マレーシアで詐欺にあった

海外移住初日、これからの生活の場となる街、
マレーシアのジョホールバルにて
到着した日にコンドミニアムを決めた後、
部屋のクリーニングのために1週間ほどホテル暮らしだった。


ジョホールバルの中心地、
シティスクエアの隣にあるJBセントラルホテルに宿泊し、
移住2日目の朝を迎えた。

どこかで朝食を取ろうとウロウロしていると、
現地人と思われる身長160センチほどの
小柄で痩せ型の50歳ぐらいの中年男性から声をかけられた。

海外生活が始まったばかりということで
オープンな気分になっていた私は気を許し、
一緒に朝食を野外のインド系レストランで食べた。

料金が100円足らずということもあり、
その場の支払いは彼が済ませてくれた。


朝食の際の話では、1時間ほど後にミーティングがあり、
そのために今日はシンガポールからやって来たという。

アメリカに本社を置く貿易会社の
シンガポール支部に役員として勤めているらしい。



ミーティングまで暇なのでジョホールバルを案内してくれるという。


いくつかのタクシーに声をかけた後、
ジョホールバルの歓喜
(98年フランスワールドカップ出場を決めた試合)
の舞台となったサッカースタジアムや水上レストラン、
プランテーションの森などを見て回った。

時間が迫っているということで、
シティスクエアに戻ってきた時には彼は焦っていた。

タクシー代として430リンギット(11,000円)を請求された。

マレーシアに来てからタクシーに乗ったことがないため相場がわからず、
彼が急いでいることもあって高いと思いながらも支払ったが、
ホテルに戻って聞くと、それは詐欺だという。

100リンギットもかかるはずがないと言い、
ホテルのフロントのおばさんが
今にも外に飛び出していきそうな勢いで怒ってくれた。



移住2日目にして詐欺にあってしまったわけだが、
冷静に考えてみると彼のやり方は上手い。

まずは朝食で数十円とは言え借りを作っておく。

これでその後の要求は断りづらくなるし、
好感を持たれるための投資になる。

その後、シンガポールの企業の役員という肩書きを主張して、
(それらしい格好もしていた)
あやしくない人物であることを伝えておく。

そしてミーティングの時間があるという
締め切りを出しておくことで、
延々連れ回される心配がないようにしてから観光案内を申し出る。



タクシーの運転手数人に声をかけていたが、
今思うと英語を話せない運転手を探していたのだろう。

私達が乗ったタクシーの運転手は
私が話しかけても何を言っているのか理解していない様子だった。

これで詐欺師はタクシー代として金を巻き上げ、
自分はそのままタクシーに乗って去ることができる。

その後、必要な料金を運転手に渡せば、
残りは自分のものになる。


そして料金の支払いという最も問題のある場面に来る前に
時間のなさをアピールして考える隙を与えないようにして、
素早く立ち去る。

分析してみると、かなり手の込んだ仕掛けを作っている。



シティスクエアの近くというのは
ジョホールバルでも中心地なだけに旅行者が多い。

そこに狙いを絞った犯行なのだろう。

事実、後にジョホールバルに移住してきた友人も
この詐欺師に同じように騙されている。


英語を話したり、
現地の人とコミュニケーションを取ってみたいと
思っている人間をカモに絞っているようだ。



移住早々のトラブルになってしまったが、
この時には授業料と考えていた。

やはり海外で気を抜いてはいけないことが分かったし、
手口を分析すると感心する部分もあった。

とは言え、この時には
この詐欺師とまさか再会することになるとは思わなかった。



後日談:ジョホールバルで詐欺師と再会



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