フィリピンに住んでいた時には、マニラの新築のコンドミニアムに住むことになった。
実を言うと、誰も住んだことがない部屋に住むのはその時が初めてで、それまでは常に中古の物件に住んでいた。
これもいい体験かと思ったが、何しろまだ完成して間もないので、中には内装を作り終えていないところもあったりして、昼間から工事の騒音が鳴り響いている時期もあった。
コンドミニアムにはアドミンと呼ばれる管理人室があり、そこで色々な手続きをしなければいけない。
フィリピンの場合だと、水道代もアドミンの管轄になるので、毎月足を運ばなければいけなかったが、全く機能していないというか、あまりにもそこで働いている人が役に立たないので、どうしようもなかった。
新築だとまだ評判もないわけだし、アドミンのスタッフも不慣れな状態なので、ある意味では仕方がないところでもある。
しかしながら、快適にリノベーションがされた部屋であれば、新築と同様の環境で暮らすことができるわけだし、あまりにもアドミンの評判が悪ければ、誠実な不動産会社を選べば、そういった情報も教えてくれるので、避けることは可能になる。
フィリピンであっても、日系の不動産会社だったりすると、トイレの便座はちゃんと新しく変えてくれたりとか、そこら辺の配慮はきっちりとしているので、そういった物件なのであれば、新築でもリノベーションでも実質的には大して変わらないのではないかと思う。
新築の場合、建物の傾きとか、そういった問題もなかなか表面化しにくいので、住み始めてから問題に気付くことも多い。
実際私が住んでいた部屋の周辺も、どうやら建物の建て付けに問題があったらしく、ドアが開かなくて警備員やアドミンのスタッフを呼んで、何分にも渡って対処しているとか、そういったところを目撃したこともある。
新築頼みは今の時代にそぐわない
リノベーションも質は様々なところはあるが、ちゃんとした会社がやってくれれば、本当に綺麗になるわけなので、あえて新しい建物を作り直すよりも、ある程度質のしっかりしたものを作って、それをリノベーションして長く使っていく方が21世紀的な発想なのではないかと思う。大量生産、大量消費という20世紀のテーゼから、その次の世紀への移行ということを考えれば、特に先進国においてはそういった方向性で動いていく方が、少子高齢化、人口減少の波にもうまく対応できるはず。
もっともこういった発想は新しいわけではなくて、むしろヨーロッパや北米においては、何百年も使われている建物が町中に普通に存在しているわけなので、取り立てて斬新なものではない。
そしてその一方で、マレーシアやフィリピンのように、建物の質がまだまだ低い場合においては、リノベーションをしたところで安全の問題もあるので、ある程度の期間が過ぎた段階で取り壊さないと、かえって安全が脅かされるという恐れもある。
これだけグローバルな世の中なので、世界基準の建築を作ればいいのではないかという気もするが、住む人間のニーズであったり、現場で働いている人のモチベーションとか、建築コストをとにかく抑えたいデベロッパーや購入者といった利害関係者の気持ちが一致して、とりあえず安かろう悪かろうで作って、後のことは将来考えるという状況が新興国においてはまだまだ根付いている。
そういったことを考えても、まずは日本のような先進国からライフスタイルを変えて提示していくことが、これからの国際社会において求められていると感じている。
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