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久しぶりにオーストリアに来て、
この国の良いところと悪いところを改めて実感した。
首都ウィーンは以前にも来ていたが、
今回はヨーロッパ3ヶ月の旅の中で
インスブルック、ザルツブルク、
バートイシュル、ハルシュタット、グラーツにも足を伸ばした。
ミュンヘンから入り、
スロベニアのリュブリャナに抜けるルートで。
その中で感じたオーストリアの特徴を挙げておく。
まずは良いところから。
自然豊かで美しい国土
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インスブルックは4カ国にまたがるチロル地方の中でも
最大規模の都市となっている。
実際に訪れてみると、
アルプス連峰の美しさと雄大さ、
街からすぐそこというスケール感に圧倒される。
街を歩いているだけでもすぐ近くにアルプスを望むことになり、
それだけでも非日常を感じてしまう。
しかもトラムやケーブルカーを使って
簡単に山頂付近まで登ることも可能で、
その時には街がはるか遠くに見えるだけだった。
ザルツカンマーグート地方の
ハルシュタットは世界一とも称されるほどに
美しい湖畔の街として知られる。
![ハルシュタット](https://ijuusya.com/tyIMG_3196.jpg)
鉄道でアクセスして湖の向う側にある街まで船で行くが、
徐々にリアルな輪郭を示し始める街の美しさには
思わず息を呑むものがあった。
ザルツブルクやグラーツは川の向こうに旧市街があり、
小高い丘の上に城が築かれた。
![グラーツ](https://ijuusya.com/tyIMG_3589.jpg)
どの街も美しい。
自然が比較的近くにあるし、
チロルやザルツカンマーグート地方は
美しい景観の宝庫と言っても過言ではない。
言わずと知れた芸術の街
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ウィーンやザルツブルクと言えば、
音楽と芸術の街として知られている。
ザルツブルクはモーツァルトの生家や住居があり、
今でも多くの観光客が訪れる場所。
ただし、現在の音楽の中心はやはり首都ウィーン。
国立オペラ座と楽友協会ホールを擁するウィーンは、
世界的に見てもクラシックやオペラ等において
重要な役割を果たす街の1つ。
その権威はいまだに衰えることを知らない。
ウィーンを初めて訪れた時、
楽友協会ホールで行われる公演に
ドキドキしながら足を運んだのを覚えている。
名前も知らない楽団の演奏ではあったが、
忘れられない夜になった。
今回ザルツブルクを訪れた時には、
博物館の入り口のところで大学生らしきコーラス隊が歌っていた。
オーストリアの音楽との近さ、
さらには自然史美術館に代表される
音楽以外の芸術との距離には魅了されざるをえない。
一方で嫌なところも
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多くの国がそうであるように、
オーストリアも良いところだけではなく、
悪いところもある。
ただ、この国はマイナスの大きさが
ちょっとしたことでは済まなかったりする。
完璧な人間がいないように、
完璧な国家はないというだけの話では
許容できない弱点を感じざるを得ないところも。
まずは路上喫煙に対する姿勢。
芸術や文化の都といえば、
禁煙や分煙は進んでいそうなものだが、
残念なことに現実は真逆。
ドイツ文化圏でありがちなように、
オーストリアも路上喫煙や歩きタバコは多い。
ザルツブルク中央駅の目の前にあるバスターミナルは
十分過ぎるほどの広さがあるのに、
なぜか灰皿がチケットの券売機の真横に設置されている。
受動喫煙を防止しようと言う気概が
一ミリたりとも感じられない。
バーに入っても空気が悪く、
ビールやワインを楽しむ気にもならない。
喫煙率そのものも高いが、
受動喫煙を防ぐという意識も感じられず、
これなら新興国のタイやフィリピンの方が
よほど進んでいるとすら感じてしまった。
元々が芸術や知性の国というイメージだけに、
なおさらこの事実がもたらす悪影響は大きかった。
バリエーションに乏しい食文化
![カフェ・ザッハーのショーケース](https://ijuusya.com/tyIMG_3841.jpg)
オーストリアのスイーツは美味しい。
しかし、それ以外の食生活ということで言えば、
東欧の多くの国と同レベルのバリエーションしかない。
フランスやスペインに比べると
どうしても貧弱に映ってしまう。
たしかに短期旅行であれば問題ない。
代表的なオーストリア料理のウィンナーシュニッツェルは美味しいし、
揚げ物というジャンクな風合いは否めないものの、
そこにベリーソースをかけたりするところは
我々日本人の味覚には斬新。
しかし、のんびり国内を周りながら旅行をしていると、
似たり寄ったりなメニューのレストランばかりなことが
だんだん気にかかるようになってきた。
ザルツブルクやグラーツでも、
ほとんどのレストランが大差なかったのは残念。
観光資源に頼りきり
![グラーツ](https://ijuusya.com/tyIMG_3847.jpg)
オーストリアの悪いところとして、
豊か過ぎる観光資源への甘えがある。
これはこの国の良いところの裏返しでもあるが、
努力しなくても集客できるため、
現場で手を抜いている感が否めない。
たとえばインスブルックの観光名所においては、
英語表記すらも不十分。
ドイツ語で書かれていて困らないのは、
オーストリア人とドイツ人ぐらいだろう。
観光大国でありながら、
そんな基本的な取り組みさえできていない。
レストランにおいても、
表に掲示されているメニューには
英語表記がないことが多い。
店内で言えば英語のメニューが出てくるのに。
リスボンでも中心部では6か国語のメニューが
店頭に掲示されていたりする。
それに比べると、
まるでマドリッドのようなこの対応はいかがなものかと。
イタリアやギリシャのような
古代からの資源に頼った典型的な働かないイメージの国ではないが、
実態は少なからず似ているという印象。
中途半端な博物館が多いインスブルックにおいて、
インスブルックカードを発行して
それぞれの入場料を無料にしつつ、
カードの販売で安定した収益源を確保して
満足度も上げるといった取り組みも見られるが、
そもそもの旅行者目線での対応は手抜きが多い。
本気を出さなくても観光客はいくらでもやって来るのだろうが、
個人的にはオーストリアの悪いところだと感じざるをえなかった。
ウィーン、ザルツブルク、グラーツ、インスブルック、
バートイシュル、ハルシュタット・・・。
様々な街を周ってみて、
本当にこの国は旅行先として面白いと思う。
一方で住むにはいまいちというのが率直な感想。
それは上記のような良いところ・悪いところがあるため。
海外に移住するのは本当に難しいのか?
![](https://ijuusya.com/wp-content/uploads/m12_142017.jpg)
日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。
同時に、
「英語が苦手で・・・」
「海外での部屋選びで失敗しないか不安」
「他の国での生活を想像できない」
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そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
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![](https://ijuusya.com/immigrate-book.jpg)
電子書籍の目次等も掲載しているので、
プレゼントページへどうぞ。
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