世界のどこでも生きられる力を

どうも誤解されがちなことがある。

これまで、私が慎重派であることには
何度か言及していると思うが、
どうしても私が冒険心あふれる性格であると
勘違いされてしまうことがたびたび。


我が道を行く勇者のような存在にあこがれたこともある。

しかし、自分がそうはなれないことに
30を過ぎてさすがに気付かずにはいられない。

むやみにリスクを取りたがる人とは、
根本的な属性が違う。


私はいかにして生き残るかに焦点を当ててきた。

たとえば、2度とサラリーマンには戻らないと誓ってから、
ビジネスにだけは一貫してこだわってきた。

生活に必要な金額以上を稼げるようになっても、
上司も部下いない、誰の目もないサボり放題な状態でも
ビジネスから離れることはなかった。


巷では稼ぎ始めると調子に乗って、
仕事そっちのけで遊び呆ける人もいる。

私からしたら、一方では豪胆でうらやましく、
他方では途方もない間抜けに見える。

ちょっと小金を稼いだぐらいで調子に乗れる神経が分からない。


会社に頼らず、自力で生き残る。

20代から生涯この状態を貫ける人は、
日本人の中でもごくわずか。

そう決めた以上、
生き残り戦略については本気にならざるをえない。


この点について、海外に出てから希望が大きくなった。

生き残るという視点で見た時の選択肢が増えたから。

たとえば、マレーシアのジョホールバル。

3LDKの部屋が月に3万円代で借りられる。

年中夏なので、夏用の服しか要らない。

和食レストランで毎回外食したとしても、
月に10万円で生活が成り立つ。

切り詰めて月に10万円ではなく、
余裕のある暮らしをするために必要なのが、その金額。


あるいは、ヨーロッパでも3,000円台で
中級ホテルに泊まれる街も見つけた。

仮に1ヶ月泊まってもホテル代が10万円程度。

一回の食事代が1,000円として、
月に16万円プラス雑費で滞在できてしまう。

アパートを借りたりすれば、
この金額を更に抑えることもできるだろう。


いざという時に必要な金額が、
こうして抑えられることがわかった。

そして、日頃から遊びに使うお金も減った。

遊ばなくなったという意味ではなく、
コストが下がったから。

たとえば、人件費の安い国に行けばマッサージを受けるとか、
ワインの安い国でシャンパンを飲むとか、
こうした物価の差を活用すれば
安いコストで最大限に楽しむことができる。


私の場合、世界一周は単なる豪遊ではない。

これからの人生をいかに生きるか、
その方針を決めるための視察という面がある。

移住先として、
旅先として、
投資先として、
仕事で集中したい時にこもる先として、
特定の時期に滞在するのに適した先として等、
様々な視点から観察し、その街の活用法を考える。

それが楽しくて仕方ない。

何しろ、日々自分の世界が広がっているのだから。


空白の紙に地図を描いている感覚に近いのかもしれない。

地図や地球儀では分からない世界の実情を、
実際に自分の目で見て、肌で感じてくる。

そして、今後の人生の中での位置づけを決める。

ガイドブックを見たところで、
到底うかがい知れない情報が蓄積されてきている。


ビジネスへのこだわりは、
収入を確保するというベクトルに向いている。

ただ単に仕事をするだけではなく、
独立以降、毎年コンスタントに数十万円はかけて学んでいるのも
能力を高めていくため。


海外を活用するというのは、
支出をコントロールする側面が強い。

資産構築のように収入を増やす側面もあるが、
全体としてはお金がなくても人生を楽しめるように
知識・経験を積み重ねているという要素が強い。


2つの異なるアプローチを両立させることで、
本当に自力で生き残れるのか
確信を得られなかった私も、
大丈夫だと断言できるようになった。

そして、安心感を得られたことで、
ますます新たな体験を積むことに前向きになれる。

そうなれば経験値が上がり、
見える世界がますます広がってくる。


こんな状態を作るためにも、
世界を上手に使うという視点を持って頂ければと思う。

そして、世界の中に住める場所がいくつもあるということ。

これは安心感につながる。

フィリピンの永住権、マレーシアのリタイアメントビザは
将来のための保険。

それ以外にも、
ビザなし、もしくは観光ビザで一定期間滞在できる国を
つなぎあわせて生活する方法もある。

まさに、今の私のように。



自宅を引き払ってからも、
帰る場所をいつでも作れる自信はあった。

それは手続き的な意味でも、感情的な意味でも。


世界の中にいくつもの居場所を作る方法については、
先日の案件をどうぞ。

あくまで自分の力で生きていくことを決めた人のためのものなので、
他人に頼って生きていきたいとか、
自分の人生に責任を持つ気がない人は関係ないため、
上記は読まないでスルーしていただければと思う。


ついでに言っておくと、
私の場合はビジネスがそれなりに上手く行っていた反面、
プライベートに発展性が見えなくなっていたのが、
海外に出た時期だった。

それから状況が変わった。

やりたいことが次々に出てきたから。


訪れたい場所は尽きることがない。

先日は、数年来の希望だったアイルランドのダークヘッジに
ようやく行くことができた。

魔女の森に通じていると錯覚してしまう道は、
実物を見ても独特の魔性な雰囲気を持っていた。


フィリピンやマレーシアのように
伸び盛りの新興国に身を置いたことで、
エネルギーをもらえた。

日本においては、平日の昼間に電車に乗れば、
停滞感があるのは簡単に皮膚感覚で理解できる。

疲れきった顔の乗客を見ていれば、
多くの言葉を使って説明する必要すらない。


それが新興国に出てみると、
収入は決して多くないはずなのに人々は明るく、
消費意欲も旺盛であることに驚かされる。

伸びていくのが当然という雰囲気の中にいると、
こちらのモチベーションまで上がっていった。


個人でビジネスをしていて場所の自由がある場合には、
期間限定でも海外に出てみるのは面白い選択。

最初は一週間程度でもいいので、
ルーティーンの連続に行き詰まってしまったら
環境を変えてみると気持ちが一新できることもある。

実際に、私がそうであったように。


ワールドホッパーの参加者は、
海外で集まって各自の仕事をする場も設けるので、
そうした場面も有効に使って頂ければと思う。

わざわざ海外まで来て仕事をするほどの面々だけに、
熱がほとばしるのも必然。

その環境自体が集中力を生み、
ビジネスを加速させることになる。


リスク管理としての意味合い

日本に限らず、世界で生き残るという視点で見ると、
ただ単に必要なコストが下がることだけがメリットではない。

たとえば、3.11のような出来事があった場合、
混乱しながら国内にとどまるしかないのか、
一時的にでも避難できるのかという選択肢を持てることになる。


内閣府による防災情報のページによると、
今後30年の間に、
70%〜80%の確率で首都圏直下型地震が起こると言われている。

そうなれば、原発のような災害が起こらなかったとしても、
経済が立て直せなくなって暴動等も起こる可能性がある。

そんな時に世界の中で生き残る力を身につけておけば、
安全な国にスムーズに退避できる。


「いざという時なら行動できる」というのが過信であるのは、
3.11の時に痛感したはず。

備えがなければ大きな変化は起こせないし、
結局は周りの雰囲気に流されてしまうというのが
残酷な現実となる。


1年後や3年後に、どのくらい日本への依存度を減らせているか?

これは日本人にとって共通の課題だと思っている。


それぞれが意味のある経験を持ち寄れるように


ワールドホッパーとしての生き方を身に付け、
最終的にはそれぞれが自分の道を好き勝手に進み、
そこで得た実験結果を持ち寄れるようになれば、
参加者それぞれにとってプラスになる。

事実、私の友人達はその傾向が強い。

いつの間にか住んでいる国が変わっているのは普通のことだし、
安全性が疑問視されるコソボに移住したり、
ブラジルまでワールドカップを見に行ったり、
1人の女性に会いに毎週末国境を渡っていたりする。

考えてみると、変わった人ばかりな気が(笑)。


いきなりそんな要求はしないにしても、
ワールドホッパーメンバーの中から、
自由に生きる人が増えてくれば面白いことになるのは必然。

それが私にとってのひそかな楽しみであったりする。


海外に移住するのは本当に難しいのか?


日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。

同時に、

「英語が苦手で・・・」

「海外での部屋選びで失敗しないか不安」

「他の国での生活を想像できない」

「下見で何を確認したらいいか分からない」

「移住後の仕事やお金が問題」

等々の様々な不安や悩みも耳にする。

そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼント
することにした。


電子書籍の目次等も掲載しているので、
プレゼントページへどうぞ

電子書籍のプレゼントページへ



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