海外不動産投資の失敗パターンと怖い業者

セブのコンドミニアム
今後数年で、海外不動産投資の失敗事例が急増すると思われる。

たとえば、この業界で有名なある日系の会社は、
今でも新しい案件を見つけては紹介しているものの、
漏れ伝わってくる内情はボロボロ。

一部の金融系の案件が頓挫し、
プレビルドで販売していたコンドミニアムが完成すると
賃貸管理のノウハウと能力のなさが露呈。

金融系も不動産系もひどい状態で、
キャッシュフローが火の車なのが投資仲間の証言からうかがえる。

資金繰りの苦しさを外部に漏らすという
投資会社としては意味不明なミスも。

この会社だけでも数百名、もしくは1,000名以上の顧客を抱えているので、
現状が表沙汰になっただけでも海外不動産投資の失敗例が積み重なる。



そして、特定の会社だけではなく、
今後数年で東南アジアのコンドミニアムが完成ラッシュなため、
当初描いていた想定とまったく合わない現実を
厳しく突きつけられる人が続出するだろう。

外国人投資家にとって、
比較的投資しやすい海外の不動産はコンドミニアムになる。

というのも、日本でのマンション購入のように
金額が小さく収まるというのも理由の1つだが、
もう1つ重要な要素がある。

それは国によっては外国人による土地の購入が禁止されており、
土地そのものや戸建ての所有ができない場合も多々あること。

日本のように外国人が好き放題に買い漁れる国は意外に少ない。

ある意味、日本の不動産市場の方が特殊とも言えるかもしれない。


たとえば、フィリピンでは戸建てや土地の購入は
外国人にはできない。

そのため、たとえばフィリピン人と結婚した人は
妻名義で土地を購入したものの、
その土地をだまし取られて離婚された例も。

これに対し、コンドミニアムは全体の40%までなら
外国人の購入が可能。

土地に関しても、部屋に対応する区分所有権を得られるため、
外国人投資家はコンドミニアムに群がることになる。


タイ、マレーシア、フィリピンあたりは
顕著にコンドミニアムの建設ラッシュが起き、
日本人投資家の間でもちょっとしたブームになった。

その勢いは周辺国にも波及し、
ベトナムやカンボジア、さらにはスリランカにまで及んでいる。

本来の需要を越え、
世界中で量的緩和が行われたことで放出された資金が
新興国の市場に流れ込んだ結果として、
何が起こったのか?

それは実需を越えた過剰な建設。



結果、賃貸付けが難しくなり、
空室リスクが増したり、賃貸利回りが下がったりしている。

キャピタルゲインを狙っていた人も、
物件価格が思ったほど上がらない状態に直面。

すでに完成した物件についても、
厳しい現実が突きつけられ始めている。



もちろん成功例もあるが、
それ以上に海外不動産投資の失敗事例が
今後数年で量産されることになるのだろう。

というよりも、
すでに潜在的にそれらの事例は生まれていて、
まだ事実が明らかになっていないだけとも言える。


セミナーでやる気が上がって

海外不動産は高額商品なので、
さすがにネット上での説明や紙の資料だけでは
なかなか購入に結びつかない。

そこで、販売している会社としてはセミナーをやることが多い。

わざわざ拠点となっている国から
日本まで人を派遣してセミナーを開くこともあれば、
海外不動産を扱っていながら、
なぜか元々の拠点が日本にある不思議な会社も。


無料・有料のどちらもあるが、
最終的な目的が不動産への投資を募ることなのは同じ。

セミナーは単なるきっかけで、
その後ろに控えた海外不動産への誘導がメイン。


その構造は誰の目にも明らかなようだが、
当事者についてはその限りではないらしい。

実際、日本に一時帰国した時に人と会うと、
まれにセミナーに行ってきた帰りという人もいる。

そこで話を聞いてみると、
講師の受け売りであろう回答を嬉しそうに語る人も。

その様子を見ていると、
単なるセールストークだったとは思っていないらしく、
紹介された案件に心から興味を引かれているようだった。


わざわざ会場まで足を運んだということで、
その時点で小さくないコミットメントが発生する。

行動心理学で言うところの一貫性の原則で、
コミットメントをした方向に一貫性を持たせたいのが
人の自然な心理。

セミナーに行くこと自体が、
そこで聞く話の内容にうなずき、受け入れる可能性を
知らず知らずのうちに広げている。


あとは話のうまい講師がいれば、
さらにモチベーションが上げられることに。

たとえその講師が海外不動産投資の専門家というより、
単なるやり手のセールスマンであったとしても・・・。


海外不動産の下見の罠

内装込みの物件
マレーシアとフィリピンに投資修行のため、
住んでいたことがある。

同時期に2つの国を行き来して暮らしていたのではなく、
最初にマレーシアで2年を過ごし、
その後にフィリピンのマニラ・マカティ市へ。

その後はセブでも暮らした。


こうしてじっくり腰を据えて街の様子を観察し、
不動産物件も見てきたのだが、
その時に気になったことがあった。

不動産の下見ツアーに参加したこともあるが、
マレーシアの片田舎の街に初めてやってきて、
なぜか半日のツアーで色々わかった気になり
購入を決断する人がいるということ。

たしかに、下見もしないで不動産に投資するなんて
無謀だと非難する向きもある。

しかし、中途半端な下見にどれだけの意味があるのだろう?


このマレーシアのツアーというのは、
ジョホールバルというシンガポールの隣町でのことだった。

この街は街の構造がわかりづらく、
中心部が明確ではない上、
(一応はシティスクエアというモールということになっている)
街が点在して1つ1つが離れている状態。

住んでいても、
それぞれの地区の関係がなかなか把握できなかった。


そんな理解しづらい街に半日のツアーで訪れ、
ジョホールバルの不動産を売っている会社の説明を鵜呑みにし、
購入を決めて喜々として日本に帰っていく。

これでは投資会社の口車に乗せられるため、
わざわざ日本から赤道付近まで飛行機で飛び、
半日を過ごしたことになる。

しかも物件が完成していないので、
見ることができるのは建設予定地だけ。

自分や家族を納得させる材料として、
現地を視察してきたという事実は有効だが、
投資で失敗を避けるために必要な行動には
まったく足りていないと感じてしまうのは私だけだろうか?

本当の意味で立地や物件を吟味するなら、
それ相応の手間と時間がかかる。

お手軽なツアーで決断するのなら、
紹介している会社が信頼できることを
あらかじめ確認しておく必要がある。

もっとも、いい加減な会社であっても、
接客技術のある社員がいれば
実態を隠せてしまうのが困りどころ。


失敗を量産する投資会社の怖い事例

冒頭でも書いた某有名日系業者だが、
既存顧客はこれまでの失敗と
対応の悪さを目の当たりにしているので、
どんどん離れている。

しかし、彼らは新規の案件を販売しない限り
キャッシュが回らないという状態。

となると、必然的に新規顧客の開拓を進めるしかない。

必死に集客・セールスをしているのは観察しているが、
被害者が増えているだけ。

一見、公明正大で美しい理念を掲げているが、
実際は不動産を含めた海外投資の失敗事例を次々に生み出しているだけ。



ただ、マーケティングの力があるだけに、
とりあえず人を集められるところが怖い。

どこかでキャッシュが回らなくなって倒産するまで、
被害者はひたすら増えていくことになる。

知名度のある会社だから信用できるという考えは、失敗の元。


その会社は海外不動産投資という
実質的に大きな会社がいない市場で
知名度が高い。

東南アジアを中心に複数の国で展開し、
各地にオフィスを展開もしている。


一方で、日本で有名な会社が海外に進出している例もあり、
その中のある会社で賃貸物件を借りてみたことがある。

マカティのコンドミニアムだった。

その結果わかったのは、
フィリピンで必要な人的リソースも備えておらず、
日本人顧客が対象だが対応はフィリピンクオリティ。

契約が決まった途端に日本人による対応は終了し、
あとは英語に切り替わるといったものだった。

何よりも、不動産のデータベースが整備されてなく、
マンパワーが必要なフィリピンにおいて、
現地のスタッフを拡充もしないのが問題。

日本人1人、フィリピン人の事務スタッフが1人、
あとは運転手だけという構成で、
本気でフィリピンで活動しようとしているとは思えない。

しかも現地スタッフは安くで雇えるため、
日本人を雇用するよりもハードルははるかに低い。


結局、とりあえず海外進出をしてみたものの、
実際は形だけ続けているだけのケースも。

そんな会社にだまされないためにも、
単純に知名度だけで信用するのは避けることをお勧めする。


海外に移住するのは本当に難しいのか?


日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。

同時に、

「英語が苦手で・・・」

「海外での部屋選びで失敗しないか不安」

「他の国での生活を想像できない」

「下見で何を確認したらいいか分からない」

「移住後の仕事やお金が問題」

等々の様々な不安や悩みも耳にする。

そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼント
することにした。


電子書籍の目次等も掲載しているので、
プレゼントページへどうぞ

電子書籍のプレゼントページへ



よく読まれている記事