子連れでの海外移住をした人を見ていて感じた意外な事実

ペナンのモスク

子連れで海外移住をすると聞くと、
いかにも大変そうなイメージがある。

しかし、実際に母子でマレーシアにやってきた友人や、
子どもと一緒に各国で暮らす人を見ていると
予想とは違う一面も見えてきた。

たとえば、生活環境への順応性。

これは明らかに子供の方が大人より早い。

特に言語の面では差が顕著で、
子連れで海外移住してくると親より子供のほうが
早く話せるようになる。

ある程度英語を勉強していた親でも、
途中で子供に追いぬかれたことを嬉しそうに語っていたりする。

たしかに学校の手配であるとか、
新しい学校への順応といった問題はあるので
子連れの方が悩みの種は多いはず。

単純な話、準備の項目も増える。

私のように独身で海外移住をする場合には
下見すらしないで突然やって来ても平気だったが、
さすがに子連れだとそうもいかない。

ただ、ハードルの高さとしては
国内の引っ越しと大差ないという話を聞くこともある。

学校を決める際には
どれだけこだわるかが差になるので、
この点は千差万別。

あまりこだわらないのであれば、
かなり簡単に進む模様。

実際問題として、
日本人が候補として考える学校なんて数が知れているので。

新しい学校に子供がなじめるかというのは、
日本国内の引っ越しでも同じ問題が起こる。

大抵の場合、
日本人が子連れで海外移住をする場合には、
現地の日本人学校かインターナショナルスクールに入れるのが一般的。

そうなると、周りも日本人ばかりか、
各国からやって来ているかの二択になる。

しかもそうしば学校は転校が多いので、
ある意味では日本の中で引っ越すよりも
部外者意識が生まれづらいという話もある。

たしかに日本の学校においては、
転入のタイミングは緊張するもの。

そこで排除されて苦労したという話もよく聞く。

ただ、海外で日本人が子供を入れるような学校は、
元々その国にとっての外国人が多いし、
人の出入りが激しい傾向にある。

この点は救いになる。

子連れで海外にやって来た人を見ると、
教育を目的にしていることもあれば、
仕事の都合や原発の問題がきっかけのこともある。

どちらにしても、
日本で旧来型の教育を受けさせるのではなく、
移住先で別の価値観を育むのも1つの方法。

日本の経済の先行きが暗いのは人口動態を見ても明らかなので、
子供の世代には世界で戦える力が必要になる。

その意味では、幼い頃から自分の国以外に慣れ、
コミュニケーションを取れるようにしておいたほうが
いいのではないかと思う。

ただ単に外国語を学ぶということではなくて、
実際に外国人と意思の疎通をしてみるのが重要。

日本は世界的に見てもハイコンテクストな文化がある。

言い換えれば、言わずもがなの世界。

細々と自分の考えを表現しなくても、
多くの前提を共有することで会話が成立する。

しかし、外国人とのコミュニケーションでは
ローコンテクストを前提にしなくてはならない。

つまり、はっきり伝えなければ分からないし、
論理的に妥当でなければ受け入れてもらえない。

なあなあで納得してはくれない。

こうしたことは実践しなければ身につかないし、
早いうちに慣れる機会があるのなら、
それにこしたことはない。

子連れで海外移住をすることによって、
最初は文化の違いに戸惑うこともあるはず。

そこで文化や価値観の多様性を知っておくことは、
子供の成長においても糧になるのではないかと思う。

日本でも英語教育の低年齢化は進めているものの、
しょせんは大して英語が使えない日本人教師が教えるという
ギャグのような現実がある。

ドラマで明治時代の英語教育を見て、
あまりの発音や内容の適当さに笑いがこみ上げてくるのと
実は大して変わらないのが実際のところ。

そう考えると、
とにかく海外で生活してみる体験というのは
貴重なのではないかと。

もし私に子供ができたとしても、日本で育てようとは思わない。

日本人同士の組織の中での身の振り方よりも、
個人として好き勝手に生きる姿勢を教えるほうが
これからの時代にははるかに役に立つはずなので。

国境をズカズカと意味もなく越えていくぐらいの方が
よほど安定した人生を歩めるようになると思っている。


予防接種の問題

子連れで海外移住をする場合、
子供の年齡によっては予防接種が悩ましい問題になる。

というのも、国によって基準が違う。

どの病気の予防接種が義務付けられているのか、
年齡や月齢のタイミングについても違う。

こうしたことがあるので、
中途半端な年齡で子供を連れてきた場合、
日本と移住先の間のルールの違いが問題になる。

この悩みを嫌い、
子供が赤ん坊のうちに海外に連れてきた人も。

その家庭の場合、
夫だけマレーシアで単身赴任の形で働いていたので、
奥さんが子連れでやってきて一家が揃った。

その時に、3人の子供を伴ってきたが、
一番小さい子供を産んでしばらくというタイミングだった。

いくら夫がすでにマレーシアにいるとは言え、
奥さんの決断力にも感心させられたが、
予防接種の問題を簡略化するという意図を聞いて納得だった。



言語にはメンテンナンスが必要

子連れで大阪から中国とマカオの国境の町、珠海に海外移住し、
その後にセブに一家で引っ越した一家がいる。

彼らと初めて会ったのは、
共通の知人を通してマカオのポルトガルレストランだった。

マカオはかつてポルトガル領だったので、
今でもその名残がところどころ残っている。


それはそうと、彼らは珠海生活を終える予定が
特にあったわけではない。

ただ、中国で反日運動が起こった時期に
危機感を覚えてセブに移住したということ。

たしかに単身ならともかく、
子連れで住むとなると不安も感じるだろう。

小学生の年齡ということなので、
学校にも通っていたので、なおさら。

その後、子供はセブで順調に英語を覚え、
珠海で身につけた中国語、
そして元々使っていた日本語でトリリンガルとなった。


ただ、問題なのはセブに移住してから
中国語を使う機会がないので忘れてしまうということ。

同じ海外でも、
国によって使用する言語は違う。

そして、身につけた語学力も時間の経過とともに
徐々に忘れてしまうもの。

この一家は子供の中国語を回復させるために
時々香港を訪れることにしたらしい。

頻度的には、少なくとも年に1回以上にしたいとのこと。

子連れでどこかの国に移住し、
また別の国で暮らすという選択は当然ある。

どこかに永住しなければいけない理由も義務もない。

ただし、身につけた語学力を維持するには
それ相応のメンテナンスも必要ということ。

もちろん、オンライン英会話のようなサービスを使って
自宅で衰えを防ぐ方法もある。

なんにしても、一度語学を身につければ
一生使える引き出しというわけでもないのは
子連れで海外移住をして語学を学ばせる上で
考慮しておく必要のあるところだろう。


海外に移住するのは本当に難しいのか?


日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。

同時に、

「英語が苦手で・・・」

「海外での部屋選びで失敗しないか不安」

「他の国での生活を想像できない」

「下見で何を確認したらいいか分からない」

「移住後の仕事やお金が問題」

等々の様々な不安や悩みも耳にする。

そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼント
することにした。


電子書籍の目次等も掲載しているので、
プレゼントページへどうぞ

電子書籍のプレゼントページへ



よく読まれている記事