アメリカのグリーンカードと市民権取得による国籍変更を考えてみた




これまでにもグリーンカードを取ってアメリカの永住権を取ったり、
さらには市民権を取得して日本国籍を捨てることについて
メリット・デメリットを調べたことはある。


一部の人から、
私は国籍をすでに日本から変えていると思われているが、
実際は変更していない。

おそらく、マレーシアのリタイアメントビザと
フィリピンの永住権を取得したことで誤解を受けたのだろう。

これらを持っていても、
国籍にはまったく変更はない。

もちろんパスポートも日本のものを持っている。



それはそうと、グリーンカードなら抽選で得られるし、
私のように差し迫った必要がないのであれば、
気長に待ち続けるという手もある。

将来に向けての選択肢を増やす意味で、
とりあえず抽選に参加しておくということも考えた。


さらに言えば、
アメリカは市民権を取得することも可能。

グリーンカードを取って5年以上滞在していれば、
その権利を得ることができる。

この場合、半年以上海外に出てアメリカに戻ってこない時期が
過去の5年間の中でないとか、
半分以上の期間を米国内で過ごしているといった規制はあるが。



条件を見てみると、
グリーンカードから市民権へのステップアップは
ハードルが高いような、低いような。

ただ、永住権自体がアメリカ居住を前提にし、
あまり海外に長くいると剥奪されるおそれがあることを考えると、
市民権取得に必要な条件はそれほど厳しいものではない。



さらに言えば、
グリーンカード取得時点で、
世界のどこにいてもアメリカに納税義務が発生する。

これは属人性と呼ばれる税制度で、
世界的に見ても特殊な方式。

日本のように属地性を取っている大部分の国であれば、
住んでいる国での課税が大原則。

しかし、アメリカ人はもちろん、
グリーンカード保有者も居住地にかかわらず課税される。


このデメリットはアメリカ国外に住むことを考えている場合、
思いの外大きい。

決して税率が安い国でもないため、
このような規制を嫌ってグリーンカードを忌避する人は多いし、
私もその一人。


これまでに抽選に参加してこなかったのは、
そのような理由がある。



逆に言えば、永住権(グリーンカード)を取った段階で
属人性の税制は適用されるわけなので、
市民権にアップグレードした場合には
それほど影響がないのではないかという気もしてくる。

ただ、実際のところとしては、
市民権は特殊な要素があり、
国籍まで変更することになる。


日本は二重国籍を禁止しているため、
アメリカの市民権の取得は日本国籍の喪失を意味する。

制度の裏を突いた方法は若干存在するようだが、
原則として日本人ではなくなる。


少なくても現状としては、
日本人の国際的な信用力はとても高い。

それはパスポートの効力にもはっきり反映されている。



私の場合、
日本人であることをやめようとは思っていない。

たしかに他の国に住める権利は確保しているが、
それはベースとして日本国籍があっての話。

市民権は基本的に考えていない。

あくまで永住権まで。



そういえば、
日本の財政が悪くなっていく過程で
属人性への移行が行われる可能性が話題に出た時、
友人が「そんなことになったら日本人をやめる」と
迷わず口にしたことがある。

彼なら実行しそうな気が・・・。


現実に日本が属人性の税制に変更するのは
他国との関係で困難。

実現する確率としてはとても低いはず。

そういった事情でもない限り、
他国の市民権を取る動機は見当たらない。

ましてアメリカでは属人性の税制なので、
国籍を変更しても無意味。


こうして見てみると、
私にはアメリカのグリーンカードも市民権も
取得する価値がないことになる。

フィリピンの永住権やマレーシアのリタイアメントビザの方が
使い勝手がいい。

もっとも、マレーシアの方はすでに先行きの見通しが暗く、
いつまで保持できるか疑問にはなってきているが。



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執筆者、伊田武蔵
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