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ルーマニアの治安をブカレスト他3都市で観察してきた


ブカレスト旧市街
ルーマニアの中でも、ブカレストは治安の悪い町として名前が通っている。

例えばWEBサイトなどを見ていると、危ない上にたいした見どころもない街として、スルーすることを推奨しているサイトも多い。

今回私の場合は、ブカレストで7泊したあと、ブラショフ、シギショアラ、シビウとトランシルヴァニア地方も含めて合計で4つの都市を回ってきた。

本来であればアラドかティミショアラにも寄ってくる予定だったが、移動のルートを検討した結果、その2つの町は外すことにした。

もしかすると、ルーマニアという言葉よりも、トランシルヴァニアという言葉に憧れを持つ人が多いかもしれないが、どちらにしても首都のブカレストはトランシルヴァニア地方からも外れている。

では丸一週間ブカレストに滞在してみてどうだったかというと、特に治安が悪いと旅行者として感じたことはなかった。

私の場合は、ルーマニアに来る前にブルガリアでパソコンが盗まれ、ブカレストでは新しいパソコンを注文してから、届くのが遅れに遅れたので足止めをくらっていたが、旧市街の近くのホテルにずっと泊まっていた。

その間、危険そうな人物を見かけたり、ヒヤッとする体験をしたとか、あるいはアメリカのニューヨークやワシントンのようなピリピリした空気を感じたりとか、そういったことは一切なかった。

パソコンショップの店員の虚偽の説明(配達の時期、保証、動作環境等)は繰り返し行われていたし、そういったところにはうんざりしていたが、いわゆる犯罪に巻き込まれそうなことはない。

両替商がやってきて、続いて偽警官が登場というお決まりのパターンの詐欺にも遭遇しなかったし、タクシーを使った時にもちゃんとメーターを使っていたし、ぼったくられるようなこともなく、むしろルーマニアの物価の安さに驚いた。

なお、ブカレストにおいてタクシーは危険な乗り物とされており、特に流しの場合は危険度が増すので要注意。

ルーマニアのタクシー

一般的に言われるブカレストに際立った見どころがないというのは確かにその通りで、他の国にもあるような旧市街が存在する程度で、1日か2日あれば十分に観光は終わってしまう。

ブカレストの街並み
議事堂宮殿
Biserica Sfântul Anton

ブカレストで危険と言われている場所といえば北駅で、私も次の街、ブラショフに移動する時に利用した。

皮膚感覚で言えば、他のヨーロッパの長距離鉄道の駅と変わりはない。

ただし、あれだけ悪評が立つのには理由もあるだろう。

むだにウロウロしたりはせず、さっさと目的地ブラショフ行きの鉄道に乗り込んで後にすることにした。

スーツケースを引きずっていれば、どれだけ周囲を警戒しても動きは遅くなる。

絶好のカモになってしまうのは避けられないので、わざわざ危険地域と噂される場所でモタモタ時間を潰すのは得策ではない。

そして、ブルガリアに続いてルーマニアでも犯罪に巻き込まれるのは本意ではなかった。

さすがに二カ国連続での被害は東欧が嫌になってしまう(苦笑)。

こうして、北駅も無事に通過して、治安面でもっとも評判の悪いブカレストでの滞在は幕を閉じた。



ルーマニア、第二の都市ブラショフへ

ブラショフ
続いてのブラショフについても、基本的にのどかなところだと思ったが、一度4人組の荒くれ者風の若者たちがいたので、そちらには近付かないようにしていた。

この手の若者はどこの国にもいるし、基本的にヨーロッパ圏や北米の人種的に体の大きな人々の国は、それだけで威圧感が増すので、そういった意味で警戒しているというだけで、特別ルーマニアの治安がどうこうという話ではない。

とは言え、ブラショフは旧市街中心部を外れると寂れた感じで、ルーマニアの経済の弱さを垣間見ることになる。

あまり浮かれた観光客が歩いてると、危険な目に遭うリスクもなくはなさそうな。

財産目的の犯行よりも、極右の若者等からの腹いせのような暴力に注意が必要な印象だった。



シギショアラはルーマニアでも異色だった

シギショアラ
3ヶ所目の町となるシギショアラだが、ここは明確な特長があって、とにかく物乞いが多かった。

例えば、オープンテラス席で食事をしている時には、外から物乞いが入ってきて、子供2人大人1人だったが、合計3人が食事中に近くまでやってきた。

店員も最後の方は追い払いに来ていたが、もはや顔なじみになっているようで、威嚇して追い出すというよりは、苦笑いをしながら子供をたしなめるという程度だった。

この店では日常的な光景なのだろう。

これはシギショアラの旧市街を歩いている時でも同じで、すれ違いざまにペットボトルをひったくろうとする老婆もいた。

これもひったくりの常習犯というよりも、強引な物乞いという部類に入るのだろう。

シギショアラといえば歴史地区の時計台周辺が観光名所として知られるが、その周辺は特に外国人旅行者狙いの物乞いが多かった印象。

シギショアラ

また、新市街を歩いていても、自宅と思われる建物から出てきた子連れの40歳ぐらいの男が、煙草を吸う仕草を見せて、煙草を要求してきたりとか、とにかくそういったことが多い町で、その点はうんざりするところだった。

それにしても、子連れなのに子供のための食べ物でもお金でもなく、自分が吸うタバコを要求するのはどうなのだろう?

しかも家を出た瞬間、たまたま通りがかった外国人を見て呼吸するようにタバコをせびるというのも、慣れていなければできることではないのだろう。


シギショアラのホテル、Fronius Residenceはとても気に入っていたし、街も悪くなかったが、こういった点には辟易したし、長居したいとは思わなかった。

そんな場所なので、軽犯罪が多そうな印象は受けたし、治安というよりはむしろ風紀がよくなかった。



最後の街、シビウ

シビウ
シギショアラから再び鉄道に乗りシビウに移動したが、この町に関しては特に治安について懸念するような材料は何も見当たらなかった。

3泊してみたが、危険を感じるようなことはなく、不快な点も特になかった。

街並みはシギショアラがもっとも美しく感じたが、安心感を持って過ごせる街としてはシビウに優れたものを感じる。

市参事塔
テラス席
うそつき橋

ルーマニアの場合は、劇的に治安が改善するような理由が見当たらないので、ブカレストを中心に危険であるという情報についても、過去の話として無視するのは得策ではないように思う。

例えば経済発展をしている国であれば、失業者が減って、自然に財産狙いの犯罪が減るとか、あるいは政府も大々的に取り締まりを行うことが考えられる。

観光に力を入れている国であれば、外国人誘致のために警察官を増員するとか、取り締まりを強化するといった対策は当然に考えられるが、ルーマニアはそういった国ではない。

そう考えると、過去の犯罪事例は現在でも通用している可能性は十分にあるし、今回私が危ない目に合わなかったからと言って、治安が良い国だと言うつもりはない。

むしろ犯罪統計などを見るとルーマニアの治安は悪化傾向にあり、雇用情勢等も楽観視できる状態ではない。

結果、旅行者にとって関係があるところではスリ、ひったくり、置き引き等が多く、現地の人にとっては他に車上荒らしも多いらしい。

さらに、野良犬も街中で多く見かけるが、タイやマレーシアのような東南アジアの野良犬よりも一回り以上大きく、大型犬までいる。

トラブルがないのかと思いきや、ブカレストだけで年間1万件ほどの被害が出ていると言う。

動物愛護の精神でそのままにしているというより、管理する費用や人員が足りないという理由で放置している模様。

大きな犬に襲われるのは、ある意味人間よりも大きな恐怖。

そもそもブカレストに関して言えば、魅力自体が薄い町なので、確かにわざわざ足を運ぶほどのところではないような気がするし、一週間もいるとすっかり飽きてしまって、とにかくさっさと次の街に行きたくなった。

今回はブルガリアのベリコ・タルノボからの移動でブカレストに入るのがもっとも便利だったのと、新しいパソコンを購入するには大きな都市の方が都合が良かったのでブカレスト入りしたが、もう1度訪れることはおそらくないだろう。


ルーマニアは食事がまずかった

ブラショフのレストラン
治安以外の面で困ったのは、食事が他の東欧諸国と比べて露骨に質が落ちるということ。

マレーシアに住んでいる時には半年でローカルフードに飽きたが、それとはまた違ったニュアンスだった。

というのも、マレーシアの時にはローカルフードの独特の味付けや油っぽさが嫌になったが、今回はルーマニア料理に嫌気がさしたわけではなく、周りの国と同じ料理がまずかった。

たとえば豚肉のステーキと野菜の付け合せといったシンプルなメニューでも、なぜか味付けがまずい。

ポーランドやチェコのように、ルーマニアより経済水準が高い国よりも料理の質が低いのは納得できる部分もある。

生活のクオリティーが下がれば、味覚が形成される幼児期はもちろん、その後に食べてきたものも味付けにこだわらなかったり、外国人旅行者の舌の基準が理解できないのも仕方ない。

しかし、ルーマニアよりも1人当たりGDPにおいて貧しいブルガリアは、レストランの数が少なめな印象はあったものの、食事のクオリティーは決して低くなかった。

むしろソフィアで食べたミネストローネは、これまで世界各地で食べてきた中でもベスト3に入る。

隣国の首都ブカレストとは雲泥の差。

ブカレスト滞在中に発見したのは、ピザなら美味しいということ。

さらにマルゲリータが一番で、トッピングが増えるほどに味が落ちる。

この法則を次のブラショフでも試してみたが、マルゲリータさえまずかった・・・。

不思議だったのはシビウで、たまたま入ったレストランが当たりだったのか、シビウだけは他の国と比べても見劣りしない料理だった。

サラダとピザ
トマトスープ
オムレツとビール

ルーマニアは治安の悪さばかりが取り沙汰されるが、食事面の残念さも渡航前に覚悟しておいた方がいいだろう。

とは言え、トランシルヴァニアの旅は風景や街並みが素晴らしく、訪れる価値は十分過ぎるほどにあった。

いっそのことブカレストを起点にせずに、隣国のハンガリー・ブダペストから行くのもありかもしれない。

ただ、それもまたかなりの距離を移動することになる。

かと言って、それ以外の隣国からトランシルヴァニアに行くとなると、セルビアやウクライナ経由ということになり、そもそもフライトが少ないと予想される上、その国自体の治安にも一抹の不安が残る。


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執筆者、伊田武蔵

「旅をするように暮らしたい」

そんな思いで2011年に
下見なしで海外移住後、
フィリピンとマレーシアで
コンドミニアムを借りて住む。

その後、
今後の移住先候補の視察のため、
各国を周り住環境の研究をしながら
2年9ヶ月のホテル暮らし。

1年間の台湾生活を経て、
現在はタイでの暮らしを満喫中。

フィリピン永住権と
マレーシアのリタイアメントビザ、
タイランドエリートを取得済み。

8カ国に資産分散。

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