中国の中でも日系企業が多く進出しているため、
仕事の関係で移住している人も多い。
この街の居住環境を治安や物価、言語等の面から
改めて考察してみた。
まず、大連は移住してくる日本人が多いため、
和食レストランや日本の食材店が多いのはプラスの側面。
伝統的に日本人が多く住んできたため、
その点で食事の面での条件が整っている。
市内には日本風情街と呼ばれる旧日本人街もあり、
歴史的に日本とのつながりが深かったことを思い出させる。
一方、さすが中国と思うのは英語の通じなさで、
中国語が話せないと生活に支障をきたす。
大連には日本語を話せる中国人もいるが、
やはり普段の暮らしをすべて日本語で押し通すのは困難。
言語と国民性に関連した話として、
大連では詐欺師やあやしい店の呼び込み以外で
日本語で話しかけてくる中国人がいる。
他の街であれば、
この手の類の人間は十中八九いかがわしい。
中国に限らず、これは世界的に共通すること。
バンコクでもそうした手口の両替詐欺師がいたが、
用もないのに路上で日本語で話しかけてくる外国人は
犯罪者か厄介者だと思っておくのがセオリー。
ただし、大連は中国の中でも親日の傾向が強い街で、
日本語を勉強している人も多い。
日本人や日系企業が多いこともあり、
単に練習のために日本語を使ってみたかっただけということもあるため、
無条件に無視していいのか多少迷うところではある。
大連は治安が悪い街ではないが、
仲良くなっておいてトランプ詐欺に引き込むとか、
飲み物に睡眠薬を入れるということも考えられる。
犯罪に巻き込まれないことを第一に考えるなら、
スルーして立ち去るのが一番だろう。
コミュニケーションを取るなら、
節度を持って付き合いたいところ。
あくまで大連以外の中国の街なら、
ほぼ間違いなくうさんくさい相手なのだから。
治安面で言えば、特に注意が必要なのはスリ。
逆に言えば、凶悪犯罪はそれほど多くはない。
特に危険度が増す時期としては春節(旧正月)前。
春節には帰省する人が多いが、
その時には交通費だけではなく
実家への手土産等のお金がかかる。
その費用を工面するため、
犯罪に走る人が少なからずいるため、
犯罪の発生率が上昇する。
ベトナムでも、テト(旧正月)には同じ傾向が見られた。
また、大連周水子国際空港では白タクが
ぼったくり料金を提示してくることもあるため、
正規のタクシーを使うほうが安全に移動できる。
他にも、子供と一緒の場合には、誘拐に注意。
中国では子供の誘拐も多く、
それを防ぐために親や祖父母が付いていることが多い。
旅行者にしろ、移住者にしろ、
子供から目を離すのは危険なので、
日本にいる時のような感覚で放置しておくのは控えたい。
物価面でのメリットはない
上海や北京程ではないにしても、大連の物価も上昇の一途を辿っている。
中国の人件費が上がって
新興国に対して単純な製造業での優位性が揺らいでいるが、
当然生活費についても上がっている。
そして、賃金の上昇も不均衡で歪なため、
格差が激しく犯罪の温床にもなっており、
生活費は上がっても治安改善にはつながっていない。
当然、日本人が大連に移住する場合、
外国人としての暮らしをすることが大半のため、
現地の中でも貧しい人と同じような生活水準ではない。
たとえば、家賃で言えば
安い物件でも2,000元程度は見ておく必要があるし、
これは最低グレードと思っておいた方がいい。
家賃でも、日本の地方都市と大差なく、
レストランでの食事代はむしろ割高。
和食レストランなら、
お酒を飲まなくても1500円程度することはざら。
バンコクやクアラルンプールのような
東南アジアの街の方が物価が安く、
さらに生活水準も高い気さえしてくる。
食の安全製ということを考えても、
中国は近隣の新興国よりもよほど問題を抱えている。
環境が整っているとはお世辞にも言えず、
首都北京を中心にPM2.5による大気汚染にも悩まされ、
水源の汚染も取り沙汰されている。
こうしたことを考えると、
なかなか生活の場として考えると条件が厳しい。
大連に移住したことを、
身体を壊して後悔するような事態は避けたい。
なお、物価面で家賃以外についても見てみると、
マッサージは1時間で70元から、
バスは1元から、
路面電車も同様、
地下鉄は2元から、
タクシーの初乗りは10元となっている。
大連は交通費については安さが際立つ。
カルフールやテスコといったスーパーマーケットで
食料品等を見てみると、
1リットルの牛乳が11.3元、
米がキロ7.87元、
カップヌードルのシーフード味が4.8元、
鶏肉がキロ17.37元、
トマトがキロ6.87元、
じゃがいもがキロ4.3元、
玉ねぎがキロ6.17元、
オレンジがキロ12.2元、
1.5リットルのミネラルウォーターが2.7元、
コカコーラが350mlで2.3元。
自炊中心の生活をするなら
食費は特に高くはないし、
生活費を抑えることは可能。
一方で外食中心の暮らしであれば、
東南アジアや日本の地方都市の方が
コストが安くなる。
北京や上海、広州、深セン等の中国主要都市に比べ、
大連は親日度も高いし、
その意味では好ましい部分もある。
しかし、住環境としてシビアに考えた時、
中国以外の国との条件の差を補える要素はない。
そもそも世界的に反日の国の方が珍しいわけで、
私が住み始めた台湾も含め、
大半は多かれ少なかれ親日的。
そう考えると、
あえて大連に移住するメリットは見いだせなかった。
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