
マレーシアにはMM2Hという永住権に近いビザがある。
これまでは50歳未満なら約900万円(30万リンギット)、
50歳以上なら約600万円(20万リンギット)を
マレーシア国内の定期預金に入れれば
取得できるというものだった。
世界的に見ても、
フィリピン以外ではトップクラスで簡単に取れるビザになる。
ただ、この条件が変わる可能性が出てきた。
モハメド・ナズル観光文化相が、
質の高い申請者を確保するためにハードルを上げて、
定期預金額を200万リンギット(約6000万円)にするべきと発言した。
最初は桁を間違っているのかと思ったが、
そういうわけではないらしい。
900万円から6000万円とは一気にハードルが上がるが、
他の国と比べれば特別に高い水準ではない。
むしろ、これまでのハードルが低すぎたとも考えられる。
MM2Hが取れないということは、
マレーシアに移住するのが困難になるということ。
ビザなしでも1年程度なら住めるが、
それ以降は入国が難しくなる。
さらに言えば、ビザの要件が厳しくなれば、
この1年はビザなしで大丈夫という状況自体が
見直されることもありえる。
これまでにMM2H取得者は2万人を越え、
2012年だけでも3200人以上だったという。
前年比では約35%。
そろそろマレーシア政府も外国人の受け入れに
慎重な姿勢に方向転換する頃かもしれない。
タイ、香港、マカオ、オーストラリア、カナダ・・・。
各国がこの数年の間にビザのハードルを大きく上げた。
十分に外国人を誘致できたら、
後は一部の大富豪以外は受け入れるメリットがなくなる。
マレーシアも、その段階が近づいているのかもしれない。
私はMM2Hをすでに取得したので関係ないし、
この件がなくてもマレーシアよりフィリピンの方が
移住先としては魅力があると思っている。
これは両方の国に住んでみての結論なのだが、
それぞれの国を比較した話もいずれできればと思う。
MM2Hの申請受理が停止したという話
私がMM2Hを取得した時にサポートしてもらったエージェントによると、先月から新規でMM2Hを申請した場合の
移民局側の受理手続きが停止しているということ。
これは公式にMM2Hの募集終了を意味するのではなく、
あくまでも一時的に手続きが滞っているだけ。
ただし、復旧の目処は立っていないということで、
このあたりはマレーシアらしい適当さ。
新興国においてはありがちなことで、
残念ながらいつでも順調に手続きが進み、
妥当な期間で取得できるわけではない。
これはフィリピンの永住権でも同じ現象が確認できており、
数ヶ月手続きが停止したまま放置されたり、
ひどい場合にはすでに終わった面接がやり直しになって
再度渡航しなければいけなかった事例も耳にした。
残念ながら、新興国の役所のレベルはこの程度なので、
その点は割り切ってビザを取得するしかないだろう。
個人的には、そんな役所との関わることのストレスを
最小限に押さえて本業に集中したいので、
ビザ取得はエージェントにサポートしてもらった。