海外移住の情報を見ていると、
いい加減な話が多すぎることに気付かされる。
実際にマレーシア、フィリピンと住んでみた体験から、
そして多くの海外在住の友人の話から、
明らかに嘘と分かる情報も多数。
それによって適切な判断ができなくなるという
厄介な事態に陥っている。
ただでさえ海外移住についての情報は限られているし、
それが間違っているというのは致命的。
そして、なぜ嘘が流れるかというのは
大まかに見て3つの原因があることが分かった。
業者による意図的な誘導
ビザや不動産を取り扱う会社であったり、
海外在住の日本人を対象にしたビジネスをしている会社が
意識的に誤った情報を流して自社に誘導する手口がある。
これは、その国を魅力的に見せるばかりではない。
他の国・都市を住みづらい場所と叩いたり、
競合他社を非難する手口もある。
直接自分の会社の肩書は使わずに、
一個人を装ってネット上でデマを流している会社も。
こうした会社の移住情報を鵜呑みにすることで、
悪質な会社との取引を始めてしまう人もいる。
冷静に多くの情報から推測すれば
その会社に問題があることが明白な場合から、
巧妙にやっている場合まで様々。
中には見抜くのが困難なことも。
彼らは利益目的に操作した情報を流すので、
これから海外移住しようと思って右も左も分らない人は
格好のカモにされてしまう。
そもそも言動には必ず何らかの色がつくものだし、
主義・主張が完全にニュートラルであることはありえない。
情報を受け取る側にもリテラシーが求められるのも事実。
感情的な情報操作をする人
自分が住んだ国が肌に合わない人はいる。
しかも生活のすべてがその国での出来事になるので、
もはや感情的になって悪口を言いふらしたり、
ネットに書き込む人も。
タイやフィリピン、マレーシア、アメリカ等、
日本人が多く住んでいる国であれば、
そうしたブログの1つや2つは必ず見つかる。
この場合の対処法は簡単で、
その人の情報にバイアスがかかっていないか、
つまり偏った意見になっていないかを見てみれば
参考になるかどうかは判別できる。
たまたま移住先の国が合わなかった人の話を
そのまま受け取って不安がる人が多いのが不思議だが、
不安なら下見に行けばいいだけの話。
国内外を問わず、どこに行っても不満はあるものだし、
どんな場所に住んでもイライラしている人はいる。
他人の体験談は
あくまで一例として観察したらいいだけの話。
ちなみに、このパターンには逆の例もある。
自分の人生を肯定したかったり、
知り合いに自慢したいために
過剰に海外移住が成功だったとか、
その国に住んで良かったと言いふらすパターン。
反対を押し切って日本を出てきたのに
今さら不満を漏らしたら体裁が悪い人と感じる人もいる。
そうした自己正当化等の目的で
妙にフワフワしたお気楽生活を送っているかのような
情報を発信する人もやはり時々見かける。
これも個人差の範囲内と思って見ておけば
大きく間違えることはない。
単なる無知
もはや移住情報でもなんでもなさそうに見えるものの、実際にネットで検索していたり、雑誌の特集を見ると、
まったく経験も何もない人の話が出てきたりする。
たとえば大手小町というQ&Aサイトが、
マレーシアへの移住に関して調べている時に出てきた。
質問者は事前の準備について聞いていたが、
回答者はマレーシアに行ったこともなければ
海外移住をしたこともない人が大多数。
無責任なアドバイスをしていただけだった。
ヤフー知恵袋や教えてgooを見ても、
明らかに海外生活をしたこともない人が
適当な偏見を書き込んでいるだけの例が散見される。
こんな情報を真に受けて参考にしたら、
判断を間違えるのは当然の事。
知識も経験もない人の無責任な情報であるのか、
それとも信頼できる情報源であるのか、
自ら見分けることは必須。
ネットはともかく、
雑誌にまでこうした記事があるのは
少々驚くことではあるが・・・。
古すぎる過去の情報
海外移住を取り巻く環境は常に変化している。
たとえば、ビザ。
数年前までは簡単に取れたのに、
現在では不可能ということは少なくない。
シンガポールの就労ビザのように
年々条件が厳しくなっていくケースもある。
あるいは、フィリピンのクオータービザを例に出すと、
一時期行政側の手続きが停止したことがあった。
それを見て、クオータービザはもう取れなくなったと思い込み、
そうした情報を発信している人も見かけた。
実際には、すでに手続きは再開していたにも関わらず。
クオータービザが廃止されたかのような記述を見て、
あきらめるべきか迷っている人もいたようだ。
物価のことについても、
15年も前の話をされても状況が変わっていることもある。
例を上げればオーストラリアは
一昔前の生活費の安い国から一変し、
シドニーは東京以上に物価が高騰している。
そんな例もあるので、
あまりにも過去の話だと参考にならないことが多々ある。
各国の銀行口座の開設の可否や手続きも
この数年で大きく変動している点。
香港は頻繁に条件が変動しているし、
シンガポールのOCBCやDBSのように
非居住者が口座を開くのが難しくなった例もある。
一方、台湾やフィリピンのように
原則として非居住者の口座開設は不可でも
なぜか開けてしまった例が少なからずある国も。
これは支店や担当者次第なので、
相当に運に左右されることを前提にしておかないと、
現地の銀行まで行って無駄足になった時に報われない。
海外移住に関する情報を発信する段階では正しくても、
それが過去のものになってしまうこともある。
ネットで色々なサイトを見ていて直面するのは、この問題。
現在でも同じ条件なのかどうかが確かめづらい。
これは治安においても言えることだし、
急ピッチで開発しているエリアの環境についても同様。
頭の中に古い情報しかない人が
過去の遺物のような話をしていることもあるし、
以前には事実だった情報が変更後も残されていることもある。
ネットばかりではなく、
雑誌やテレビも適当に取材をしているだけのことがあるので、
鵜呑みにするのは危険。
まとめると、海外移住情報は適当な情報も多いので、
自分の目で信頼性を判断することが必要。
いわゆる情報のリソースの確認。
基本的に1つの意見だけに惑わされること自体が危険だし、
それぞれの情報を総合的に判断したほうがいい。
不安が残るのであれば、下見等で実地確認するのが無難。
子どもの教育等がからんでこない気楽な立場なら、
私のように下見なしで住み始めてしまうのも選択肢だが、
その場合は他の国へ移れる柔軟性はほしいところ。
終の棲家にする決意で事前の下見もなしにやって来て、
実態を知って愕然としたのでは救われないので。
基本的に海外に住むのはそれほど難しいことではないし、
日本人はどんどん外に出てみたらいいと思う。
せっかく国際的な信頼度の高いパスポートもあるのだし。
ただ、その時の判断材料は冷静に選んだほうがいい。
最近では、活きた情報を得るために
下見の際にホテルに泊まらずに
airbnbを通じて現地のコンドミニアムに泊まったりもできる。
現地での宿泊体験を通して、
あなた自身とその街の相性を確認したり、
部屋の周辺環境を住民目線で観察したりするのは
単なるホテル利用よりも学ぶところが多い。
文字だけで理解できる範囲にはおのずと限界があるので、
海外生活の疑似体験をできるのは
慎重に現地事情を見極める上で大きなプラスになっている。
海外に移住するのは本当に難しいのか?
日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。
同時に、
「英語が苦手で・・・」
「海外での部屋選びで失敗しないか不安」
「他の国での生活を想像できない」
「下見で何を確認したらいいか分からない」
「移住後の仕事やお金が問題」
等々の様々な不安や悩みも耳にする。
そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼントすることにした。
電子書籍の目次等も掲載しているので、
プレゼントページへどうぞ。
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