シェンゲン協定はただの迷惑な制度な気がしてきた


ヨーロッパを旅行している時に、ビザ関係で問題になってくる要素として、シェンゲン協定がある。

元々はEUやその周辺のヨーロッパ各国で、自国民同士が簡単に移動することができるようにしているのがこの制度。

わざわざパスポートチェックを行わずに国境を越えることができるということで、移動を促進する効果がある。

私達日本人のようにヨーロッパと全く関係のない国籍であっても、この制度は適用されていて、例えばスペインのバルセロナからフランスのパリに移動する際に鉄道を使おうが飛行機を使おうが、パスポートチェックは行われない。

そのため、いちいちイミグレで担当官にパスポートを見せたり、スタンプを押されたりといったことはないので、簡単に旅行が出来るというメリットがある。

時間が短縮されることになるので、飛行機を降りてから並んだりする必要もないわけだし、さらに言うと、ヨーロッパは色々な国が密集しているので、いちいちパスポートを押されていると、それだけパスポートのページも消費することになる。

一見するとどうでもいいことであるようだが、海外に行く機会が多い場合、パスポートの増刷が必要になったり、5年や10年といった期間の途中でページがなくなって更新をしなくてはいけなくなる。

そういった場合には、パスポートにスタンプが押されないメリットは、小さなものではない。


シェンゲン協定のデメリット

シェンゲン協定があることによって、ヨーロッパ各国の加盟国において、通算で半年のうち90日しか滞在できないというデメリットがある。

これはどういうことかというと、基本的に日本とギリシャであるとか、日本とイタリアとか、こういった国同士では、90日間であればビザなしで渡航できるという二国間の取り決めがされていることが一般的。

つまり本来であれば、それぞれの国に90日間滞在できるはずなのに、シェンゲン協定があることによって、通算で90日しか滞在できないというよくわからない状況になっている。

国際法の常として、一つの制度のもと体系的に構成されているわけではなので、 各種の条約やそれぞれの国の国内法が抵触し合って、よくわからないグレーゾーンができてしまうということがある。

これはシェンゲン協定と、日本とヨーロッパ各国との二国間条約の間にも言えること。

つまり理論上は、イタリアに90日、その次に隣接するオーストリアに90日、さらにフランスからスペインに移動して、それぞれで90日とか、そういった滞在をすることも可能であるはず。

しかし、シェンゲン協定のためにそういった滞在はグレーゾーンになっている。

また、それぞれの国境でのパスポートチェックがないので、その間は問題なくても出国する時に問題にされるとか、改めてヨーロッパに入ってくる時に入国を拒否されるとか、そういったトラブルの原因になりかねない。

ネット上で見ていると、イタリア大使館の日本職員から、たとえシェンゲン協定の90日という期間を過ぎたとしても、実質的には大丈夫だという話を聞いたという声ものっていた。

そうした情報も非公式に出ているとは言え、ヨーロッパへ頻繁に行くのであれば、入国拒否をされないためにも、ここら辺はギリギリを狙うのではなくて、あくまでも公明正大なパスポートの履歴を残しておくことが重要。

それにしてもこんな面倒があるくらいであれば、国境でパスポートチェックをしてもらってもかまわないので、いっそのことシェンゲン協定が廃止されることを願ってしまうが、今のところそういった動きは耳にしたことがない。


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