タイのタクシー事情に希望が持てるいくつかの出来事

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タイにおいてもタクシー事情が手放しに良好とはいえず、この点は旅行者や移住者を悩ませているところ。

たとえば、首都のバンコクはとても快適で住みやすく、旅行者にとっても優しい街だが、この街の問題の一つとして交通事情が挙げられる。

といっても、地下鉄やBTSが完備されているバンコクは、周辺諸国と比べると明らかに便利でストレスが少ないが、1度車に乗るとなると渋滞がひどく、タクシーに乗れば乗車拒否をはじめとして様々な問題が起こる。

とは言っても、マレーシアに住んでいた私にとっては、バンコクのタクシー事情なんて天国のようにも思えるが、それでも日本のようにはいかない。

やはり、東京に戻るとタクシーの運転手の人が礼儀正しいし、わけのわからない言いがかりをつけてきたり、ぼったくりをしたりしないので、そこら辺の差はまだタイにおいても感じる。


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改善の兆しも


バンコクをはじめとしたタイのタクシー事情には好転の兆しも見えている。

まず一つ目に、タイ警察が空港で客待ちをしていたタクシーの運転手を逮捕する事件があった。

これはなぜかというと、その運転手のタクシーに切り替え式の高速メーターが付いていたから。

つまり、このボタンを押すと、通常のメーターの動きとは異なり、激しく料金を追加していくというもの。

海外においてメーター製のタクシーに乗るのは鉄則だが、そこに細工をされるとなると、なかなか対処のしようがない。

タイに来たのが初めてであれば、体感的な料金の相場もわからないわけで、何かおかしいと薄々察知しながらも確信が持てず、抗議できない人が大半だろう。

このドライバーはバンコクのスワンナプーム国際空港のタクシー乗り場で発見されたということ。

こういった悪質な手口が横行しているのは悪いニュースだが、それを警察がしっかりと取り締まっているのは朗報と言える。

ちなみに先日、バンコクのもう1つの空港であるドンムアン空港からモチット駅までバスで移動し、終電を逃してしまったので、そこからプロンポンのホテルまでタクシーを走らせたら、わずか130バーツ、日本円で400円ぐらいだった。

渋滞がないとここまで快適な上、料金も安いということらしい。

タクシーと警察ということで言うと、他にも乗車拒否のタクシーを21台連続でバンコクのツーリストポリスが逮捕したという件もある。

この連続逮捕劇の現場となったのは、いわゆる有名観光地やその周辺で、セントラルワールドやサイアムパラゴン、MBK、王宮前広場等。

観光警察庁は地元のインタビューに答え、タクシー運転手の乗車拒否はタイの印象を悪くし、観光立国にマイナスの影響を与えると話した。

まさにその通りだと思う。

タイの観光警察庁によると、乗車拒否された場合は、近くにいる警察官に連絡するか、もしくは写真や動画などを撮って警察署に届け出ることを推奨していた。

こういった姿勢を警察が見せていること自体が抑止力になるし、だいぶドライバーのマナーも改善されるのではないだろうかと、個人的には期待している。

また、バンコクに本社を置いているオールタイタクシー株式会社は、乗車拒否と過剰請求を絶対にしないことを公約としてサービスを開始した。

どうやら親会社はナコンチャイエアー株式会社という長距離バスサービスの会社で、LCCとの競争で本業が苦しくなってきたところ、こうしてタクシー事業に参入することにしたという。

フィリピンにも日本人が経営するタクシー会社があって、そこは安心感があるということで注目されてはいたものの、何しろ車の台数が少なすぎて、実際問題としてなかなか使い勝手が悪いという問題があったが、バンコクにおいてはフィリピンより少し早い段階でどんどん状況が改善されていくのかもしれない。


チェンマイやチェンライは独自ルールも


チェンライのタクシーや、
チェンマイの一部のタクシーが提示してくるのは
メーターの料金ではなく、距離を10倍した金額。

もちろん通常のメーターよりも割高だが、
バンコクに比べると近距離での利用が大部分なので
ドライバーとしてもやむをえないのかもしれない。


プーケットでも交渉によって料金が決まることが多い。

もっともメーターに忠実なのはバンコクだが、
こちらも料金を最初に提案されることがある。

海外のタクシーではこの程度なら日常茶飯事だし、
目くじらを立てても疲れるだけなので
折り合いのつく金額なら了承すればいいだろうし、
気に入らなければドアを閉めて次を探すのが得策。

こだわっても余計なトラブルになるだけなので、
適当にやり過ごすのもタイでの処世術。


初めてのバンコクでのタクシートラブル


もう何度もタイに滞在しているが、
初めてバンコクへ行った時にトラブルになったことがある。

友人たち5人で2台に分かれて出発したが、
私達が乗っているタクシーが
明らかに同じ場所を周っていることに気付いた。

道に迷っているわけではなく、
旅行者と見られてわざとぐるぐる周ったらしい。

そうこうしているうちに
もう1台に乗っていた友人からは
到着したと電話がかかってくるし、
運転手は追求してもしらばっくれるだけ。

同乗していた友人が怒り出し、
メーターの額ではなく
通常の相場にやや上乗せした額を払ったが
運転手は殴りかからんばかりの勢いで運転席から降り、
あたりの視線も気にせずに怒鳴り始めた。


タイ語ができない外国人とトラブルになっても、
うまくごまかせると踏んでいたのだろう。

結局、当初支払った額だけで立ち去ったが、
それでも彼にとっては上出来だったのだろう。

先程までの剣幕が嘘のように
最後は妙に素直な笑顔を見せて去っていった。


こんなこともあったので、
マレーシア同様にタイのタクシー事情も
修羅場をしばしばはらむものなのかと思ったが、
蓋を開けてみればそんなことはなかった。

この時の体験が特殊だっただけで、
ここまで悪質なドライバーはそれ以降に体験したことがない。

マレーシアではその後も何度もそんなことがあったが・・・。


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