世界的に考えて見ても、日本人は海外移住がしやすい環境に身をおいている。
これは様々な要因があるが、なんといっても大きいのが国際的な信用力。
パスポートの強さを考えてみても、日本人は恵まれた環境にいる。
実際のところ、例えば中国人やマレーシア人であれば他の国に旅行にいくだけでも七面倒な手間をかけてビザをとらなければいけないとか、そういったことが日常茶飯事に起こっている。
それに対して、日本人はひとまず入国して一週間や二週間、もしくは三週間程度滞在するだけであれば、まったく何の手続きも必要ない国が多い。
こういった国際的な信用力は、海外移住においても大きなプラスに働く。
というのも、長期滞在用のビザをとりやすいから。
こういったビザの問題以外にも、日本は比較的所得の高い国になるので、そこで得られた資産を海外に持って行くとか、もしくは日本の駐在員として海外に派遣されて日本人としての給料を得ながら外国で暮らすと言う事で、一種のさやどりをすることができる。
所得は高い国の基準、そして支出は物価の安い国の基準という夢のような生活ができるわけなので、こういったところで条件は大まかに整っている。
しかしながら、日本人が海外移住をしようとした場合には、言語の壁という問題も立ちはだかる。
実際、英語のサイトを抵抗感なく読み進められる日本人は、それほど多くはない。
これは海外居住者についても同じことだし、実際私も英語のサイトを読もうと思うと30秒ほどで投げ出したくなる。
そういったこともあるので、ごく限られた情報しか国内に入ってこないという問題がある。
実際、海外移住したい国ランキングを見てみても、どうも現実を反映していないのではないかと思わされることが少なくない。
そういったことあって、私は現実にどの国が移住しやすいかということを調べているし、実際にそれを調査して伝える事を活動の一つにしている。
こういった活動は、日本人がより多くの選択肢を持つために有効なはず。
私の知人であれば、リトル東京やリトルジャパンとして日本人街を各地につくるとか、日本語のできるお手伝いさんを養成するとかそういったことをしている人もいる。
これはこれで日本人のために役に立つことだし、可能性を広げることになるのはもちろんのこと。
その一方で、私は組織を持って大々的な活動をしたい気持ちがないので、あくまでも個人として行える事を優先してやっている。
特に私の場合であれば、語学力が特別高いわけでもないし、いまだに片言の英語しか話せない。
そういった状態であっても安心して住める国を探すことは、有意義なことなのではないかと思う。
幸いなことに、これまでに暮らしてきたマレーシアのジョホールバルやフィリピンのマカティという町は、私くらいの国際感覚や語学力であっても十分に暮らしていくことができた。
そしてそれ以外にも、すでにクアラルンプールのモントキアラであったり、タイのバンコクであったり、フィリピンのセブであったり、様々な候補地が見つかっているが、そういった街の実情を伝えていくことも私の役割として認識している。