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スペイン不動産の魅力は家賃でも売却益でもなく、永住権が・・・



スペインの不動産投資には特殊な要素があり、永住権を取れる場合がある。

単純に家賃によるインカムゲインを得たり、売却益(キャピタルゲイン)を狙う通常の目的だけではなく、この永住権が大きな魅力になっている。


天才建築家ガウディを輩出し、サグラダファミリアやカサ・ミラ、カサ・ビセンス等のユーニクな建築物を持つことでも有名なスペイン。

この国に不動産投資をするメリットがあるのかどうかという視点で、今回は見ていこうと思う。

先日は首都マドリッドを訪れ現地の市場環境も見てきたが、正直なところ、不動産投資にはいまいち適していないというのが結論。

ただし、これは一般的な見解であって、家賃や売却益のみを考えた場合の話。

というのも、すでに不動産価格が高騰している部分もあり、これ以上価格が上昇し、売却益を得られるかどうか怪しいし、家賃収入についてもあまり期待ができないというのが、現状の利回りを見ての感想。

付け加えるなら、スペインの不動産市場は足元の景気がおぼつかないところもあり、そもそもこの国の経済状態が悪いので、今後の見通しはかなり不安定になってしまう。

そういった中でお金を目的として投資をすることは、あまり適切な選択ではないように思うし、私自身も日本から遠く離れて情報も限られたこの国に、わざわざ不動産投資をしようとは思わない。

しかしながら、スペインが経済危機に追い込まれたおかげで、新たなるメリットが一つ生まれることになった。


期間限定の大きなメリット


当初スペイン政府が発表したところでは、16万ユーロの不動産投資をすることによって、居住権を得られるようにすることを検討しているということだった。

この段階では永住権かどうかまでは判明しなかったが、何らかのビザを発給するという報道だった。

ただしこれは一国の話だけではなく、他のヨーロッパの国にも影響が出てくる。

というのも、ほとんどのヨーロッパの国はシェンゲン協定を結んでおり、スペインも例外ではない。

そして実施国は、国境沿いでパスポートチェックや移民の管理をしていないので、自由に域内を移動できることになる。

例えばスペインの場合は、フランスやポルトガルと陸続きで隣接しているが、これらの国にスペイン人が移動をしたり、あるいはスペインに居住権を持つ外国人が他の国に移動することが自由になる。

当然フランスを越えて、ドイツやイタリアに行くとか、そういったことも可能。

ということは、スペインがわずか16万ユーロの不動産投資によって居住権なり永住権なりを与えるということは、他の国にも質の低い移民が押し寄せる恐れが出てくるということ。

当然ながら、フランスやドイツのような平均所得の高い国は、その影響をもろに受けることになる。

もちろん悪い意味で。

というのも、仕事目当ての移民は所得水準の高い国に集まるわけなので、ルーマニア人やポーランド人がロンドンに数多く移住するように、スペインの居住権のハードルが低いと、結果的にドイツやフランス、北欧の国々が迷惑を被ることになる。

そしてこういった国の反対を受け、スペイン政府も結局方向を修正し、50万ユーロ以上の不動産投資をした場合に、居住権(持ち続ければ永住権に変えられる)を与える方向で決着した。

不動産を購入すればいきなりスペインの永住権がもらえるわけではなく、最初はビザ(Resident Permit)から始まり、5年ほど持ち続けると永住権になる。

また、永住権取得後は5年更新となっている。

他にもスペインで永住権を取りたいなら、不動産投資ではなく現地で就労用労働許可証の中でもCタイプに分類されるものを持ち、5年滞在すると永住権の申請資格を得ることが可能。


スペイン以外でも似た制度が

ブダペストの国会議事堂
隣国のポルトガルも同じく50万ユーロで同様の制度を設けているので、金額的にはスペインだけが特別安いわけではない。

さらに言うと、ハンガリーであれば国債への投資で永住権を得られるが、その基準額が25万ユーロとスペインの半分になっているので、こちらの方がハードルは低い。

こう考えてみると、スペインに50万ユーロ以上の不動産投資をすることで、他の国、例えばポルトガルやドイツ、フランス、イタリア、オーストリア、さらにベネルクスと呼ばれるベルギーやオランダ、ルクセンブルク等にも住むことが可能になって、移住先が大幅に増える。

さらに言えば、現状シェンゲン協定に加盟している国の場合、合計で旅行者としての滞在日数が決まってくるので、半年のうち90日以内というのが大部分のヨーロッパの国の通算での滞在可能日数となっている。

これは、長期旅行者にとっては悩みの種で、私自身も今現在ヨーロッパに来ているが、あと数日でポーランドを出なければいけない理由が、まさにこのシェンゲン協定の制限。

しかしながら、スペインで永住権を得れば、100日でも200日でも長期旅行を楽しむこともできるようになるため、移住者だけではなくて長期旅行者にとってもこの制度は魅力がある。

ただし、これは永続的な制度ではなくて、あくまでもヨーロッパの経済危機の余波を受けて誕生したもので、海外から資金の獲得を誘導するためのもの。

ということは、スペインの経済が潤ってきた段階で、当然のこととして廃止されるものと予想される。


今現在、ポルトガルやギリシャ等が同様の制度を設けているので、同時期に次々打ち切りになるのか、それとも国によってかなり時期がずれるのか、という点についてはなんとも言えない。

そもそも明日急に打ち切りが発表になって、新規での居住権の取得が無理になってもおかしくないし、あとどれだけ続くかわからない。

そういった意味で、期限の不確定な案件ということになる。


居住権と金額が釣り合うのか?


純粋に不動産投資として見ると、スペインの環境はあまり良いとは言えないと感じているが、そこに居住権が加わることで魅力的になるかどうかについては、考える余地は十分にある。

50万ユーロ必要と言っても、この金額を丸々居住権を買うために使うのではなくて、あくまでも不動産投資なので、仮に後日売却する時に利益を得ることができなくても、手数料等の諸々の費用を差し引いて、利益も損失も0の状態であれば、ただで居住権をもらえただけ得をする。

あるいは50万ユーロのうち、5万ユーロが損失として出た場合であっても、その金額で居住権を買えたと思えば、高いか安いかということは十分検討の価値がある。

スペインだけではなくヨーロッパ各国に住める権利として考えると、一割の5万ユーロ、つまり日本円で言うところの650万円ほどだが、この金額は十分に安い部類に入ると思う。

もちろんビザの必要性は人によって大きく違うので一概には言えないが、他の新興国と同等のレベルでヨーロッパの多くの国の居住権を得られるのは、明らかに格安。

そういった意味で、この居住権のビザを活用できる人にとっては、スペインの不動産投資は十分魅力的なものとなっている。


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執筆者、伊田武蔵

「旅をするように暮らしたい」

そんな思いで2011年に
下見なしで海外移住後、
フィリピンとマレーシアで
コンドミニアムを借りて住む。

その後、
今後の移住先候補の視察のため、
各国を周り住環境の研究をしながら
2年9ヶ月のホテル暮らし。

1年間の台湾生活を経て、
現在はタイでの暮らしを満喫中。

フィリピン永住権と
マレーシアのリタイアメントビザ、
タイランドエリートを取得済み。

8カ国に資産分散。

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