世界最強の日本のパスポートの限界



世界最強のパスポートは日本のものと言われることがある。

事実、これだけ多くの国にビザなしで行けるというのは
少なくとも世界屈指の信用を誇るのは間違いない。

日本人は相手の国にビザなしで行けるのに、
向こうが日本に入国するのには厳格な条件があったり、
相当な信用の差がある。

実際、私は観光ビザでフィリピンに住んでいるし、
それは空港で勝手に押されるだけ。

特別な手続きもいらなかった。

しかし、フィリピン人が日本に行くのは簡単ではない。

ただ、そんな世界最強のパスポートの威力にも
限界があるのを最近は感じている。

たしかに旅行に行く分には役に立つのだが、
1年程度のロングステイをしようとすると話は一変する。

ここまでの期間になるともはや日本のパスポートだけでは足りず、
それぞれの国のビザを取らなくてはならない。

そして、その手続は煩雑。

つまり、短期の旅行であれば日本のパスポートの信用力を
思う存分感じることができる。

しかし、長期の滞在となると不十分。

ここが世界最強と呼ばれるパスポートの限界なのだろう。

ビザなしで滞在できる期間は国によって違うので、
タイなら1回で30日以内とか、
ヨーロッパの大部分の国(シェンゲン協定加盟国)は
合計で90日とか制約がある。

それだけの期間滞在できるだけでも
パスポートとしては世界最強レベルではあるが、
もっと長くいたいとなると面倒な問題になる。

1年ごとに住む国を変えたいと思っているし、
実際にマレーシア・フィリピンと移住してきたが
この後の国では手続きが大変になる。

しかも、それを毎年やらなくてはいけないとなると
もはや心が折れそうに・・・。

すでにこの計画は中止して、
世界最強のパスポートを最大限活用できる
短期での旅行を繰り返す方向に切り替えようかとも思っている。

バンコク等に拠点を置いて頻繁に旅行に行くか、
そもそも拠点なしで各国を転々とするか。

これなら面倒な手続きもいらないし、
日本のパスポートの信用力の威力を最大限に活用できる。

ある意味、日本人の特権と言えるかもしれない。

短期の海外旅行ですらビザを取得しないと
自国から出られないというのは珍しくないこと。

それに比べると恵まれた環境にいることに
最近になって気づいた。

海外で暮らすまでは日本から出ることもほとんどなかったし、
パスポートの力なんて気にしなかった。

世界各国を動き回るようになって初めて、
その価値を意識している。

それにしても、さすがにパスポートの信用力だけで
1年滞在したいというのは無理のある話か・・・。

今後の計画をもう1度練り直さないと。

【追記】
日本のパスポートの信用力を最大限に発揮するには、
海外旅行がもっとも分かりやすい。

150以上の国にビザなしで行けるというのは、
世界的に見てイレギュラーに近いレベルなので。

ヘンリー&パートナーズの調査でも、
世界最強のパスポートと評価されている。

最強の信用力を持つ国の1つである以上、
その恩恵を活用しないのはもったいないのかもしれない。

ということで、
それを踏まえて新しい一歩を踏み出すことにした。

具体的には、
フィリピンのコンドミニアムの賃貸契約が終了したところで、
契約を延長せずに引き払った。

大家からは様々な条件を提示されたが、部屋を出ることに。

そして、当面部屋を借りることも、所有することもせず、
各国を転々としながら渡り歩くことにした。

最強の呼び声も高い日本のパスポートがあるからこそ、
こんな選択をすることもできる。

信用のない国に生まれなくてよかった。

ということで、フィリピンからマレーシアに移動し、
その後タイに来てのんびりしている。

これからいくつか移動の当てはあるものの、
それ以降は完全に自由。

その時の気分で決めることができる。

日本のパスポートの力を上手に活かしながら、
フラフラとホテル暮らしを続けていく予定。

特に終わりの時期は考えていないので、
気が向く限りは継続。

仕事も今までどおりなので、別に失業しているわけではない。

ちなみに、来年はパスポートの更新もあるので、
おそらくどこかの国の日本大使館で済ませることになりそう。

そのために帰国するのも面倒なので。

日本のパスポートの力を知った560日

マレーシアとフィリピンでコンドミニアムを借り、
合計で3年を過ごした。

その後、各国を転々としながらホテル生活を
1年半にわたって送ってきた。

その間、アメリカではESTAを取ったり、
オーストラリアではETASを申請したが、
これらの電子ビザ以外は何も用意せずに現地に行くだけ。

インドネシアでは空港で観光ビザを購入することにはなったが、
事前に書類等を準備する必要はない。

他の国では赤い表紙のパスポートを出すだけ。

日本の国際的な信用力が最強クラスというのを、
肌身で実感した1年半だった。

ただし、最強レベルのパスポートと言えども、
水戸黄門の印籠のように絶対的な力を持っているわけもなく、
イミグレの担当官がひれ伏すわけではない。

たとえば、フランクフルトからハリファックスに飛んだ時。

ハリファックスはカナダでも東の端に近い位置で、
こんな場所にフランクフルトからのフライトで
訪れる日本人はほとんどいない。

機内を見渡すと、そもそもアジア人がほとんどいなかった。

結果、飛行機を降りた段階で呼び止められ、
何の担当官かも分からない男に尋問を受けた。

その際にはパスポートのチェックもあった。

入国審査はその先にあり、その場所は単なる通路。

彼が何者だったのか、いまだに分からない。

その後もハリファックスではイミグレで散々あやしまれ、
税関でも荷物をすべて開けさせられた。

結果、乗客の中で一番最後に税関を通過することになり、
私が通る頃には辺りが閑散としていた。

この時には、日本のパスポートの信用力よりも
不自然なルートでアジア人が入国しようとしていることの方が
重視されていたと思われる。

英語が不確かで入国審査官の質問に回答する自信がないなら、
東京からバンクーバーのように、
日本人がよく使うルートを選択する方が無難。

それならおかしな詮索をされずに済む。

ハリファックスの時にも
別室に連れて行かれるようなことはなかったが、
気分の良いものではなかった。

ちなみに、ワシントンDCからバンクーバーに
再度入国した時には、
同じカナダへの入国でもスムーズだった。

やはり入国審査官の目から見て、
自然に映るかどうかが鍵なのだろう。

こんな例外もあったものの、
1年半の旅の大部分は
入国に当たって質問らしい質問もされず、
パスポートを呈示するだけで入国できた。

日本に対する各国の評価の高さを垣間見た思いだった。


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