タイランドエリートカードが信用できない

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スワンナプーム国際空港
タイに住む方法の一つとして、タイランドエリートカードを取得する道がある。

これは本来富裕層向けのサービスで、エリートという言葉が使われていることからも、ちょっとしたエグゼクティブ向けに提供されている制度であるということがわかる。

一時期は販売が終了(新規の受付が廃止)していたが、2013年に復活したこともあり、この制度にはさっそく注目していた。

というのも、現在タイに移住しようとしてもビザの要件がかなり厳しい。

50歳以上であればリタイアメントビザを容易に取れることができるが、それ以外のビザの取得は容易ではない現実がある。

現地で起業をするにしても、日本人1人に対してタイ人を4人雇用しなければいけないため、マレーシアのように一定の金額を資本金として積んでおけば、赤字法人でもビザが取れるというほど条件がゆるくもない。

そういったことを考えてみると、タイランドエリートカードを取って、バンコクやチェンマイ、プーケット、アユタヤ、パタヤ等の街に住む権利を切り開くのは、一つの方法となる。



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タイランドエリートには複数の選択肢がある

タイランドエリートカードにはいくつかの制度があって、一般会員(アルティメットプリヴィレッジ)の場合だと200万バーツ、今現在のレートで言うと、700万円程度を支払うことになり、5年間有効なマルチプルビザを取得することができる。

この5年分のマルチプルビザを4回得られるので、合計20年分の権利ということになり、さらに複数の特典が付いてくるため、タイへの移住やロングステイを考えている場合には大きな魅力がある。

元々、タイランドエリートカードはビザそのもののことではなくて、ビザも含めて様々な特典が付いた総合的な制度となっている。

特典の代表的なものとしては、まず空港の入国審査において優先的に手続きを受けられる。

空港の入出国審査で優先レーンの使用権が使えるため、待ち時間を短縮できる。

特にスワンナプームやドンムアン空港のように待ち時間が長くなりがちな空港を利用する場合、この特典はありがたい。

他にも空港ラウンジの使用権が付いているし、国際便を使った時に自宅やホテルまでリムジンで送迎をしてくれる。

指定のスパでのマッサージやゴルフ場の利用がそれぞれ年に24回まで無料でできるし、年に1回健康診断を無料で受けられる。

バンコク銀行の口座を開設サポートも付いている。


この特典を享受するため、200万バーツのまとまったお金以外に、年会費として2万バーツが必要で、仮にカードを紛失した場合には再発行費として4千バーツが必要。


また、要件として20歳以上であることが要求されるので、日本で言う未成年の場合には、タイランドエリートカードを取得することはできない。

他にも、過去に破産宣告をしているとか、精神障害を持っているとか、犯罪歴がある場合も断られることがある。


一般会員以外にも、タイランドエリートカードに用意されているシステムとして、まずは家族会員(ファミリープレミアム)がある。

こちらは100万バーツで手に入れることができて、年会費も1万バーツということで、一般会員の半額となっている。

基本的に、内容についても、一般会員に準じるものであって、5年間のマルチプルビザが4回発行可能で20年分使うことができる。

入国審査での優先レーンの使用権があるとか、そういったところは共通しているが、スパでのマッサージやゴルフ場のラウンドは、年10回に制限されている。

また、こちらは当然ながら一般会員の家族であることが要件となっている。


三つ目は不動産保有会員というもので、こちらも家族会員と同様、100万バーツで購入することができるが、年会費は一般会員と同様に2万バーツになっている。

こちらにはスパやゴルフ場の利用は付いていない。

また、時価で250万バーツ以上の不動産を保有していることが必要で、期間中に売却してしまった場合には、資格を喪失することになる。


これ以外にも、準会員資格としてタイランドイージーアクセスがあるが、こちらは期間がエリートカードの1/4で5年間。

そして金額も1/4で50万バーツとなっている。

私が以前に取得したフィリピンの永住権の場合、だいたい50万バーツ程度の費用で取得できたため、5年分のビザとしては考えようによっては割高感もある。

ただし、世界的に見るとそうではないことも明白。

イージーアクセスについては、色々と考慮するべきこともあり、さらに実際に取得したので、別の記事で改めて取り扱うこととする


20年も本当に継続するのか?


タイランドエリートカードの場合、20年間が有効期限となっているが、そうなってくると、その期間を無事にまっとうできるかどうかという問題も出てくる。

タイの場合、政情不安定なところがあって、軍がクーデターを起こしたりするぐらいなので、国が定めた制度を無効にしてしまうということも、可能性として全く有りえないとは言えない。

当然ながら、過去に費用を支払わせたものを遡及的に無効にするのは、国の信用や体面にも関わることなので、そう簡単にタイ政府としても実行するとは思えないが、どこかの国の通貨危機のように、国難に瀕した場合には何が起こるかわからない。

また、軍がクーデターを起こして、一時的に政権を握っているようなタイミングで、非常事態であることを口実にエリートカードの効力を未来において破棄するとか、そういった可能性もなくはない。

この辺りについては、かなり慎重に考えている。

より現実的なシナリオとしては、制度そのものの廃止よりは、新規の募集停止の方が可能性が高いだろう。

しかも20年という期間を考えると、途中からはリタイアメントビザを取得できる年齢になることもあり、必ずしもタイランドエリートカードの効力が十分に発揮されるとは言えないところがある。

そういった意味でも、タイに移住する為の方法としては、イージーアクセスの方が妥当ではないかというのが、個人的な考え。


リタイアメントビザのハードルが低いという事実


タイは世界的に見ても、年齢要件さえ満たせばリタイアメントビザを簡単に取得できる国となっている。

例えば、80万バーツ以上をタイ国内の銀行に預金するとか、毎月の収入として6万5千バーツ、日本円にするとだいたい23万円程度の収入があるとか、あるいは預金と収入の合計として、80万バーツ程度になるとか、そういった要件を満たしておけばよい。

ちなみに80万バーツというのが、だいたい290万円ぐらいになる。

これは世界的に見ても、取得の容易さという点では最上位レベル。

つまり50歳以上になれば、わざわざタイランドエリートカードやイージーアクセスを取らなくても、移住のためにはリタイアメントビザを取るだけでいいわけなので、年齢によってはこの点も考慮する必要がある。

もちろんエリートカードの方が様々な特典が付いてくるというメリットがあるが、スパやゴルフ場をわざわざ特典として、無料で使うことに意義があるのかどうかという点もかなりの疑問。

使う時だけ実際にお金を出した方が自由度が高まるし、結局のところ、賢い選択ができるのではないかという気がしている。


ただしエリートカードには魅力的のある特典も


頻繁にタイと他の国を行き来する場合には、入国審査がかなりの障害となる。

特にバンコクのスワンナプーム国際空港の場合、空港としてはもうすでに受け入れられる容量が一杯という感があり、入国審査にしても、下手をすると1時間ほど待たされたという話もある。

私は幸い、これまで入国審査が混み合っていても、目の前で新しいカウンターが開いて、すぐにそちらで手続きをしてもらえたりとか、常に運に恵まれて15分以上待たされたことはないが、これはむしろ例外的な話で、スワンナプーム国際空港においては、入国審査の長蛇の列に並ばなければいけないということも多々ある。

しかしながらタイランドエリートカードを持つことによって、優先手続きを受けることができ、この待ち時間が解消される。

ちなみにもう一つのバンコクの空港であるドムワン空港の場合は、エアアジアやノックエアー等のLCCを中心とした航空便しか発着しないということで、スワンナプームに比べると、元々入国審査で待たされる時間が短い傾向にある。

もっとも、年々こちらも利用者数が増えているが・・・。

以前にはこういった入国審査の優先手続きの権利を旅行代理店で購入することもできたのだが、今現在はそれができなくなっているので、無駄な時間を使わないという意味でタイランドエリートカードの価値は存在する。

なお、空港からの無料送迎サービスについては、あまり意味がないのではないかと思う。

タイにおいては、タクシーが多数あるので空港で普通に拾うことができるし、バンコクであれば市内まで走っても1000円程度。

さらに言えば、バンコクに限ればスワンナプーム国際空港からはエアポートリンクという電車が出ている。

ドンムアン空港にしても近くのチットロムというBTSやMRTの駅までバスが出ているので、そこまでバスまたはタクシーで移動し、後は市内まで電車でアクセスすることもできるので、あえてリムジンで出迎えてもらう必要がない。

また、リムジンでの無料送迎は国際便にしか適用されないため、バンコクからプーケットに行くとか、プーケットからチェンマイに行くとか、そういった時には適用されないといった制限もある。

こういったことを総合的に考えてみると、タイランドエリートカードの魅力は、かなり限定的だと判断した。

特に20年間の継続性というところに疑問が残るところから、エリートカードの取得は見送って、イージーアクセスについて取得するかどうか検討するというところに絞ることに決めた。


後日談:方針転換→イージーアクセスを取得


タイランドエリートについては慎重に様子を見てきたが、
結論としては取得することにした。

ただし期間が5年分のイージーアクセスを取ることに。
そして、先日無事に取得することができた。

そのことについては
こちらの記事で詳しく書いた


信頼できるエージェントにも恵まれ、
手続きが完了。

バンコクの移民局でビザも発行してもらったし、
昨日はバンコク銀行の口座開設も済ませ、
タイ生活をスタートすることができた。


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