海外移住のリスクを経験者として集めてみた。
すでに日本を離れて6年以上たつが、
その体験からデメリットの部分を
今回は抽出してみることにする。
まずは治安の問題
日本は今でも世界有数に安全な国。そのため、他の国に住むなら
ほとんどの場合、治安状況は悪化する。
日本人が最も多く住むアメリカが危険なのは
もはや言うまでもないことだし、
ヨーロッパの先進諸国も移民の流入等で
治安が悪化する傾向にある。
イギリスやフランス、ドイツに行くと
こうしたことはよく分かる。
特に地下鉄に乗ったりすると、
荒んだ空気が流れていることに気付かされる。
東南アジアも日本人の海外移住先として人気だが、
こちらも日本ほど安全なわけではない。
ただ、バンコクの地下鉄やスカイトレインは
ニューヨークやワシントン、ミュンヘンの地下鉄より
ずっと安心して乗れるのも事実。
先進国は新興国より安全という幻想は
各国を周っていた崩れてしまった。
一方で日本は地震、台風等の自然災害のリスクが高く、
その点は差し引いて考える必要がある。
とは言え、天災による危険を差し引いても
相対的に世界の中で安全な部類に入るのは間違いないだろう。
為替変動で生活が圧迫されることも
私が海外に移住した時には、
どんどん円高になるタイミングだった。
1ドルが70円台に突入した時も
マレーシアを起点に各国を訪れていたので、
その時の為替レートが印象に残っている。
それに比べると、現在の円安のレートでの物価は
日本円換算した時に割高に感じる。
それだけなら別にいいが、
生活費に余裕がないと、死活問題になる場合も。
滞在先の物価を基準に十分な資金を用意したつもりが、
為替変動で状況が変わることはありえる。
ただし、為替リスクについては、
通貨を分散して保有しておけばダメージを軽減できる。
十分に回避可能なリスクなので、
むやみに心配しなくても、正しく備えておけば問題ない。
食事は意外に大事
海外に長期滞在してじわじわ問題になるのが食事で、
当初は旅行気分で美味しく現地料理を食べていても、
徐々に飽きがきて深刻になることも。
私もマレーシア移住当初はマレー料理を食べていたが、
6ヶ月もせずに飽きてしまった。
しかもコンドミニアムの徒歩圏内に
マレー料理やタイ料理、インドネシア料理等の
ローカルレストランしかない立地だったため、
1年の賃貸期間が終わるまで苦しめられた。
その後はマレーシアでもフィリピンでも、
和食やイタリアン等を食べられる場所に住んでいるので
このような問題はなくなった。
ただ、最初はポジティブに考えてしまいがちなので、
現地料理を飽きるリスクは考慮しておいた方がいいだろう。
生活をじわじわ侵食してくるストレスなので、
ちょっとした我慢では済まなくなりかねない。
国民性が合わない
ベトナムで3ヶ月の観光ビザを取り、
中部の都市、ダナン・ホイアン・フエにロングステイした時のこと。
ハノイやホーチミンのような大都市ではないにも関わらず、
どこへ言っても騒音がひどいことにうんざりした。
バイクや車はクラクションを挨拶代わりに鳴らし、
店の音楽も数十メートル先まで聞こえるレベルで流す。
そして建物は防音性が低い。
ベトナム人にとって、
多少の騒音は気にする必要のないものなのだろう。
他にもバイクタクシーが非礼と言えるような
勧誘の仕方を日常的にしてくるし、
ベトナム人の国民性とは相容れないと感じた。
やはり生活環境において人間が占める割合は高く、
この部分が合わないのは大きな負担になる。
海外移住先を好きになれないのは、
生活の質を考えた時に大きな損失だろう。
病気になった場合
普段の生活は外国人として暮らしていても意外に困らないもの。
ただ、体が弱っている時は別。
病気になった時、
薬局にしろ病院にしろ、
言葉が十分に通じなかったり、
その国の医療レベルに問題があるというリスクはある。
これについては元気な時に
あらかじめ調べておくと安心。
外国人の移住者が多い街であれば、
新興国なら外国人向けの病院が用意されているはず。
マレーシアやフィリピンでも病院に行ったが、
ローカルの病院の中にはボロボロで
衛生的にも不安が残るところも多いという。
しかし、外国人向けの病院ならきれいだし、
医療レベルも低くない。
マニラ在住時に訪れたマカティ・メディカルには
流暢とまでは言えないが日本語を話せる女医さんもいた。
また、タイのサミティベート病院やバムルンラード病院なら
日本語の通訳を付けてもらえる。
さらに言えば、バムルンラード病院には日本人の医師までいて驚いた。
日本でも引越し先で病院を調べておくのは常識だと思うが、
海外に移住すれば医療リスクは上がる。
心労も含めて。
この点は早い段階で調べておくと、
いざという時にばたばた慌てずに対処できる。
子供の教育
海外だと日本と教育制度が異なり、メリットともリスクとも言える。
これは考え方や価値観次第でもあるし、
どんな街に移住するかでも変わってくる。
私の知人は子供をイギリスの名門スクールの分校に入れるため
夫を日本において母子で引っ越してきた。
夫からすると自分が転勤したわけではなく、
一人取り残されているわけなので
単身赴任の逆バージョンのような形で。
また、別の友人一家は中国、フィリピンと住んで
子供が日本語・英語・中国語を話せるトリリンガルになっていた。
彼らは海外移住によって教育面で得られたものを喜んでいたが、
そうした人ばかりではない。
子供の年齢によっては日本語があやふやになってくる場合もあるし、
インターナショナルスクールの数が少ない街だと
教育水準が低いと感じても転校先がない場合も。
学校に通う年齢の子供がいる場合、
事前に調査しておいた方がリスクが小さく済むだろう。
ただし、自分に有利な情報しか流さない
紹介料目当てのエージェントもいるので、
そうした人にはご注意を。
海外に移住するのは本当に難しいのか?
日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。
同時に、
「英語が苦手で・・・」
「海外での部屋選びで失敗しないか不安」
「他の国での生活を想像できない」
「下見で何を確認したらいいか分からない」
「移住後の仕事やお金が問題」
等々の様々な不安や悩みも耳にする。
そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
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電子書籍の目次等も掲載しているので、
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