オーストリアの物価をウィーン、ザルツブルク等6都市で現地調査

グラーツの広場
ヨーロッパの中でオーストリアの物価はどのくらいの水準か?

一般的なイメージとしては、
ドイツよりは安いが東欧よりは高いというところ。

しかし、現地を訪れて感じたのは
意外にその予測が外れているということ。

今回調査対象となったのは、首都ウィーンを始め、
グラーツ、インスブルック、ザルツブルクといった主要都市、
そしてザルツカンマーグート地方のバートイシュルとハルシュタット。

全6都市が対象となった。


例によって今後の移住の可能性も旅の中で探るため、
物価についても暮らすことを念頭に置いた部分と、
純粋に旅行者としての感想の両方がある。


スーパーに行ってみると

ウィーンのMELKUR
まずは、オーストリアの主要スーパーを周って
現地で調べてみた平均的な商品の価格について。

なお、今回の調査対象となったスーパーは、
現地で大手として名を成しているところ。

具体的にはSPARやBILLA、LIDL、MELKUR。

スーパーについては、
ウィーンの他にインスブルックやグラーツ、
ザルツブルクでリサーチをしてきた。

ハルシュタットは小さな町で、
湖畔を訪れる観光客目当ての商売になっており、
商品も観光地価格。

たとえば、SPARの系列店も中心部のマルクト広場近くで見たが、
水やビールは3ユーロと通常の店とは明らかに異なる価格帯だった。

そのため、参考にならないので割愛している。


以下はあくまで一般的なスーパーの物価の目安。

オレンジ→キロ1.99ユーロ

イチゴ→キロ3.99ユーロ

りんご→キロ2.49ユーロ

トマト→キロ1.99ユーロ

サンドイッチ→1.99ユーロ

コカ・コーラ→330mlで1.09ユーロ

ピクルス→1.99ユーロ

ケロッグのシリアル→3.29ユーロ

1.5リットルのミネラルウォーター→0.25ユーロから

グレージプジュース→2.39ユーロ

マンゴージュース→2.59ユーロ

レッドブル→1.39ユーロ

スパークリングワイン→2.49ユーロから

赤ワイン→2.79ユーロから

パン→0.15ユーロから

クロワッサン→0.49ユーロ

チョコデニッシュ→0.59ユーロ

HEINZのケチャップ→3.49ユーロ

250グラムのチョコボール→1.95ユーロ

100グラムの板チョコ→0.79ユーロ

アイス→1.3ユーロから

ウィーンのBILLAのりんご
グラーツのSPARのトマト
ザルツブルクのLIDLのサンドイッチ
インスブルックのスーパーのピクルス
ウィーンで見かけたスパークリングワイン売り場
バートイシュルのMELKURのパン売り場
グラーブにあるBILLAのアイス売り場

ヨーロッパの一般的な傾向に違わず、
食料品は軽減税率の影響もあって安い。

これはワインについても言えること。


今回のオーストリアの旅は
ドイツを訪れてからとなった。

結果、ドイツと大きく物価が変わらない印象を受ける結果に。


レストランの価格

ウィーンで食べた鶏肉料理
旅行者としても生活者としても、
レストランの価格は生活費に大きく関わってくる。

東南アジアで暮らすようになってから
自炊する気は完全に失ってしまったので、
仮にインスブルックやウィーン、グラーツで暮らすことになっても
その姿勢は変わりそうにない。


では、オーストリアの一般的なレストランの価格はどの程度なのか?

たとえばウィンナーシュニッツェルとサラダを食べた場合、
観光地に当たる各旧市街だと14ユーロ程度から。

肉料理+野菜の付け合せだとこれぐらいから。

飲み物代は別途となり、ビールで2.5ユーロから。


これはドイツと変わらないぐらい。

意外にオーストリアの物価はドイツに近づいている。

特にウィーンのように観光客が日々多数訪れる大都市では。

元々の歴史の経緯を紐解いても、
ミュンヘンのような南ドイツとの結びつきが強く、
南部のバイエルンはベルリンよりもウィーンの方が
文化的に近しいと言われるほど。

物価についても、
かなり近い性質を持っていることが判明した。


地元密着型の店については、
今回の旅ではいまいちよくわからなかった。

グラーツの中央駅近くには
ウィンナーシュニッツェルや鶏肉のグリルが
5.5ユーロというレストランがあったのだが、
価格が安すぎて逆に不安を感じた。

ウィンナーシュニッツェル

他に同価格帯の店も見つからず、
なぜその店がそこまで安かったのかは不明。


なお、ドナーケバブだと
3.5ユーロから4ユーロぐらいのことが多く、
グラーツはザルツブルクやウィーンよりも
0.5ユーロから1ユーロ安いことが多かった。


カフェでケーキを食べると、
だいたい3ユーロから。

スイーツ大国とされる国だけあって、
ケーキは美味しい。

初めてウィーンを訪れた時の感動が甦る。


なお、有名なカフェ・ザッハーのザッハートルテは
グラーツの店舗で5.3ユーロ。

ザッハートルテ

ウィーンやザルツブルクにも店があるが、
こちらが同価格かは分からない。


街中のジェラットリアは1.3ユーロからが多かった。

ジェラート

インスブルックに入った時にはまだ寒く、
ジェラートを食べながら歩く人はほとんどいなかったが、
気温が上がると共に見かける頻度が増え、
私自身もグラーツでは何度か食べた。

ワイルドチェリーやレモン等の味を食べたが、
どれも外れはなかった。


観光にかかるコスト

ウィーン旅行
オーストリアを旅行する時、
特にインスブルックとザルツブルクの場合には
少々変わった特徴がある。

インスブルックカードとザルツブルクカードが発行されており、
これを買うと市内交通と多くの博物館等の入場料が無料になる。

24時間だとインスブルックカードは33ユーロ、
ザルツブルクカードはハイシーズンで27ユーロとなっている。

なお、48時間や72時間のカードもあり、
それぞれインスブルックカードの
48時間は41ユーロ、72時間は47ユーロ、

ザルツブルクカードは48時間で36ユーロ、
72時間で42ユーロとなっている。


インスブルックからザルツブルクへの移動は
鉄道で14ユーロだった。

国内移動は陸路を使うと安いし、
主要都市は鉄道やバスで結ばれていて不便はない。

直前での購入でもさしつかえないため、
このあたりは便利なところだった。


ホテル代を見ると、ウィーンの5つ星ホテル、
DO & CO Hotel Viennaが33,138円、
4つ星ホテルのNovum Hotel Prinz Eugen Wienが9,799円。

ザルツブルクの5つ星ホテル、
Hotel Sacher Salzburgが51,691円、
4つ星のWolf-Dietrich Altstadthotel & Residenzが16,062円。

オーストリアのホテルの場合、
サウナが付いていることも多かった。

日本と違って男女共用であることが一般的で
水着の着用が必要なので、
サウナを利用する場合には
持参する必要がある。


近隣の国への移動費は安く、
たとえばウィーンからベルリンへは
LCCのイージージェットを使って4,000円代で飛べることもある。


ドイツやスロベニアと比べると

ミュンヘンの教会
オーストリアの物価はドイツより安く、
スロベニアよりは大幅に高いというのが当初の予想。

しかし、実際はその差が近づいている印象。

ミュンヘンからインスブルックに移動しても、
言語も通貨も変わらず、物の価格帯も同じぐらいだった。

国内で移動したのか、
他の国に来たのかピンとこないほど。


グラーツからスロベニアの首都、リュブリャナに来ても同じ。

レストランの金額が10%ぐらい下がった気がしないでもないが、
ほぼ同じというくくりで問題ない程度の僅差。

このあたりの陸続きの国は
シェンゲン協定によって移動が自由になり、
パスポートの提示すら必要なくなったこともあり、
どんどん物価の差が解消されている感じがした。

しかも通貨まで同一なので、
なおさら障壁となるものがないのだろう。


こと外国人旅行者に関係する範囲においては、
各国の経済力による生活費の違いが
どんどん狭まっている印象を受ける。

ドイツもオーストリアもスロベニアも
使っている通貨はユーロなこともあり、
同じ基準で比較することでその印象はますます強まった。


一方、依然としてスイスとの物価の差は大きく、
ドイツやオーストリアとは一線を画している。

実際、スイスの住民が
週末にドイツやオーストリアへやって来て
食料品等をまとめ買いしていくのは定番の行動。

まだまだ国境による価格差は存在するが、
その一因はスイスが独自通貨のスイスフランを
維持していることが挙げられる。

スイス連邦統計局によると
フルタイムで働くスイス人の平均月収が
約70万円とのことだが、
しっかり生活費にも反映されている。

となれば、
平日はスイスで働き、
週末は物価の安い近隣諸国で過ごすのは
合理的な選択となるだろう。


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