスをする気はないので、
本来ならこれも無関係な話。

しかし、どうもカンボジアのビジネスビザは発給要件がゆるく、
事実上観光ビザと同じ感覚で取得できる。

25ドルほど払って証明写真だけ持っていけば、
それで発行してくれるという。

海外で働く場合、相手の国の許可なく働くと
強制送還されるリスクもある。

向こうとしても自国民の雇用が奪われるのは深刻な問題であるため。

これに対して、働く予定なのに働かないというのは
それほど大きな問題にはならない。

向こうとしても外国人がお金を落としてくれて、
雇用を奪いもしないわけなので。

そう考えると、ビジネスビザを取ってカンボジアに移住というのは
可能である感じがする。

実行するならより詳しい調査が必要になるが、
かなりゆるい国らしい。

移住先としての強みは?

プノンペン
カンボジアに住むメリットがあるかと考えると
特に思いつくものがない。

色々な国には住んでみたいが、
どこでもいいというわけでもない。

そして、アジアに住むなら美味しい日本食レストランがあるのは
もはや必須条件になっている。

フィリピンやマレーシアといった
すでにビザを取得した国よりも大きな魅力があるかと言えば
その点にはやはり疑問が残ってします。

首都のプノンペンにしろ、
アンコールワットで有名なシェムリアップにしろ。

そもそもシェムリアップは観光に行く場所なので、
そこに住もうとは思わない。

生活の中にアンコールワットが存在することはあまり意味がないし、
観光客が多い場所はなにかと住みづらい。

人口密度も高くなってゴミゴミするし、
観光客を狙ったあやしい商売をする人間も集まってくる。

結果として治安も悪化するのがセオリー。

たとえカンボジアに住んでも私は日本人なので、
そうしたあやしい連中が寄ってくるのも目に見えている。

そうなるとシェムリアップは選択肢から外れてくる。

プノンペンはどうかと考えても、
特に選ぶ理由が今のところ見つからない・・・。

物価が特別安いわけではなく、
隣国の首都、バンコクと比べて利便性も著しく劣る。

生活費が変わらずに不便になるのでは、
わざわざ選択するだけの強力な理由が必要だが、
現状としては見つからない。

空気がきれいとか、
国民性が特別優れているといったことがあれば
まだ話が変わってくる余地はある。

しかし、プノンペンも大気汚染が少ないとは
とても言えない。

まして今後の見通しとしては、
当面は経済発展が環境問題よりも優先されて
状況は悪化の一途をたどるだろう。

少なくとも、プノンペンの環境が良くなる頃には
すでにバンコクではそれらの変化が実現されているはず。

このあたりはジャカルタに似ていて、
同水準の生活費で暮らしの質が下がるのであれば、
バンコクに住むほうがいい。


国民性にしても、
カンボジア人とタイ人を比べた時に
特にタイ人に問題があるようにも思えない。


では、旅行を前提として考えた時、
周辺国へのアクセスはどうだろう?

プノンペンやシェムリアップが
バンコクやクアラルンプールに比べて
アクセスが良い訳はない。

たとえば、プノンペンからシンガポールに行く場合、
バンコクや広州等を経由するのが一般的。

東京行きの場合も同様で、
日によってはモスクワ経由のアエロフロートが
比較的安価な路線として提案されることも。

就航路線が限定されてしまう。


地雷が埋まっている地域があることについては、
住環境としてそうした地域を避ければいいので
致命的な問題ではないと判断するにしても、
治安が特別良好なわけでもない。

今の段階ではカンボジアへの移住は本格的には考えていない。

ただ、この先アジアの中で
新しく住める場所を開拓する時には
可能性のある場所が1つ増えた。

何しろビザの問題が解決できないと
そもそもの話として候補にもならないので。

いくら魅力のある国でも、
向こうが受け入れてくれなければ始まらない。

その部分で可能性があるというのは朗報だ。

住環境をシビアに考察すると

プノンペンの道路
カンボジア移住は無期限で延期、というか中止した。

移住先の候補の1つになっていたが、
結論として今後の可能性については
中止の方向で考えることにした。

東南アジアに関しては、
マレーシアとフィリピンに計3年住んだ。

それぞれでビザも取ったので、
今後住むための基盤は整っている。

ここにタイを加えると、
東南アジアの移住先として人気を集める3つの国となる。

この3つの国が東南アジアでも暮らしやすいというのが
私が出した結論でもある。

それ以外の国というのは、
残念ながら今のところ候補に上がる気配がない。

それも、候補になりそうにないという確信が強まっていく。

これはカンボジアばかりではなく、
インドネシアやベトナムも同様。

こうした国が日本人の移住先として人気の国に対して
明確な優位性を持っていると思える要素がない。

物価の安さを指摘する人もいるが、
カンボジアが隣国のタイに比べて著しく安いかと言えば、
そんなことはない。

バンコクの生活費が高いと感じるなら、
チェンマイを移住先として選ぶ手もある。

個人的には物価も含めてバンコクに魅力を感じているが。

結局のところ、
プノンペンに価格面でのメリットはほとんど存在しない。

では、他に強みがあるのだろうか?

存在するのかもしれないが、
私には見つけることができない。

結局、人気国の劣化版という位置付けになってしまった。

気候が違ったりするのであれば、
それを持ち味にすることもできる。

しかし、カンボジアが周辺国と大きく気候が違うはずもなく、
移住において特に有利に働くことはない。

これはプノンペンでも、シェムリアップでも同じこと。

しかも、標準的な感覚の日本人が快適に暮らすという意味では、
一定数の日本人が住んできた街の方が有利。

これは和食レストランや日本の食材店のことを考えても、
容易に想像がつくはず。

マニラやバンコクのように長く日本人が住んできた場所には、
和食レストラン同士の競争も働く。

当然切磋琢磨が継続してきているわけで、
下手な日本国内の和食より美味しい店まである。

すき焼き
寿司
カキフライ

こうした環境というのは、一朝一夕には築かれない。

あやしげな店が進出して、
徐々にレベルアップしていくことが多いので。

ということで、わざわざカンボジアに移住するより、
ビザのあるフィリピンやマレーシアの方が住みやすく、
手続きも楽(というより完了済み)になる。

タイの場合はビザが取れなかったため、
カンボジアやベトナム等がその点で優位性を持つことはあったが、
これらの国がナンバーワンになるとは考え難い。

しかも、現在はタイランドイージーアクセスの復活で
50万バーツ出せば5年のビザを取得可能になった。

1年あたり10万バーツ、5年で180万円程度となる。

あまり安くはないものの、
バンコクとプノンペンの発展度の違いを考えると
暴利だとも感じない。

カンボジア移住の可能性があるとしたら、
住める国にはすべて住み飽きて他の国に行きたいというパターン。

こうなった時に考えるという程度の位置付けというのが、
現状の私の認識となっている。


海外に移住するのは本当に難しいのか?


日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。

同時に、

「英語が苦手で・・・」

「海外での部屋選びで失敗しないか不安」

「他の国での生活を想像できない」

「下見で何を確認したらいいか分からない」

「移住後の仕事やお金が問題」

等々の様々な不安や悩みも耳にする。

そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼント
することにした。


電子書籍の目次等も掲載しているので、
プレゼントページへどうぞ

電子書籍のプレゼントページへ



よく読まれている記事